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貴方は死んだのです。
俺は阿比留 幸成。ごく普通の高校生………だった。ある日、学校の帰り道、トラックに跳ねられた。あっけない死だった。
気が付くと、白い部屋にいた。
目の前には、金髪でとても綺麗な女性がいた。
『ようこそ、転送の間へ。』
「は⁉︎ え⁉︎ いきなり何言ってるの?つかここドコ?」
何の冗談だ?いや、冗談か?冗談なら知らん人と二人でいる事自体おかしい。なら、まず最初に言う事は…
「貴女は誰ですか?俺と会った事ないですよね?」
そうだ。まず相手を知る事だ。
『そうですね。私はラティ。勿論、貴方とは初めて会ったわ。』
「俺はどうしてここにいるんですか?まさか!拉致されたんですか!?」
俺はわざとらしく腕で体を抱く仕草をして見せた。
『ち、違うわ!待って、誤解しないで!貴方に伝えなきゃいけないの!』
女性は面白いくらいに慌てていた。慌てる姿可愛いなぁ。…じゃなくて!
「はぁ…。伝えなきゃいけない事って何ですか?」
俺は面倒くさそうにきいた。内容は概ね分かっている。
『コ、コホン。……幸成さん。貴方は死んだのです。』
ほらな。