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encounter  作者: RIO
25/59

2-8

季節は移りゆく。

春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来る。

一つ一つの日々はとても綺麗で、その日々に負けないくらいの多くの人々に出会えた。

だけど、あの日失った人たちに出会うことはなかった。


季節は春。

あれから何度目の桜だろうか、日々の流れは早くまるで何かのドラマでも見ているような気分だ。


私も先日高校に入学することができた、こんな私がここまでやっていけたのは中学までお世話になっていた親戚の叔父夫婦のおかげだ、その家も今は出てしまったんだけど。

まあ、もともと高校入学を期に独り暮らしを始める予定だったんだけど。


一人で自分の身の回りのことを全部しないといけないのは大変ではあったけど自分も大人の仲間入りができた気がして少し誇らしい気持ちにもなった。

なにより、忙しさのあまり余計なことを考える機会が減ったのは良かった。

・・・良かった?

そう、良かったのだが頭で余計なことを考えなくとも、ぽっかりと穴の開いた心が埋まることはなかった。


高校に入り私を取り巻く環境は変わった。

ってゆうか、自分で遠くの高校に進学し今までの人間関係を全て清算したんだけど。

まあ、クラスの人たちは比較的良い人達が多いのでうまくやっていけてると思う。

そうさ、このまま広く浅い付き合いを続けていけばいい、誰ともあたりさわりのないように。

ほら、そうしたら孤独になることもないし、大切な人がいなければあんな苦しい思いもしなくて良いじゃない。

仲良しな子ができなかったのは少し寂しかったけど失うくらいならいらなかった。

そんな日々を過ごしてゆく。


季節はさらに流れていきそろそろ冬に差し掛かろうとしていた十月半ばあの事件は起きた。


「えっ、ペット失踪事件?なにそれ?」

「知らないの?最近ここいらで起きている事件のこと。その名のとおり次々とペット達が行方不明になってるらしいの。なんでも被害届はもう14件もあるとか。この学校の生徒の中にも被害にあった子居るらしいよ」

「へぇー、知らなかった」

「・・・なんか嫌な事件だよね、家族ともいえるペットが急にいなくなってしまうなんて」

「・・・うん、そうだね」

重く語る北沢さんの言葉に表面上はうなずいたものの内心呆れていた。

だって可笑しなことだ、生きている限り必ず別れはやってくるそれも一度じゃなく何度も、そのたびにいちいち悲しんでなんかいたらこっちの身がもたない。

ましてやどうでもいい他人なんかのために。

それでも別れが嫌だというなら最初っから出会わなければいいだけのこと。

この私のように。

何に対しても中立な立場におり、人と深く関わらなければそんな思いしなくて済む。

そうさ、この答えは決して間違いじゃない。

だってこの私、志堂水希が母から最期に教わったことなんだから。


人と関わったらその分自分がつらい目に合う。


この教えは間違ってなんかない。

だから私は独りでいよう、いつまでも、そうすればいつか私はすべての嘆きから解放されると思うから。

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