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「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の九、



 ではでは、「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 のその九、始まり始まり。




「【刑賞与奪の権は、人主のものにして、大臣これを預かるべきなり、(さかさま)に有司に授くべからず、この如き大事に至りては、厳敷(きびしく、かな?( )透間(すきま)あるべからず】




 人間を使ううえにおいては、場合によっては「刑」すなわち罰することも必要であります。また、賞めることも必要であり、与えること、あるいは奪うということも必要です。そういう刑賞与奪の権は、前の条で言っているような「人に任せる」ということをしてはいけないということをここで言っています。


 刑賞与奪の権は、やはり重役が握っていなければなりません。「透間(すきま)」とは手抜かりという意味で、こういうことに手抜かりがあってはいけないということであります」



 

 刑賞与奪の権、こういう言葉を聞きますと、どうにも大ヒットアニメが脳裏をちらつきますねw


「生殺与奪の権を人に握らせるな!!」


 ですね。


 わたしなんぞは、セイサイヨダツ、と読んでしまいますが、正しくはセイサツヨダツ、と読むべきなのだそうですが何分、慣用句なのでセイサイも大間違い、とはいえないのだそうな。


 そう言えば不思議に思っている言葉がありまして。


 一段落。


 これ。


 これの読み方はヒトダンラク、ではなくイチダンラク、が正しいのだそうな。しかし、そうと言われると不思議なんですよね。たとえば、


 一仕事。

 

 一苦労。


 一悶着。


 一っ走り。


 イチシゴト? イチクロウ? イチモンチャク? イチッパシリ? 決してそんな読み方はしないですよね。み~んなヒト、って読むんです。なのに、なんで一段落になると、ヒト、では間違い扱いなのか。それが慣用句だ、ってことなんですけど、納得いかんw 


 まあ、それはともかく、「刑賞与奪の権は、人主のもの」、人主、というのはもちろん主君のことですね。それに関して思うものがありまして。昨今映画化された「信虎」 ご存知、武田信玄公のお父ちゃんにして、実は信玄公より長生きした猛将ですが、戦国スキーでもないと結構マイナーなお人ではないですかね。


 お話は信玄公、晴信さんの時のお話ですが、彼が父、信虎を家臣衆議のうえで追放したわけですが、その晴信さんを補佐していたのが、両職、左大臣、右大臣的な重臣であったのが板垣信方、甘利虎泰、というお人。


 武田家臣団、というのは、信玄公でも御するのを苦労したほど反骨精神のかたまりといいますか、ぶっちゃけ自分勝手なのが多かったそうですが、何分、自分たちの補佐があって晴信さんを当主にしてやったんだ、という気持ちが強かったのか、この両職、板垣氏は晩年になって特に増長し、なんでも、晴信さんの裁可を待たずに首実検をやっていたんだそうな。


 首実検というのは、論功行賞というやつで、つまり、誰それが誰それと戦って首級あげました、みしるし頂戴しました、とか、城に一番乗りをしたのは誰それです、みたいに誰がその戦でどういった手柄を立てたのか、活躍したのか、を決める会議を言いまして、もろに君主の権限なわけです。


「刑賞与奪の権は、人主のもの」


 なわけですね。


 それを、晴信さんから委任されていたならともかく、委任も何もなしに、勝手にそんなことをやっていたんだそうな。しかも、それは「上田原の戦い」の最中にあったにもかかわらず、のんきに首実検やってたのを敵軍、村上勢に発見されて襲われて殺されてしまうんです。


 板垣信方という人は、やはり識になるほどの知勇兼備の将であったわけですが、そこは、麒麟も老いては、ってことなのでしょうか。もっとも、そんなことをいうと朝倉宗滴さんに怒られそうですがw もっとも、これらの話は江戸時代に書かれた『甲陽軍鑑』からの話なので、どこまで真実かは不明ですw



 とまあ、こんなところで「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の九、はここまでw



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