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#1 転生編

Prologue


「水槽の脳」と呼ばれる思考実験をご存知だろうか?簡単に言えば、”ひょっとしたら、我々がいま生きているこの世界は、仮想空間なのではないか?”といった仮説のことである。

そう、貴方は今、夢を見ているのだ。


夢が終われば、また次の夢がやってくる。

アナタが本当の意味で死ぬことはない。

本当にそうなのだとすれば、どうだろうか。

僕は嬉しく思う。


人は誰しも、ずっと生きていたいと願うもの。それは、死期に近づいた病人、老人ほど。その仮説にすがりたくなるものなのだろう。


死後の“無”が他の何よりも恐ろしい。


では、その仮説が”間違っている”とすれば?

死んだ先には何もなかったとすれば?

どうでしょうか。


「別に平凡に生きられたらそれでいいや」

「家庭を築いて、そこそこ安定した収入を得られれば、それだけで十分幸せさ!」


時折、日本人はそんな事を口にしますよね。

僕はそれに対し、正気か?と思うばかりです。


もっと自由に羽を広げればいいじゃないですか。来世なんか無いかもしれないのに、本当にやりたい事を我慢して、集団社会の波に飲まれたまま一生を終えるなんて。アホらしいですよね?もしかして、あなたも

”いいよ、どうせ次の世界があるし”と言わんばかりの屈託くったくのない笑顔で、根拠無き安心感に陶酔しながらのうのうと日々を貪っていませんでしょうか?はたまた、そんな人間で溢れかえっているこの社会にあなたどの様な意見をお持ちでしょうか?是非ともお聞かせ願いたい。


まさか、はなからの平和主義者で、欲やエゴ。競争心といった下品なモノを持ち合わせていないとでも言いたいのですか?


いやまあ、そういったニーズが多いお陰で、エゴイスト気質な人種は生きやすい世の中になったと言うことでしょう。少数派の支配層。

俗に言う上級国民が、平凡な生活に満足感を覚えてしまうような人間を出し抜き、贅沢な蜜を存分に堪能できる。権利も金銭も異性も。何もかも乱獲し放題。彼らが我慢している分、我々がその資源を有効に活用する。

......。


要するに、何が言いたいかというと。

「死んだ先には何も無いと考えろ」

ってことを伝えたかったのです。

人生は無限ではない、有限だ。

その事を常に意識してみてください。アナタの人生は劇的に充実したものに変わると思います。勿論、今アナタが送っているその人生が“お望み通り”ならば、僕がとやかく言う事はないですがね。

本当にやりたい事。もっとあるはずですよ?

だから、人生を雑に扱わないで!

丁寧に、そして強欲に生きましょう。


by.ショウヘイ





第一話【弥生転生】



予備校の講師から手渡された模試の結果を一望し、僕はました顔で教室を出た。


廊下に入りびたって雑談を交わす女と、模試の結果に右往左往してはしゃぐ野郎共の間をうようにして歩き進む。

(ゴミクズどもが...。)

僕はため息をはき、呼吸を整える。


「うっせぇな...邪魔なんだよ...!!!」


廊下中に僕の怒号が鳴り響く。すると生徒達一同はビクッと肩を震わせ、組体操のように小綺麗な人間ウェーブえがきながら、こぞりと道を開けてくれる。年上の浪人生集団も、ぺったり壁と一体化する。ああ、美しいね。それでいいんだよ。クズどもが。


なんて事は妄想の内にとどめておき、僕は大人しくミジンコのように、チビチビと予備校をあとにしたのであった。


辺りはすでに暗くなっていた。


「お疲れ〜!なんだ生平シケてんなぁ。あ、もしかして模試の成績悪かった?どれどれ、見せてみろよ」

信号を待っていると、陽気な眼鏡が、馴れ馴れしく僕に模試を見せろと、せがんできた。

「チッ、めんどくせぇな。なんで僕がお前みたいな雑魚の為にわざわざリュックから取り出す重労働しなきゃいけないんだよ。身の程を弁えろ、れ者が」


なんて、呪いの王じみた暴言は吐かず、笑顔で結果を差し出すのであった。


「うおおおお、なんだこれ!チートだろ...」

「...まぁ、たまたまだよ」


驚くメガネくんを見て心の中でほくそ笑む。


ああ、なんて素晴らしい事だろうか。僕が志望する難関大学の合格判定欄には、偉大なる【S】のアルファベット表記が刻まれていた。それはいわゆる最高評価、合格圏内に属する事を示している。

...勿論、模試の成績が良かったからといって、大学に合格したという訳ではない。油断は禁物。これからも日々勉学に勤しみ続けねばならない事は重々承知している。こんなものに一喜一憂しているような(廊下にいた)アイツらは、堕落コース一直線だ。是非とも地獄に落ちた時の絶望の表情を、拝ませていただきたい。

