2-1
2章
-救いを求める手は闇を切り、光は無残に砕け散る。無力なオレにできたのは絶望をただ一つ噛み締めることだけだった-
一日目
人は流れていく、目まぐるしくあらゆる物を流していく。、
例えば時間、こんな世界にいたんじゃ時間なんてあっというまに過ぎてしまうだろう。
例えば自己、あたりまえだ、これだけ人がいるんだ自分のことばかりじゃ生きていけない。
例えば自由、別に今の生活に不満がある訳じゃないが、それでも個人差はあるだろうが皆何かに束縛されながら生きていってるんだと思う。
かくゆうオレもその一人。
休日という貴重な自由時間を今まさに奪われている状態にある。
原因は、白井由美という一人の女。
朝っぱらからヤツに呼び出されてしまい今はこの寒い中駅前のベンチで由美を待っている。
まあ、その呼び出した本人がなかなか来ないもんだからオレは駅のホームから出てくる人だかりを見ながらこう、自由について考えているワケなんだが・・・
「にしてもホント遅せーな、由美のヤツ!人にあれこれ言いながら自分はこのザマかよ」
人波を見ながら出たのはそんなグチ。
しかしこれくらい許されるだろう、こっちはもう、かれこれ40分ほどこのベンチに根を張っているんだから。
にしてもアイツの用事とはいったいなんなんだろう?
急に電話してきて『駅前に集合、遅れたら殺すわよ』なんて言いたい事だけ切るんだもんな、あれじゃー意味わかんねーつーの!!
まあ、そんなことでちゃんと来ているオレもオレなんだが。
「ハァー」
ついこぼれたため息は白い吐息となって空中へと消えていく。
オレの心のわだかまりもこんな風に消えてくれたらどれだけ良いことか。
最近は衝撃的なことが多すぎて時間の経過がよく分からなくなってきている。
あの忌まわしい事件からもいったいどれだけの時が流れただろうか?
もうさほど騒がれていないということは、それなりの時間がたったのか?
けどオレの頭の傷はまだ治りきっていない。
ということはやっぱりあまりたっていない?
よく分からない。
もしかしたら自分で考えないようにしてるのか。
疲れているのだろう、この頃一人になると何時もこんな調子だ。
だからさっきは少し毒づいたが内心由美の誘いは有り難たかった。
アイツと一緒ならこんなことを考える余裕が無いほど振り回されるだろうから。
その思いが漏れたのだろうか、
「早くこねーかな・・・由美」
オレの口は知らず知らずの内にそう呟いていた。
2章入りました。
これからもがんばっていきます。




