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「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の三、



 結局、日本版サッチャーは誕生しなかったわけですね。


 日本の政治の閉塞感は毎度のことですし、不信感、虚無感ももはや日常。


「自民党も嫌いだけど、それ以外はもっと嫌いなので、仕方なく自民」が日常。


 だったら高市氏に国政をお願いして、一時でも政治に新風を巻き起こせばそれまでの虚無感が少しは払底して、次こそ自民の政治に期待しようという人間を作ることもできたと思いますが、「無難」な岸田氏を総裁にするとか、こういう世間一般と政界の認識のズレが致命的なんでしょうけど、誰も気にしないんでしょうねぇ。


 こんなんが戦後結構続いて、侵略もされない滅亡もしないとか、すさまじい奇跡ですよね。まあ、それもあと何年続くのか知りませんが。


 おこんばんはです。豊臣亨です。


 では、「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の三、参りましょう。




「【家々に祖先の法あり、取失ふべからず。また仕来仕癖(しきたりしくせ)の習いあり。これは時に従って変易(へんえき)あるべし。


 兎角目の付け方間違ふて、家法を古式と心得て除け置き、仕来仕癖を家法家格などと心得て守株(しゅしゅ)せり。時世に連れて動かすべきを動かさざれば、大勢立たぬものなり】




「家々に祖先の法あり、取失ふべからず」


 伝統を尊重しなければならないということ。


「また仕来仕癖(しきたりしくせ)の習いあり。これは時に従って変易(へんえき)あるべし」


 つまり、習慣、慣習というものは祖先の法と違って時には変わる、変えるということがあってよい。


「兎角目の付け方間違ふて、家法を古式と心得て除け置き、仕来仕癖を家法家格などと心得て守株(しゅしゅ)せり」


 ところが原理、原則というものを古いとして除けてしまう。逆に因襲というものを何か憲法のような、その家に伝わっている重要な問題と考え、つまり「家法家格などと心得て」株を守る、守株する、拘泥するということが多い。


「守株」というのは皆さんもご承知の名高い故事のある熟語です。ある愚かな百姓が、どこからか兎が勢い込んで飛び出してきたとたん、切り株にぶつかって死んだ。兎を一匹うまく拾った。それから、この阿呆はいつもそこで、また兎が鼻づらをぶつけて死ぬのを待っておったという故事、これから愚かな習慣にとらわれることを守株、株を守ると申します。


「時世に連れて動かすべきを動かさざれば、大勢立たぬものなり」


「大勢立たぬものなり」ということ、これも名高い言葉になっている。人間にも、自然に大勢、大きな勢い、傾向というものがある。これを「大勢(おおぜい)」と読んではいけない。つまり、ある方向に決定的に動いていく、それが大勢(たいせい)である。時勢には、大勢というものがある。春には春の大勢があり、冬には冬の大勢がある。この大勢を立てることが大変大事なことである。


 くだらない仕来り、仕癖、言い換えれば因襲というものにとらわれてはいけない。やはり時勢というのは、大きな変化ですから、変化にすれて変化すべきものを変化させる。動かすべきものを動かさなければ大勢は立たない。大きな時勢に遅れてしまうということです。そこで仕来り、仕癖という事が問題になってくるが、このことは次に書いてあります」




 かつて国民が自民に本当に嫌気が差したときがありました。


 で、ちょっと自民を懲らしめてやろう、と民主党に票を投じたはいいが、自民以上にとんでもない事態が次から次へと起こって、国民のほうが懲らしめられてしまった。


 それからさすがに自民以外の党に対しては警戒感が強いものの、自民はあいも変わらずの自民。時勢、時流、どこ吹く風。まあ、出てくる人たちが誰も彼もがもれなく左翼イデオロギーに脳みそ焼かれているんだから、自民の安泰は変わらずなのでそうなるのもむべなるかな、なのでしょうけど。


 では、「佐藤一斎『重職心得箇条』を読む」 の三、はこれまで。



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