とはいえ、努力の積み重ねがこうも実を結び、結果に現れるというのは何とも嬉しいものである。これからも真面目に頑張っていこう。

「じゃ、またね(メガネくん)」

二度としゃしゃり出てくんなよ。^_^


ガタン。

自動販売機の取り出し口に落下する、温かいカフェオレ缶。ふたを開け、火傷やけどしないようゆっくりとすする。ベンチに腰を掛ければ、夜空一面に光り輝く星々が見えた。

ライトアップされた夜桜から散りゆく桃色の花びらが、ヒラヒラと宙を舞う。


嗚呼、最高の気分だ。暫くはこの成功者の愉悦感に浸っていよう...。それこそ次へのモチベーションに繋がる。

Sランク。Sランク。Sランク...。


一年後に控えた大学受験を楽々と乗り越え、待ち受けるは四年間の華々しくも悠々自適なキャンパスライフ。いずれは一流企業に就職し、投資家になり、豪遊的な暮らしを...。はて、なんと順風満帆な人生なことか!


...だがしかし、こんな自分にも一つだけ悩みがあった。

“一人暮らしをしてみたい”

いま血眼で勉学に励んでいる受験生達が聞けばきっと、なんて贅沢な奴なんだと鼻で笑うに違いない。

経済的余裕のある家庭に生まれ、両親からは十分に愛を注ぎこまれ、何これといって不自由なく育ててもらった僕だからこそ、悩んでしまうのだろうか。

きっと頼めば両親許してくれる事だろう。しかし、愛する息子を失う彼らの寂しさを想像すると、どうも告白するタイミングを掴めないというか、その勇気さえも湧き上がってこなくなる。...そんな、くだらない話である。

(まだまだ、僕も子供だな...)


何がともあれ!明日は長閑な土曜休日。勉強の息抜きを兼ねた自分へのご褒美として、映画館にでも行ってみようか。甘ったるいキャラメル味のポップコーンでも口に頬張りながら、鼻くそでもほじってね、気ままに作品鑑賞に浸ろう。もちろん、一人でね。


地元駅近くの古い歩道橋の上で、ブルーライトを放つ物体が、リズムを刻みながらよろめいている。僕はスマホででシネマサイトの情報を調べていた。現在どんな作品が上映されているのか、探していたのだった。

歩道橋の角を曲がり、階段に差し掛かった途端、僕は突然、恐怖感に襲われる。


ふっと、地面が抜けたような気がした。

身体中に冷や汗が流れるのを感じ取った。

しまった、足を踏み外してしまった。

体制を上手く立て直すことができず、僕は物理法則のなすがままに転がり続ける。

「グアああああぁ!!」

僕は止まらない。ゴールを目指してただ転がり続ける。平衡感覚は麻痺し、吐き気を伴うグルグルが頭の中でグルグルと。

そういや小さい頃、デスクチェアでグルグル馬鹿みたいに回ってゲロ吐いたことあったな。

なんて事を思い出した。これが走馬灯ってやつなのだろうか。

かくして、階段の下まで落ちきり、終いには運悪く頑丈なアーチの柵に頭部を強打させてしまった。


意識は遠のき、深い眠りに堕ちてゆく。


嗚呼、アーメン。なんて短い一生だったのでしょう。マアム、死は突然やってくるものなのですね。イエス、死後の世界があると良いですね。僕は今「水槽の脳」の仮説が、真実である事を強く願います。また、会える日まで。さよ、オナラ。


次第に。

血脈の拍動回数が減少する。

息ができない。


そうか、僕はもう...。


_________






__________


「◎※ェ◆☆◇%ュ△◯!」


次の瞬間、強烈な戦慄が襲い掛かる。

僕を取り囲む白い衣服をまとった民族風の男三人衆が、鋭い槍の切先を僕の首元へ向けているのだ。

[再び、死のふちに立たされる]

意味が分からなかった。

今何が起きているのか。

此処はどこなのか。彼らは誰なのか。何故殺されかけているのか。

そして何故いま僕は...全裸なのか。

体のあちこちの痛みが思考を妨げる。

現状把握する暇も、愉快な夢の後味を反芻はんすうする暇もなく、突然迫られる選択。

ここは強引に逃げるよりも、事情を聞き出し情報を得るのが無難か、否か。


「あの、すみません。...ここはどこですか?」

「▶︎ァ、◯*■ッ%?」


何を言っているのだろうか。日本人じゃない?

