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encounter  作者: RIO
13/59

1-13

最初に轟いたのは、耳を裂くほどの爆発音、次に見たのはオレの頭上より落ちてくる瓦礫たち。


落ちる瓦礫の数は十ほど、対してオレは先の爆発音により全身の筋肉が硬直してしまいまったく動けない。


どう考えても致命的。


あれだけの高さだ、当たれば間違いなくオレの頭蓋など綺麗にかち割ってくれるだろう。


ここにきて自分の馬鹿さ加減に笑ってしまう。


明に冷静にと言われておきながら、町まで突っこんで純を助けるどころか結局はこのザマだ。


これじゃあ由美に馬鹿にされても仕方が無い。


空を見上げる、瓦礫は見事なまでにオレの頭へと一直線に落ちってくる、どうやらそろそろ終わりのようだ。


「けどまぁ、しょうがないか」


不思議と恐怖は無い、まだ心が麻痺していたのだろうか?


理由は知らないが、それだけでも儲けもんだろう。


目を閉じる。


閉じて気づく、誰かがこちらへ向かってきているようだ。


誰か知らないがオレを助けようしているのだろうか?


だとしたらもう手遅れだろう。


視界が消え、後に残ったのは瓦礫の落ちる轟音だけだった。





どれだけの時間がたっただろうか、あたりのあまりの煙たさにオレは意識を取り戻した。


視界はぼやけよく見えない。


(オレは死んだんだろうか?)


体は妙に温かく心地よい。


(何だこれ、とても気持ちがいい)


何か温かく柔らかいものがオレの体の上に覆いかぶさっているようだ。


(なんだろうこれ)


首を傾けてみる、サラリと首筋に髪のようなものが流れ、それと同時にどこかでかいだ事のある香りが漂ってきた。


(あれ・・・この香りは・・・)


頭をよぎる嫌な予感、ぼやける目をこすり無理やり視界を取り戻した。


そうして光の戻ったオレの目に飛び込んだのはあの地獄の光景の続きだった。


辺りは瓦礫の山と化し、その山の下からは赤黒い液体が流れ出ている。


オレの横に転がる石には血と肉片、髪がこびり付いており、その先に倒れている子供はビー玉のような目をこちらに向け、顔から血を流し頭蓋は割れそこから脳をズルリと地面に垂れ流しながら、物言わぬ死体と化していた。


本来なら気を失ってもおかしくない光景だが、オレは気を失わなかった、否失う訳にはいかない理由ができた。


俺の胸にのしかかる重み、オレと重なるようにして彼女、志堂水希は倒れていた。


「・・・ミズ・・キ?・・水希!オイ!!水希!!!」


必死で声を出し肩を揺する。


それに応じるように、水希は小さく息を漏らした。


(良かった・・・生きてる)


「オイ、水希!しっかりしろ!!」


うつぶせにに倒れる水希の顔をゆっくりと上げ、


「!!」


オレはその顔を見て言葉を失った。


血だらけだった、頭から信じられないほど血が出ていた。


そんな状態なのに彼女は


「あっ、・・学くん良かった、無事だったんだ」


そう笑顔でオレの心配をしてくれた。


「水希、その血・・・」


「ああこれね、たぶん落ちてきた石に当たったんだと思う・・でも大丈夫だよ」


いまだ笑顔でそう語る彼女。


(大丈夫?そんな訳ない大丈夫な訳ないのになんで)


「でも学くんが起きてくれて良かった、ここも危ないから早く逃げて」


もう顔を上げておくのが限界なのかうつぶせに倒れながら彼女はそう語る。


そんな彼女の姿を見て泣き出したくなる思いを噛み潰しながら、


「あ、ああ・・・早く一緒に逃げよう」と水希の手を取る。


しかしそれに対し水希はゆっくり首を振り、


「駄目だよ私は・・・ほらあれ」と自らの足を指差した。


彼女の指先にある足を見る、水希の白く細い足、その足は大きな瓦礫に無残にも潰されていた。


「ねっ・・・分かるでしょ、私はもう動けないだからあなた一人で・・ねっ」


そう涙をためながら悲しく微笑む彼女、それを見て心を埋めていた悲しみは消え去った。


「・・・イヤダ」「えっ」


「オレはそんなの嫌だ!!!オレ一人が逃げる?それが水希が出した答えか?オレはそんなのごめんだ!!俺は死なないし水希も死なない!!それがオレの答えだ!!だから水希はオレが助ける!!」


そうだこんなところで水希を死なせてなるものか!!なにがなんでも助ける!!!


体に力を込める。


瞬間意識が再びとおのいた。


「なっ!」


何がなんだか分からないまま地面に倒れた。


(そんな、嘘だろ!何してんだよオレの体!!水希が死にかけてんだよ!なのになにやすんでんだ!!!)


必死で力を込める、しかしそれに反し意識はどんどん削がれていく。


(なんで!なんでだよ!!!!)


心の叫びは虚しく散り、もはやオレにできることといえば地面に転がる水希をただみつめることだけだった。

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