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起きたらそこは異世界でした

 

 ……僕は、死んだはずだ。何で、目の前に人がいるんだ?


 少しだけぼやける視界の中には、何故かメイド服を着ている、10代後半と予想される緑色の髪と青色の瞳を持つ美少女がいた。


 え?

 何ですかコレは?


「あ!ラスト様、お目覚めになられたのですね」


 ラスト?

 一体誰の事なんだ?


 僕が何か言うよりも早く、メイドは部屋を出て行ってしまった。


 ……少し状況を整理してみようか。


 ・トラックに轢かれた


 ・目が覚めたらそこはやたら豪華な部屋、しかもふかふかベッドの上にいる。

 更にはメイドと思わしき人物が存在しており、僕の事を"ラスト"と呼んでいる。


 トラックに轢かれる+目の前にはメイド+現代ではとても見られない部屋=異世界……何てアホなことは考えず、夢という線を考えてみるか。


 そんなことを考えていたら、突然激しい頭痛が起きた。


 だが、何故だろう。

 頭が痛いはずなのに、それが自分には関係ない事のように、思考が阻害されない。


 ほんの1、2分足らずしか経っていなかったが、思い出してしまった。


 ここでの10年間を。


 どうやら僕は本当に転生してしまったようだ。

 転生、というよりは憑依した という方が正しいのかもしれないが。


 どうやらこの体の持ち主は相当好き勝手しているらしい。

 名前はラスト・ラベルク。


 たった今思い出した記憶によれば、このラストとか言う奴は、ラノベなどでよく登場する、クソ貴族と呼ばれる奴で、家族や使用人だけでなく、婚約者や商人、更には騎士だったりと、相当な人達に迷惑を掛けている。


 アホかこいつは。


(誰がアホだ!さっさと俺の体から出て行きやがれ!)


 憑依したらなんか体の持ち主が話しかけてきた件。


 それよりも話しかけれたんだね、ラストくん。


(あぁん?誰がラストくんだ!ぶっ殺すぞ!)