何やら話し合っている様子だ。


「あの....ここはどこですか?」

「△t☆。◎ョ!」

「......は、ハロー?」

「◎ァ▼*」


いやはや困ったものだ。意思疎通が出来ないというのであれば何も得られることはない。

僕は悲しくなって途方に暮れ

遠くの空を見渡すことにした。


朝か夕方なのか、判断し難い太陽。

暖風になびく草花と木の葉達。

鮮明によみがえる、いつしかの記憶。


夜桜の舞い散る公園で珈琲を飲み干す僕。

スマホの画面に夢中になりつい、歩道橋から足を滑らせ、階段を転がり落ちた...。

それから何が起きたのだろう?


もしや闇の組織に拉致られ、何らかの臓器を勝手に売買された挙句利用価値がなくなったからといって、このよく分からない民族民蔓延る大自然に放り投げられた。

という解釈が妥当だろうか。

しかし、手術痕もなにもないように見えるが...。感覚的にはさほど時間も経ってないみたいだし、さっきの事故による外傷や痛みもまるで取れていない。


...................もしかして?


「分かった!これモニタリングじゃないですか?テレビのドッキリか何か?どこかに監視カメラと隠れているいるんじゃ」


「.........」


彼らは困った顔を見合わせている。

仮に彼らがキャストであり、これがなんらかの番組なのだとするならば。

《事故から目覚めたら、謎の民族に囲まれていたドッキリ!》なんてタイトルで放映されるのだろうか。ふむ、そう言うことだろう。

いや、そうであると信じよう。それ以外信じたくない。


さて製作スタッフがここまで、用意周到に準備してくれた大企画だ。ここは鈍感なフリをしてノリに乗りつつ、自身もこの世界観を楽しむのが礼儀。勿論、エンターテイナーとしての立ち振る舞いも忘れてはならない。観客を楽しませるのが、今の僕に与えられた使命だ!


「シャアアアアァァ!!!」

僕は腹の底を絞り、大きく威嚇した。そのポージングはドラゴ◯クエストに出てくる、グリズリーというモンスターそのものだった。

狼狽する男たちから身を振り切り、全力疾走する僕。長い草木をくぐりぬけ、延々と続く森林を駆けてゆく。しかし、どこまでも執拗に追い続けてくる彼らと、これまで勉強ばかりしていた根暗ねくらな僕との運動能力の差は歴然。

呆気なく捕らえられるに終わるのであった。


「ソーリー!ソーリー!許してください!なんでもしますから〜!!......何でもするとは、言ってない...」


僕は完全にふざけていた。

テレビかなんかの番組企画なんだと、勝手に思いこんでいたが、しかし、よくよく考えるとそれも可笑しな話なのである。あくまでも僕はケガ人。体中のあちこちに走る痛みだって未だ取れていないというのに。...入院中意識がなかったにせよ、退院してすぐの人間をこんな所に運ぶのは倫理的に宜しくないのでは?


...これはモニタリングなんかじゃない。

それは次の彼らの起こすアクションで明らかになった。

「痛ッ!!」

...なんと残忍。彼らは、僕を静かにさせる為に、手に持ったその矛で僕の背中を、突き刺したのであった。


...沈んでゆく。





...またかよ。


さっきよりも辺りは暗くなっていた。かくして夕刻だったのだと理解する。夕日とともに再び消え行く意識。

脳は酷く疲弊しきっていた。

僕は今一体何を見せられているのだろうか。

展開がカオスすぎる...。

目覚めたら病室の天井が映るのだろうか。それともまたワケのわからない所に飛ばされるのだろうか。前者である事を願うばかりだ...。

______


街の一角にたたずむ役所に、夜番のパトロール業務を行なっていた一人の兵士が飛び込んで来た。

「兵士駐屯所より参りました。花級、董尭ドウギョウでございます。錦助キンスケさん、少しお時間よろしいでしょうか?」

「おや。どうしたのかな」

事務仕事の資料整理を行なっていた錦助の前に額に汗をかいた董尭が現れる。

「宮殿前の公園内を見廻みまわりをしていた所、全裸で寝転がる不審な青年に遭遇しました。事情を聞こうと試みましたが全く意思疎通が取れずして、突如逃亡を図られた為、我々は青年を危険因子として判断し強制確保する事態に至りました。現在は暴れないように縄で拘束しております」

「それは大変だったね。意思疎通が取れないって......具体的にはどんな感じなの?」

「はい。なんといいますか、他国の言語を話されてるように感じ取れました。しかし国外からの侵入報告は受けておりません。門、物見櫓ものみやぐら桃嫮ももこ街城柵。どこの機関からも、一切の伝達は届いていおりません。...私は、青年を国内で発生した狂人だと推考します。さて、どのような処置を下しましょうか」

