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「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の十、



 したらば、「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の十、




「【政事は大小軽重の弁を失ふべからず。緩急先後の序を誤るべからず。徐緩にても失し、火急にても過つなり、着眼を高くし、惣体を見廻し、両三年四五年乃至十年の内何々と、意中に成算を立て、手順を逐って施行すべし】




「政事は大小軽重の弁を失ふべからず」


 弁というのは弁別の意味。「大小軽重」とは、大勢もあり、小勢もあり、大事があり小事がある。それをしっかりと弁別する。まちがってはいけない。


 また時間的に言うなら、


「緩急先後の序を誤るべからず」


 つまり、ゆるやかでよいこと、急にやらなければならないこと、先にやらなければならない、後回しでよろしい、という緩急先後の順序をまちがってはいけない。


「徐緩にても失し、火急にても過つなり」


 ただゆっくりのんびりでもいかん。といってがさがさ慌てるというのも物事をあやまつことがある。


「着眼を高くし、惣体を見廻し、両三年四五年乃至十年の内何々と、意中に成算を立て、手順を逐って施行すべし」


 これはこのとおりです」




 物事には、流れというものがありまして、流れに棹さす、といいますか、ある程度はその流れに沿わなければいけません。その流れをせき止めることなく、かといって流れを無理に加速させることもなく、悠々自適、自ずからにしてくものでなければいけないわけですね。


 しかし、昨今、菅以降の新政権はすでに黄色信号が灯っておるそうですね。


 なんでも、ようやく米帝が対中戦を見越して動き始めたというのに、こともあろうか親中の気配を見せておるのだとか。どんな鼻薬をかがされたのか知りませんが、ここに来て親中の気配を見せるとか、正気なのかな。


 米帝からすれば、自身の覇権を妨げる中共は排除すべき敵となったことは確かですが、しかし、だからといって日本を甘やかす理由もなにもない。いまでは多少落ち着いたとは言え、かつては貿易摩擦で相当火花をちらしましたし、バブルの時にイキった企業が米国買いをした恨みも、米帝は忘れてはおらんでしょう。素直に、スネ夫よろしく金魚のフンをしているのならともかく、親中の姿勢を見せれば一緒くたに叩かれかねない。


 間違いなく、世界の流勢は中共たたきになっているのであって、それに参加しない亜流共産国に価値はない。


 そんな当たり前のことが本当に分からんのかしらん。

 

 で、他にも北方四島奪還に向けて全力を尽くすとか言っておるんだとか。う~ん、それはそうなんですけど、今それに傾注すべきかな?? まあ、おロシアもこの前中共と艦隊組んで仲良く日本列島をぐるりと遊覧したので、中共の背後を守る位置にあるロシアを牽制、という視野も当然あってしかるべきですが、日本の政治家にそこまで大戦略ができるとは到底思えないw そんな手腕もないくせに腕を伸ばそうとするのは、伏線を張りまくって回収できなくなるお話、みたいになるから止めたほうがいいんじゃないかと思いますがねぇ。


 もっとも、中共肺炎で新たな変異種がでてきたことを受けて、外国人の一時入国停止は間違っているとは言えません。



「政事は大小軽重の弁を失ふべからず。緩急先後の序を誤るべからず。徐緩にても失し、火急にても過つなり、着眼を高くし、惣体を見廻し、両三年四五年乃至十年の内何々と、意中に成算を立て、手順を逐って施行すべし」



 こと、中共肺炎では間違っているとは思いませんが、より大事な対中戦に関しては、これはなかなか厳しいことになるかも知れません。ことの大小、軽重をきちんと把握しておるのか。


 着眼点を高くし、総体、物事を全体的に、長期的に、これは何年、あれは何年と、腹案をもって事に当たらねばならない。


 論語にはこうありますね。




【人として遠き(おもんぱか)り無ければ、必ず近き憂いあり】




 深謀遠慮がなければ、必ず近い内に憂慮すべき事態が起こる。


 ほんと、日本の政治家は安心してみていられるのがいませんね。


 と、言ったところで「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の十、は終わり。



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