転生
拙い文になってしまっているので、気にくわない点などは辛口で、教えていただけると幸いです。
公立高校の一般試験の内容が変わる年に、自分の高校受験の年が重なっていると聞いた時には、軽く絶望したけれど。
こうして、都立高校の校門をくぐることが出来たのは、俺のコミュニケーション力が平均より高く備わっていたからだろう。
つまり、一般推薦で入ってしまえば関係ないってことだ。
そうして踏み入れた校内で、特に迷う事もなく教室の前に来ることが出来た。
しかし、面接でも揺れなかった俺の心も、この時ばかりはワクワクと、少しの緊張を感じている。
軽く深呼吸をし、猫背気味の姿勢を正して、ドアを開けて教室内を見渡そうとした俺の視界が、
"静かに暗転した。"
「ほら、起きろ。」
そう声がかけられると、いつもの寝起きとは違い、瞬時に脳が活性化したかのように目が覚めた。
しかし、視界は暗いままだ。
「は?」
いつもは寝起きでカサカサであるはずの口の中が、そうでないことにも気付かずに、声を出した。
目が、開かなくなっているのだ。
力が入らないというより、そもそもの目がなくなったような感覚に、久しぶりの恐怖を覚えた。
「君達は、何が起きたのか分からないだろうけど、それは置いておくことにしてくれ。それよりも、僕の話を聞くことの方が大切だ。そうでないと、死んでしまうからね。」
この声の主はいったい誰なのか。そんな疑問を抱くより前に、死んでしまうかもしれないという言葉が脳に響く。
ここでようやくフル回転してきた思考で、どんな状況なのか考えてみても、もしかしたら死んでしまうかもしれないという結論に至ってしまう事で、上手く事態が呑み込めない。
「君達には、別の世界に転生してもらう。ああ、魔法なんて便利なものはないからね。君達が住んでいたB-α8と根本的に違うところは、生き残るためのスキルを一つ、幼少期に選択できることだ。後で君達にも選択してもらうけど、当然スキルレベルは一だから、そこらへんの子供にも劣るものになるけどね。」
...転生だと?
しかし、俺は別に死んだりしていないはずだ。神様の手違いで殺されたお詫びに、転生するという雰囲気でもない。
「疑問に思ってるようだけど、君達が転生することになったのは、僕が殺したからなんだ。おっと、怒らないでくれよ。君達は僕が作った世界の人間、つまり僕が生を与えた物だからね。僕に利用されたっていいだろう。」
...いい訳あるか。
こっちは弄ばれるために生きてきたんじゃない。
「僕もただ弄ぶために転生させるほど、馬鹿じゃないつもりなんだけどなぁ。君達を転生させる理由はちゃんとある。教える義理はないから言わないけどね。
もうそろそろ疲れたから、質問コーナーはおしまいだ。S-β2はB-α8のように安全ではないから、すぐに行動しないと死んでしまうよ。では、健闘を祈る。」
夢程度にしか思っていなかった、現実味のない目の前の出来事。
それが、現実だったと認識したとき、最悪の事実を同時に認めざるをえなかった。
――――理不尽な神によって、俺の人生はあっけなく終わってしまった事を。
俺TUEEEEだったり、クラス転生物は必ず誰かがチート級だったりするので、スキルはあっても役割分担を分かりやすくする程度のものにするつもりです。