「うーん困ったねえ。取り敢えずちょっとその人に会わせて欲しいな。彼は今どこにいるの?」

「近くにあるわら小屋の中です。ご案内いたします」



「これはこれは、錦助様!お疲れ様です!」

「お疲れ様〜」

先程、董尭ドウギョウと共にパトロールを行なっていた二人の兵士が頭を下げる。

手足を縄で縛られ拘束された例の青年は、ただ静かに、天井を見上げていた。絶望し憔悴しょうすいし切っている、というよりは何か悟りを開いてしまっているかのような印象を錦介は青年から感じ取った。

「君...名前は?どこから来たの?」

錦助は青年に優しく尋ねる。

しかしその青年は何も答えず、ポカンと口を開けるのであった。

「この、野郎!質問に答えろ!」

無礼な態度を示す青年に腹を立てた董尭は、思わず拳を振り上げる。

「まぁまぁ、落ち着いて」

「...すみません、つい」

静かにそっと立ち上がる錦助。

「人類共通の非言語コミュニケーションって何だと思う?」

突拍子な質問に兵士達は戸惑う。

「......はて、分かりませぬ」

すると、錦助はおもむろに紙と、朱い筆と、水分を含ませた布を取り出した。それを地面にそっと置くとすずりへ水滴を落とし、墨をなじませた筆を

青年の手元に差し出すのであった。


「なるほど、“絵”でありますな」

青年は筆を受け取ると、すぐに手を動かし、なにかを示す絵を描き始めた。

「なんとも変わった筆の持ち方をする」

知性は十分あるようだと、錦介は安堵する。

「ん、これはどういうことだろうね」

青年はまず、紙に三分割の縦線を引いた。

左の囲いに描かれていくのは無数の木。...その中にひとりの人間。....ひとりで、虫や小動物を焼いて...それを食べながら暮らしていた。

矢印で次のシーンに移行する。

兵士三人に囲まれ槍を向けられ、...そして縄で縛られ......そして今に至る。と。

「ふむ、もしかしたら彼は今の今までずっと森の中で暮らしていたのかも知れないね。親に産み落とされ森に遺棄された子供だったのかもしれない」

董尭はその絵と青年の顔を睨みつける。

「嘘をついているかもしれませんよ。野生児のフリをした狗奴国スパイの疑いがあります」

「うーん、大丈夫だと思うよ。だって、侵入報告は無かったんでしょ?」

「はい...まぁその通りでございますが...錦助さんが彼の生存を承諾されるというのであれば、それでも構いません」

実際、過去に債務さいむに追われた夫婦が街から、ひとけのない森へ逃亡したという事例は聞いた事がある。だから青年の話もあながち、作り話だとは言い切れないのだ。

「...さて、彼の処遇についてだ。これから彼には教育施設に通ってもらって、言語と社会性を学ばせてあげようと思う。しばらくの間は蓏恫の町で様子見して、可哀想だけど牢獄の中で暮らしてもらおうかな」

「はい、承知しました。ではその様に手配しておきます。...やはり錦助様は噂の通り優しいお方ですな」

「なに、なるべく多くの人に、幸せになってもらいたいだけだよ」

錦助は屈託なく笑う。


__


拝啓、お父さん。お母さん。お元気ですか?

生平です。


どうやら僕はタイムスリップしてしまったようでして、あれから半年が経ちました。家族で食卓を囲んでいたあの頃が今では遠い日のように感じられます。


当時は本当に焦りました。

それもまぁ、なんとか運良く、現地の人々に助けられ、この頃ようやく落ち着いてきた所です。


命を救われてからは、義務教育?として、一から言語やその町の法律やらを学ぶことになりました。毎日、幼児達と肩を並べながら街中を散歩する日々です。先生がリンゴを指差せば、みんなで「リンゴ!」と輪唱するような授業形態を取られているのですが、それがまぁ案外、楽しくて...。勿論、勉強には死ぬ気で励みました。これからも励み続けます。言語学習のニュアンスは英単語を覚える感覚と似ていて、一つ一つ日本語と比較していけば、案外すんなり頭に入っていきました。基盤の言語を持たない幼児達と比べ習得速度は極めて早く、数ヶ月経った頃には人と普通に会話できる程度まで成長していきました。先生もびっくりしてました。


