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本日のおっさんのたわ言



 おこんばんはです。おっさんです。いつものたわ言です。


 さて、以前にもちらっと話題にしましたが大昔からこういう言葉がありますね。



「上見て暮らすな 下見て暮らせ」



 と。


 これは、上、つまり自分より裕福な人間だの、幸せな人間だのを見ておるとどうしても、人情といいますか区々たる人間の常として嫉妬心が湧き起こざるを得ない、羨ましくて妬ましくてしょうがない、なので、上を見てそんな自分の情けなさを自覚するくらいだったら、下、自分より恵まれていない人だの、生活レベルが低い人間だのを見て、無聊を慰めると申しますか、自分を納得させろ、的な言葉がありますね。


 わたしはこの言葉は、江戸時代の士農工商という身分社会で多くの不平不満を抱える農民を納得させるために使われたのだ、的な説明を受けた気がいたしますが、こうして年を取りますとこの説明も左翼的な、江戸時代は地獄でした、を印象付けるための陰謀論の一種であろうと感ずるところではあります。どだい、この士農工商、というのも実はそんなものはなかった、あったのは武士と民草だけだった、というのが昨今の定説のようで、この言葉の語源をネットで調べてもこれというものはなさげなので、階級闘争が大好物な左翼の造語の可能性も否定しきれないところです。まさか、福沢諭吉が言い出してないよね?w


 まあ、自分より生活レベルが下の人間を見て安堵する、という人間心理も決して褒められたものではないような気も致しますが、区々たる人間は、こういうことでもしないとこの厳しいばかりの現実を生きてられない、ということでありましょう。


 一概に肯定も否定もできかねる言葉でございますが、わたしは昨今の世相を見ておりますとこの言葉に思うところができまして、この度のたわ言でございます。


 昨今、映像機器だの録画機器だのの縮小化、大衆化のおかげで様々な事例を動画でも見ることができるようになりましたし、やほーニュースのようにネットの普及で昔ながらのTVや新聞に頼らなくても様々な情報に触れることが増えて参りました。


 自分の子供にご飯を与えないだの、熱湯ぶっかけるだの、車に放置だの、家から追い出して一晩中無視だの、殴るだの蹴るだの、自分の子供にすらこのような有様なのですから、それが他人ともなればさらに劣悪さをまして、56すだの4なすだのは、もはや日常。


 虐待だの、監禁だの、拷問だの、捕食だの、できないことは何もなさそうです。


 こういうのをみておりますと、反面教師であふれかえっておるといいますか、こんなのにはなりたくない、こんなのになるくらいだったら4んだ方がましじゃね? と思わせてくれる人たちに事欠きません。


 それこそ魑魅魍魎が跳梁跋扈する、地獄絵図と化した現代社会が、これみよがしに提示してくれているわけで、教材には事欠かない。


 つまり、



「下見て暮らすな 上見て暮らせ」



 と言わざるを得ないような世界になっているのではないでしょうか。


 いまさらかな。


 とはいえ、今の日本に、見上げたくなるような、讃仰したくなるような、上、がどこにおわすかは、なかなか思案のしどころではございますが。




【文王を待って後に起こる者は凡民なり かの豪傑の士のごときは文王なしといえどもなお興る】




 今の現代社会には仰ぎ見たくなる上、は些少でも本を紐解けば血潮がたぎるような英雄、君子にたくさん出会えます。


 世がどうであれ、他人がどうであれ、時代がどうであれ、我が心の王国は我が作り出すのだ、という不羈奔放、堅忍不抜な精神は、現代社会のどこを見たって転がっているわけはないので、学問、いにしえの人々に教えを請うしかないわけです。


 もっというのなら、上だの下だの見てぶつくさ言っておる前に、世界でもっとも大事な自分を何より盛り立てることこそが何より大事で、そもそもそこが出発点なわけで、己の心田を滋味豊かにすることこそが世界のすべてであると言い切ってよい。


 ボールだけがずっ友さ! 


 とか、


 愛と幽鬼だけが友達さ!


 とのたまう豪傑や梟雄がかつておわしましたが、


 本だけが心の友、というのも、現代だからこそ切実な問題だと思います。


 って、自分で取り上げた言葉をそっこう根幹から否定したところで今宵はこんなところで。



 逃げるんだよォ!

 

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