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辺りに流れる不穏な空気、それを壊してくれたのは海堂の方だった。
「っと、悪い。なんか嫌な話にしちまったな」
別に謝るほどのことでもないのに海堂はそう言ってきた。
「いや、忠告は有難いさ。分かった、なるべく夜は出歩かないようするさ」
海堂の忠告を踏まえたうえでのオレなりの答え、だがなぜか海堂はその返答を聞くなりニヤリと笑い
「まあ、そう気にするな。さっきのは少し大袈裟に言っただけだ。それにお前もうすぐ死にそうだし」
なんて物騒なことを言い出す。
「は?」
意味が分からないオレに海堂は後ろを向けと指を指す。
そういえば、なにさら先ほどから後方より不気味な殺気を感じるのはオレの気のせいだろうか?
恐る恐る振り返るとそこには、
「マ~ナ~ブ~!!さっきの場所で待ってろって言ってあったでしょー!!!」
鬼の形相で由美のヤツが向かってきていた。
ハハ、終わったかな?オレの人生。
「まったく、あれほど言っておいたのにアンタは。学、その耳飾りなら私が貰ってあげようか」
説教を受けること十分、時間がたつにつれ由美の顔がサディストな表情に変わっていってるのが恐ろしい。
「まあ、落ち着けよ白井。大西もこう反省しているみたいだし。話込んだのはオレにも責任があるさ。悪かったなデートのじゃましちまったみたいで」
「な!!誰がこんなヤツと。こいつはただの荷物持ち、いや奴隷よ!」
「オイ」
海堂のデートという言葉に反応し赤面しながらオレへの暴言を吐きまくる由美。
そしてそんな由美の姿を見て笑う海堂。
海堂のヤツもどうやらかなり問題のある性格をしているようだ。
まったく、どうしてオレの周りにはまともなヤツが居ないのだろうか。
まあ、みんな楽しいヤツラだからいいけど。
結局このあとは海堂を含めた三人で町を回ることになってしまった。