稼ぐために学ぶ。のではなく生きる為に学ぶ。という意識を持って学習したのはこれが初めてです。毎日が受験勉強のようでした。


まだ発音にナマリのようなものがあるらしく、ときどき住民達にに揶揄からかわれてしまいます。

文字の読み書きは完璧です。本も読めるようになりました。やっぱり、この努力の才能は、時代を超えてでも発揮できるものですかね。


そして、このたび学校を卒業する事が認められ、政府からマイホームを提供される事が決まりました。そうです、念願の一人暮らしです...。ワクワクしてきました。


たった一人で異郷の地に飛ばされ、牢獄に閉じ込められ、とてもネガティブなっていましたが。しばらくして、自分はラッキーだなと気づき始めたんです。

だって、こんな貴重な体験、普通はできません。深夜アニメが好きな僕が、夢にまでも見た異世界転生。ですからね。


かといって、アニメのように、超能力や魔法、魔術といった類のものは一切存在せず、現実世界とさして変わりはありません。

ここはただ、文明の遅れた“過去”なのですから。

何故ここが、タイムスリップ先の過去であると断定できるのか。それは最後に伝えるとしましょう。


この町の、文明はとても遅れています。

吉野ヶ里遺跡の巨大版をイメージして頂ければ、僕の暮らす街並みがどのようなものか察してもらえるかと思います。携帯もなければ、電車も馬もない。移動手段は己の足のみ。

不便極まりないです。

しかし慣れというものは恐ろしいことに。

木を擦り合わせて火を炊く面倒くささも、ボットントイレの強烈な匂いも。回数を重ねてくうちになんとも思わなくなるのです。

人間の適応能力にはつくづく関心してしまいます。


さて、僕、生平はチートキャラです。

誰も持ち合わせていない最強のスキルを持っています。それは何だと思いますか?


ヒント、僕は優秀な高校生でした。


そう、それは膨大な知識量!

得意分野の数学をはじめ、様々な学問や知識を持つ僕ですから、この世界では無双し放題です。なに、簡単な事です。この国にないけど、元の世界にはあったものを。あたかも発明したフリをして世の中に発信、提供していくだけ。

ふっふっふ。

礼賛、賞賛、拍手喝采の嵐。そう、他人の功績を自分のものに出来るチート技。せこいかもしれないけど、怒ってくる人は誰もいない。

それで便利な世の中になり、みんなが幸せになるのであれば、一概に悪いこととだとは言えないだろう。......第二人生も、勝ち確だ。

ただ、知識をアウトプットするだけ。そしてガッポガッポ金を稼いでは、最高のセカンドライフを満喫しようじゃないか。


そうでしたね。

僕が今いる時代は、場所はどこなのか。についての説明がまだでした。


言語を理解できるようになってから、最近ようやく教えてもらう事ができました。

幾多もの考古学者達が涎を垂らして、僕を羨ましか思うことでしょう。

住民達の話や、街の構造物。

そして実世界での教科書の資料を参照するに。

僕は今、倭国大乱収束後の

弥生時代にいるのだと推測できます。


そして、僕が今、立っているこの国。

それは_____




第二話【邪馬台国】


二、三世紀に日本列島に存在したとされている国、邪馬台国。中国の歴史書物「三国志」中の魏書、通称「魏志倭人伝」には其の国の風習や文化について記載されている。

弥生時代後期、日本列島規模で発生した倭国大乱戦争にて大勝利を収めた彼ら邪馬台国は、三十ばかりの諸国を合併し、鬼道師卑弥呼を女王として君臨させた。

その国は温暖な気候に恵まれており、男子は顔、体に刺青をいれていたという。種籾や絹織物を税として貢ぎ、人々は平和に暮らしたという。しかし、卑弥呼死後の邪馬台国勢力の動向については一切謎に包まれており、そこから日本の歴史に空白の百五十年が生まれる。

邪馬台国はどこ行ってしまったのか?

考古学者の推察では、邪馬台国は隣の敵対国、狗奴国に滅ぼされたか。または、のちに現れる“ヤマト王権”へと政治政権が移行したのか。そもそもその存在自体がデマなのではないか?と今でも白熱した議論が行われている。


知的好奇心は高い方であるが、日本史に関してそこまでの知識はない。何せ理系志望生。教養程度なら蓄えているが...。無念、こんな事になるならもう少しこの時代について勉強しておけば良かったと後悔している。

いやいや、こんな事態に陥る事を一体、誰が予測できると言うのか。タイムスリップするならまだしも。せめて、言語を交わせる、不便のない時代に飛ばされたかった。

なんて嘆く事はもうしない。

僕は今日から、立派な社会人なのだ。


「卒業おめでとう。今後の活躍を期待しているよ」

半年間お世話になっていた先生達から花束を受け取り、僕は感謝の意を告げ、一緒に勉学に励んできた子供達との別れを惜しむ。

「生平おにいちゃん!バイバイ!」

「また会いにきてね〜」

「いっぱい遊んでくれてありがとう!」

学舎に頭を下げて、半年間の思い出を馳せらせる。子供達の声に、僕は振り返らない。僕は。

僕は夕飯を食べに、定食屋に向かうのであった。


一昨日までは牢獄暮らしで朝晩食事が配られていたのだが、マイホームを提供されてからは、自給自足生活。牢獄を出る際に貰った一週間分の食費を上手くやりくりしていかねばならない。「食費が尽きる前に、職についておけ」とコワモテの兵士から散々忠告を受けたのだが、まだどんな職業に就こうかは検討の最中である。