 うわー完全ヤンキーですよあれ。


 どんな状況か説明しろと言われるのならば、頭の中でヤンキーに襲われている僕がいる、と説明すればいいんだろうか。


 流石に鬱陶しくなってきたのでかめ○め波を撃ってみたら衝撃で遠くに飛んで行ってしまった。


 頭の中の戦いでは僕の方が強いみたいだ。


 この機会にちょっぴり情報を引き出して見ることにする。


 〜〜〜〜〜


 少し時間はかかったが、ある程度この世界の事は理解出来た。


 この世界ではどうやら、ステータスが存在するらしい。

 アルファベット表記になっていて、最低がG-で最高はS+と言われているらしい。


 つまりは、G F E D C B A S の順になっていて、それぞれ+と-が存在している、と言うことだ。

 だけど、あくまでもそれはその種族や、年代などによって変化するらしいから、数値化して見ないと大体のことは分からないらしい。


 アルファベット表記は、簡易的ステータスと言うものらしい。


 [生命力] ー 世間一般ではこの数値は活動するのに必要なエネルギーらしきものとして認識されているようだ。

 この生命力とやらが高ければ高い程、HPが多いと、そう考えれば分かりやすいのではないだろうか。


 [魔力] ー 周囲では、"魔法を使う時に消費するもの"として捉えられており、要するにMPってことだね。


 [攻撃力] ー これが高ければ、その分力が強くなるらしい。

 簡単に言ってしまえばゲームと同じな訳だ。

 魔法攻撃存在せず、攻撃力で物理と魔法両方に補正がかかるようだ。


 [防御力] ー これが高いと攻撃を受けた時のダメージが少なくて済むらしい。

 魔法防御は存在せず、防御力で物理と魔法両方を防げるようだ。


 少し気になる点だが、防御力がいくら高くても肌とかを触れば普通の感触のようだ。

 攻撃と見なされなければ意味を成さない物と考えていいんだろう。


 [敏捷性] ー これはどれだけ速く動けるか、というものらしい。

 高ければきっと某龍玉アニメの超戦士達みたいに高速移動出来るんだろう。


 [ノーマルスキル] ー 通常の、ランクが低いスキル。

 別の言い方をするのなら、初級、低級、初歩、最初、基礎、だったり。


 [エクストラスキル] ー これはあまり覚えている人が多くない、強めの物が多いスキル。

 別の言い方をするのなら上級、熟練、とかそう言ったところだろう。


 [加護 ]ー これはどうやら神様から貰える珍しいスキルのことを言うらしい。

 所持している人は滅多にいなく、持っていた場合は体の何処かに紋章が現れるらしい。


 人によって、というか加護によって紋章は違うようだ。

 大体は生まれつきだが、稀に後天的に加護を入手することがあるらしい。


 後はこの体の持ち主の生い立ちなりなんなり。


 本名ラスト・ラベルク

 伯爵家の次男でクソ貴族。


 右目の中に紋章がある。

 十字架に植物が巻き付いている感じの紋章で、

【天眼】という加護を持っている。


 某ハンティングアクションの2つ名持ち水狐みたいだ。


【天眼】の能力は、相手の情報を確認すると言うもの。


 ラストはステータス確認としか思っていなかったようだが、僕の勘に言わせて貰えば、恐らくこれはすっごい強い加護だ。


 情報を確認する ってところが肝だ。

 この情報ってのはステータスだけでなくその他個人情報まで見れると予想している。



 10歳になるまで相当甘やかされて育っており、その弊害で傲慢に振る舞うようになってしまった。


 まぁ、そのせいで色んな人に迷惑をかけていて、すっごい恨まれていると。


 後は婚約者がいる。


 子爵家の長女、名前はエルフィ・マルリス。

 何でこんな最低男の婚約者なんだ?って思えるぐらいかわいい。


 水色の髪をしていて、瞳の色も水色。

 顔は、多分ずっと童顔なんじゃないかな。って感じの顔つきをしている。


 そんなんじゃ分からないと言う人もいるだろうが、僕にも分からないんだからどうしようもない。


 身長は130ぐらいで、性格は真面目で優しい。

 クソみたいなラストに対しても、完全無表情になりはするが、一応まともな対応をしてくれる。


 が、完璧に嫌われている。

 理由は、恐らくだが、優しい性格だから、ラストがやっていることを無視できないんだろう。


 貴族でも持っているのは全体の半分もいない加護持ちで、【再生】の加護を所持している。

 紋章は沢山の光に囲まれた人のようなもの。

 右手の平に付いていて、その紋章が触れた人や物を再生させることが出来る。


 父親の名前はランディ・ラベルク。

 馬鹿息子と違ってまともな貴族。

 この世界では珍しく妾を取っておらず、妻一筋の愛妻家。


 母親の名前はエリザベス・ラベルク。

 この人もまともではあるが、ラストが好き放題やっているせいでかなり迷惑を被っている。


 そのせいでラストのことが大嫌い。



 兄貴の名前がハロルド・ラベルク。

 貴族としての良識と一般常識を兼ね備えているが、ラストに迷惑をかけられているのでやっぱりラストが嫌い。


 ……ラストてめぇやり過ぎなんだよ。

 自身を取り巻く厳しい環境にキレた僕は頭の中で界王拳20倍の龍翔撃を放った。


(あべし!)


 ふぅ。スッキリした。


 ……現状確認はこんなものか。

 ステータスの確認でもしておこう。


 ステータスを見ようと念じると、頭の中に文字の羅列が浮かんでくる。


 ーーーーーーーーーー 1/2


 ラスト・ラベルク 10 男

 レベル1

 生命力 G-

 魔力 G-

 攻撃力 G-

 防御力 G-

 敏捷性 G-


 エクストラスキル


[詐欺LV1] [天才LV1]

[切望LV-] [熱望LV-]


 ノーマルスキル


[話術LV1] [思考誘導LV1]


 加護


【天眼LV-】


 ーーーーーーーーーー


 あ、スキルが全部変わってる。

 能力自体に変化は無いが、記憶で見たスキルとは全く違う。


 憑依の影響か何かなのかな?

 でも加護はそのままか。


 ……次のページがあるらしいぞ?

 記憶ではこんなものは無かったはずだ。


 多分、【天眼】の効果に気が付いたから、とかそんなのだとは思うけど。


 まぁ、見てみないと分からないね。


 ーーーーーーーーーー 2/2


 基本


 魅力 G-

 財力 D+

 権力 C-


 特殊


 決断力 G-

 瞬発力 C-

 思考力 S


 固有


 絶望度 B

 希望度 E-

 切望度 A+

 熱望度 A+

 渇望度 A+

 願望度 A+

 想望度 A+

 待望度 A+

 所望度 A+

 翹望度 A+

 仰望度 A+


 ーーーーーーーーーー


 大体は見たまんまか。

 基本ってのが多分、全員持っているやつだな。


 特殊はちょっとよくわからん。

 けど、思考力Sっていうのは相当すごい。


 多分だけど、この思考力ってのが高いからあの時の頭痛の最中であんな感覚を感じたんだろう。


 そして、固有なんだけど……

 意味は多分僕だけの能力値なんだろうけど、何これ?


 僕はそんなに何を望んでいるんだよ。

 しかも全部もれなくA+だし。


 見なかったことにしておくのが一番だね。



 そんなこんなである程度慣れてきた頃、両親が部屋へとやってきた。


数値化バージョンはすぐに変わったりするので基本はアルファベット表記でいかせてもらいます。

↓初期ステータスの数値化


ーーーーーーーーーー


生命力 G-(12)

魔力 G-(5)

攻撃力 G-(6)

防御力 G-(3)

敏捷性 G-(5)


ーーーーーーーーーー

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