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「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の十六、



 では、「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の十六、参じる。




「【物事を隠す風儀(はなは)だあしし。機事は密なるべけれども、打ち出してよき事までも(つつ)み隠す時はかえって衆人に探る心を持たせる様になるものなり】




「機事は密なるべけれども」


「機事」とは機密・機微、その問題がどういう影響や効果、作用を起こすかわからんという非常に微妙なことをいいます。こういう微妙な問題、言い換えると機事は秘密でなければならないが、ということです。


「打ち出してよき事までも(つつ)み隠す時はかえって衆人に探る心を持たせる様になるものなり」


 これはそのとおりです」




 日本の政治でも、いろんなことを秘密にしている気がしますね。軍機ならともかく、大したことでもないものでも秘密にしている気がします。


 論語にいう、




【民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず】




 の誤用のまま、いまだに直っていないのではなかろうか。


 この言葉の意味は、




 民に政治の機微を教えてもなかなか通じないものであるから、言葉で説得する以上に、その政治家の信頼感で導かねばならない。



 

 という意味です。


 民衆は、基本、己の目先の欲得で生きるものであるため、国家百年の大計などを教えたところでなかなかそれは分かるものではないし、むしろその遠大なる理念が理解できず逆に反対することだってたくさんある。だから、そうではなく、あの人の言う事ならついてゆく、あの人なら信頼できるからすべてお任せする、という風に、言葉による指導ではなくそのもののもつ風韻によって人々を導こう、ということですが、昔から、これを浅薄非才のものは反対にとらえ、民はただ盲目的に従わせればよいのであって真実を教える必要などない、などと考えるものが多いそうな。


 今の政治家、官僚の類も、こっちの誤謬の意味で物事を考えているのが多いのではないか。そう思いますが、どうなんでしょうね。


 なんでも、日本航空123便墜落などはいまもって国家を揺るがす大事件の真相が隠されているそうですが、桜を見る会程度なら大したことではないような気がしますが、こんなことまで隠さねばならないとは、あの時の為政者はどれほど脛に傷を持っていたのでしょうね。まあどうせ、なんでもかんでも隠さねばならないような人生を生きておるのでしょうけど。ああ、だから総理を引退したから気が軽くなって急にでかい口叩くようになったのか。


 総理を辞めたら追求が止むんですから、そこは気楽でいいですね。ぶんざいいんなどは逆にこれから追求が開始されるから大変だ。



 といったところで、「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の十六、はこれまで。



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