発明家になりたいという趣旨を伝えたのだが、先ずは金を稼いでおけと言われた。まぁその通りだ。物を作るのにも、物を集めるのにも。かなりの時間と労力と資金が必要になってくる。一週間以内に成し遂げることは不可能だろう。

まずは安定的な収入を得ること。

自己実現はそれから、である。


「へい、いらっしゃい!」

《定食屋 烬北ジンベイ》は今日も大盛況だ。額に汗を流す店主の烬北は、窮屈きゅうくつなキッチンでその巨体をひねらせ入り口に突っ立っていた僕に注文を促す。

「食いたいもん決まったかい?」

壁に貼られたメニューをざっと眺める。

「えっと...日替わり定食お願いします」

「へいよ!日替わり定食一丁!」

 「「えっさほいさ!えっさほいさー!」」

四人の雇われ料理人達は妙な掛け声を出しては、せっせこせっせこと、具材を手際良く調理していく。僕は適当に空いてる席に腰掛けた。


この店ではリーズナブルな価格で、美味しく量の多い料理を食べる事ができる。

ここの、おかゆは、最高だ。

そういや、稲作が普及しはじめたのも丁度この時代からだったか。

...ふむ。今日の添えのおかずは焼き魚に山菜か。これも日本の食文化と大差ないな。

美味しそうに日替わり定食を食べている彼は、畑仕事を終えてやってきたのだろうか。

汚れた布を首に巻き、どろ臭い恰好をしている。そうして、チラチラ周りを見渡しては料理を待っている間に次の客がやってきた。


「へい、らっしゃい!」

暖簾のれんをくぐってやってきたのは年端もいかない少女であった。少女は申し訳なさそうに口を開く。

「お、おにぎり...ひとつ」

「へいよ!」

少女はぐうぐうと大きな腹の音をならして、僕の向かい側の席に座った。それを見かねた(少女の隣の席に座っていた)身なりの良い男が、少女に声をかける。

「嬢ちゃん育ち盛りだろうに。おにぎりひとつでホントに足りるのか?」

少女は悲しげな表情を浮かべる。

「実は弟が病気にかかっていまして...」

「ああ...なるほど、それで節約しているのか。大変だね」

「はい...。定期治療費を払うのでいっぱいで。こうやって一日一食に留めてるんです」

「ええっ、一食でこれだけ?!両親はどうしてるのさ」

「......二人とも私が小さい頃に事故で亡くなりました」

少女の顔は更に暗くなっていく。...可哀想に。

いつの時代にも、恵まれない子はいるんだな。


「ああ、申し訳ないことを聞いてしまった、謝るよ」

「大丈夫ですよ」

「よし!お嬢ちゃん。ここは好きな物を頼みたまえ!俺が奢ってやる!」

男はテーブルを軽く叩き、威勢のいい声を上げた。

「いえいえ!悪いですよ」

「いいっていいって。気になさんな!」

「......ではお言葉に甘えて」

少女は、少し躊躇ためらいながらも、席から立ち上がった。

「店長、追加注文いいですか」

「はいよぉっ!!!」

烬北さんの声がヤケに明るくなった気がした。

そして目の前の少女は、とんでもないことを口走り始めるのであった。


「大盛り焼肉定食と海藻抜きの海鮮丼ください。どっちにも卵割って乗せて欲しいです。それと柔らか豚肉下ろし三皿と、おにぎり追加で十個お願いします。あ、中身の具は全部変えて欲しいかな、おまかせする。それと桃ジュース、蜜柑ジュース、巨大サイズで一杯ずつ頂戴。あと新メニューのあれ。なんだっけ。...そうそう肉野菜サンド!それも十個ください!」

「はいよぉっ!!かしこまりぃっ!!」

「「えいっさほいさ!えいっさほいさぁ〜!」」

隣に座っていたその男は口を開けて呆然としていた。それは僕も、他の客人も同じだった。

「え、ちょ、ちょっとお嬢ちゃん!?冗談だよね?いくらなんでも頼みすぎだって!そんなに食べられるわけないでしょう!?」

「いや余裕で食べれるけど」

「んな馬鹿な...」

「まぁもし残ったら持って帰るよ、ありがとね。おっちゃん」


な、なんて野郎だ。まさか、初めからこれを狙って貧乏芝居を売ったんじゃないだろうな...


「ちょ、店主!なしなし!今のなしだって!」

烬北は男を鋭い眼光で睨みつける。

「あ?もうこっちは作りはじめてんだよ。今更キャンセルなんて出来るわけねぇだろ」

「そんなぁ!」

烬北は眉間に皺を寄せて更に睨みをきかせる。

「う、うぅ...わかりました...払いますよ...」

男は引き下がり、静かに腰を下ろすと、泣く泣く先程まで食べかけていた、蕎麦そばをすすり始めた。


...この烬北とかいう店主も胡散うさん臭いな。この女の子がひっかけの常習犯だと知った上で招き入れたに違いない。売上のためなら手段は問わないのか、この店主。最低だ........。

ああ、カモが僕じゃなくて良かった...。

僕はホッと安堵あんどのため息をこぼすのであった。




「ありがとうございましたぁ」

いち早く食事を済まして定食屋を出た。いやはや、まさかあんな闇商売をしているとは思わなかったな。ああ、恐ろしや。

「やぁ生平くん!こんばんわ」

僕の名前を呼ぶ声がした。後ろに結った髪を、馬の尻尾のようにユラユラと揺らしながら歩く、背丈の高い男。僕の命の恩人。

「錦助さん!お久しぶりです!」

「やっほ〜、聞いたよ!卒業したんだってね」


邪馬台国の北側に位置する巨大都市、桃嫮モモコ街。

政治の中心核であり、かの有名な女王卑弥呼がその街の荘厳な宮殿に住み暮らしているという。そして、桃嫮街の隣に蓏恫ラドウといういささ見窄すぼらしい町が僕の住む町である。

錦助さんが言うには、僕は転生したあの日、桃嫮街の宮殿前の公園敷地内にいたらしい。

危険保護の為にこの町へ僕を隔離したことや、桃嫮街は他の街と比べて品式高く、別格であることなどの大体の事情と説明は、錦助さんから教えてもらった。錦助さんは桃嫮街と蓏恫町を行き来する若手の政治家であり、僕がこの町に来ることになったのも彼のご意向だという。


「ひょっとして錦助さんも、ここの定食屋に食べに来たんですか?」

「ううん、僕は自炊だよ。これから家に帰って食べるのさ。そうだ!生平君よかったら今度ウチにおいでよ!沢山ご馳走ちそうするからさ!」

彼は本当にお人好しだ。誰かに尽くすことこそが自身の幸せに繋がっているのだろうか。

僕には理解ができない。

「ありがとうございます!ではそのうちお邪魔させていただきます」

錦助は困った顔で頭を掻く。

「ちょっといま、人探しをしていているんだよね。多分ここに来てるんじゃないかと思ってさ」

「人探しですか?僕も手伝いますよ!」

「いや申し訳ないよ。気にしないで...!」

すると錦介は重みのある巾着きんちゃくを取り出した。布の中からはガチャリというお金の音がした。

「あ、そうそう、これ、卒業祝いね!」

「おおお、ありがとうございます!」

...かなりの額が入っている。下品な笑みをこぼしてしまわぬように。表情を引き締める。

「あとはまぁ就職先探しとか、何か困った事があれば、昼間はいつも事務局にいるからさ。気軽に声かけてよ!」


ついに、新生活の始まりだね。応援してるよ、生平くん!と、励ましのエールを送る錦介さんの姿が定食屋に消えたところで、僕は彼から渡された小さな巾着の結び目を解いた。

「四〇貨泉...!」


...この国では「貨泉かせん」という銅銭通貨が用いられている。

日本円に換算すると貨泉一枚は凡そ100円程度の価値があるため、一ドル。と捉えてもらって構わない。因みに、さっき僕が食べていま日替わり定食は貨泉2枚である。

広大な土地と資源に溢れる弥生時代。無数の田畑と農耕者。飢饉ききんが訪れたり、食うに困ったりすることはないだろう。この街では食材の値段は低く、大量生産、売買が行われている。野菜やリンゴなんかは優しいおっさん達がタダで配ってくれたりする。見返りとして何かをお礼を返すことが風潮としてあるが、申し訳ない。

僕は貧乏人なので、最大限のスマイルをあげることしかできないのである。


__翌日。


よう兵、緊急募集!単発で高額な給与を稼ぎたい方!蓏恫ラドウ町事務局、職業案内所窓口へお越しくださいませ!】


メガホンを持った役人達が職業案内所前で、広報活動を行なっていた。それを耳に挟み僕は頭を悩ませる。

「傭兵かぁ...」


「現在、我々の国は隣国の狗奴国によって攻め込まれています。今日で五日目に入りました。拮抗し続ける戦闘下に、我が国の兵士たちは疲弊しきっている状況にあります。そこで国は緊急に傭兵を募集することになりました」

案内所窓口で職員からバイトの説明を受けていた僕。

「えっ、それって、下手こいたら死にますかね?僕、体力には自信ないんですよね」

「そこまで命懸けの案件ではありませんよ。一気に水増し兵士を投下する事によって敵の戦闘意欲をぐ、そして相手の兵士たちを退却させること。それが今回打ち立てられた作戦の目的です。不安であれば戦わずとも、突っ立っているだけでも...とまではいきませんが。やはり数日間の任務になるので体力に自信が無ければ、苦痛かもしれません」

「出兵期間は、どのくらいですかね...」

「多く見積もって十日。少なく見積もって五日ですかね」


「帰ります」

僕は席を離れた。



第三話【人情万歳】


邪馬台国には二種類の兵士がいる。

一つは、戦争や内乱が起こった際に出動する武装戦闘兵士。街のあちこちにある物見櫓ものみやぐらであったり、女王の宮殿の警備、監視も業務としている。自衛隊のようなものだとイメージしてほしい。もう一つは、街中の治安を守るために活動する兵士。市民同士の揉め合いや、犯罪事件に介入し、トラブルの解決を図る。

こちらは、警察といえば分かりやすいだろう。

前者は血塗られた戦場にいる事から“赤兵”、後者は単に制服衣装が白色だからと言う意味で“白兵”と世間から呼称されている。

僕はその“白兵”に興味を持った。


蓏恫町立・白兵士養成学校

授業終わりの生徒たちが続々と建物の中から出てくる様子を眺める。十歳ばかりの少年を初め、僕ぐらいの歳の人や、中年のオッサンと在学生の年齢層は幅広いようだった。

広い玄関を過ぎ廊下をしばらくの間歩くと、職員室が見えた。ご用件のある方はお呼びください。と書かれた紙が壁に貼ってある。

「すみませーん」

「はーい!」

右手ですだれを上げる、落ち着いた雰囲気の女性職員が不思議そうに僕の顔を窺う。

「はい、こんにちは、どうされましたか?」

「あの、貴校への入学を考えているのですが、こちらでよろしかったでしょうか?」

「あら入学希望者ですかね。左手に見えるドアのから中に入って来てください〜」

ドアを抜けると、生徒のテスト用紙を採点している教師と、茶を飲みながら読書に耽っている教室と、はたまた居眠りをこいている教師がいた。LEDライトもパソコンもない、木材に囲まれた古風な職員室に、どこか新鮮さを感じる。

本当に、タイムスリップしてしまったんだなと。改めて実感する。

「どうも。本日は本校へお越しいただき誠にありがとうございます!わたくし彗䜌《すいらん》と申します、よろしくお願いします」

「僕は生平です。お願いします」


まぁなんだかんだで、説明を受けて入学手続きを済ました。日本の高校大学とは違い、兵士の学校に入学試験はない。金を積めさえすれば誰でも入学できるシステムとなっている。

しかし、白兵の資格を手に入れるには半年間の基礎教育を受け、その先に待ち受ける、入兵試験を突破する必要がある。つまりは一年かからずして資格職を手に入れられるという事だ。

入学金80貨泉と一年間の教育費200貨泉。

この学校に入学するあたり、一括で280貨泉を支払わなければならない。

所持金60貨泉だった僕は、とある悪巧みを実行し一瞬にして300貨泉まで財産を増やすことに成功した。無事入学し、その後日から僕は学校に通い始めることとなった。


_____


「生平くん!!?なんでこんなところで寝ているんだ?!」

夕暮れ時、仕事を終えた錦助は道端で毛布にくるまり横たわる生平を発見する。その家と家との暗い隙間にはたくさんもの日用品、何冊もの本や飲食物が積まれている。まるでここで生活しているようではないか。彼はまさか。

「あっ...錦助さん...。どうも...」

生平はフラつきながら身を起こす

通りすがりの人々が奇異な目で彼を見つめる。錦助は困った顔で生平に近づいた。

「一体どうしたのさ...。君にはちゃんと帰るべき家があるはすだろう?」

「家は.......売りました」

「えぇ?!」

ホームレスだ。

暗い表情で生平はブツブツと呟き始める。

「白兵学校に入学するために必要な入学金と学費を支払うために、家を手放すことにしました。錦助さんからもらった卒業祝いと家を売ったお金でなんとか入学できました。感謝しています...今は、ご飯を食べるために、おじさんの稲作の手伝いをして、おにぎり...もらってま......す。学業は疎かになってしま、わぬように頑張ってるのですが...もう、限、界...................です」


バタン

生平は地面に倒れる。


「生平くん!?しっかりしろ!生平くん!!生平くーん!!」


...。


僕は意識を失った......フリをして。

錦助さんに背負われ

錦助さんの家に運ばれるのであった。








(作戦。成功だな)



僕はニヤリと黒い笑みを浮かべた。


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