四話 もしかして交易できるんじゃねぇ?
予定にないゲリラ投降|д゜)
いつもより少し長くなります。
毛布を渡し履物を脱いで貰い、リビングに移動して炬燵に入れエアコンを入れる。
飲み物で紅茶を用意する。
ミルク、レモン、蜂蜜を別に分けエルフの前に並べる。
美少女エルフはすぐに口を付け一息ついた。
「ふぅ…なんでこんなにここは寒いんだ?」
「こっちは冬の真っただ中だからね。君の恰好じゃあ凍えても仕方ないね。
それよりお茶の味はどうかな?こっちは牛の乳、これはレモンと云う酸っぱい果実で、これは蜂蜜だ。飲めるなら色々試して感想を聞かせて貰いたい。」
「うむ。似た茶葉のお茶を飲んだ事があるがこのお茶の方が洗練されてて美味い。
牛の乳は飲めたものじゃない!我が里の方が上だ。レモンも微かに毒物反応があるので入れたくない。だが蜂蜜はお茶と同じで洗練されてて美味い。」
ふ~ん。牛乳はスーパーやコンビニで手軽に買える物だしレモンは農薬の反応かな?
まぁ折角出したから俺がレモンミルクティーにして飲もう。
「じゃあ、茶葉と蜂蜜をお土産で渡すよ。だから俺の荷物を返して欲しい。」
「ああ、そっちに置くぞ。それで本当にこれを貰って良いのか?」
「うん。樹を傷つけたのは悪かったからお詫びとしてで良いか?
あとまたそっちの世界に行ってみたいし長老達との会話もしてみたい。こっちの世界の事を知っているみたいだし。」
「いや、長老達もこっちの世界は詳しくないと思うぞ?昔、この世界か分からないが、異世界人がちょくちょく森に現れた事があってその者達から聞いた話が伝わっているだけだからな。」
「それでも良いよ。唯でさえ異世界に行けるのに、また違う世界の話も聞けるなんて凄過ぎる。
君の都合で時間を合わせるから案内とかお願いできるかな?」
「ああ、こんなお茶と蜂蜜を貰ったのだからそれぐらいお安い御用だ。」
「いやいや、それは樹を傷付けたお詫びだって。
次にそちらにお邪魔する時にもお茶と蜂蜜をお土産で渡すよ。」
「本当にか!?私の世界の人族の町に行けば、この蜂蜜だけでそこそこの金額になるぞ!」
「うん。それも頼むつもりだった。そっちの世界の人族の町も見たいので案内と護衛を頼みたい。それと売れそうな物とか聞きたい。この蜂蜜入れている瓶とかは珍しくないのかな?」
「確かに珍しいし高価だがある程度出回ってるぞ。」
「ふむ?でも売れるでしょ?数を揃えたらそこそこの金額にならないかな?」
「確かに数を揃えれば…ってちょっと待て!この品の数を揃えるって…」
「そっちのお金を手に入れるのに取り敢えず色々な種類を二十種類ほど持って行き、
売れそうな品物を絞り込めたら月最低100個づつぐらい出せる。」
「ぶ~~~~~…」
「ありがとうございま~す!」
紅茶を吹きかけられた瞬間、思わず礼を言ってしまった。
美少女エルフに茶を吹きかけられるなんてご褒美だ。
ゲホゲホ咽ている美少女エルフはそれどころではないのかツッコミはなかった。
俺はタオルを持ってきて渡し周りを拭きつつ背中を擦ってやる。
少し落ち着いてきた美少女エルフは俺を見て複雑そうな顔をしながら聞いて来た。
「お前もしかして人族でも世界有数の大富豪か?」
あ~…文明や技術の格差での勘違いか!
「いや、この世界でも平均的な一般民だよ。魔法がない代わりに、う~ん……あっ!そっちの世界にゴーレムいる?」
「うん?いるにはいるが…」
「そのゴーレムみたいな物を安価で使えて、一日ずっと使役して物を作らしているんだ。だから手間暇かかる品物でも安く手に入るんだよ。」
「ふ~ん…良く分らんが安く仕入れ出来るのか…」
「因みにその蜂蜜はうちの自家製だ。その瓶と同じ物も100単位で仕入れ出来る。」
「うむ。理解した。それで次は何時来るんだ?」
「それなんだが、時間の流れとか理解したいので、明日の昼頃、もう一度会えないかな?この出入りした場所まで気軽に来れる?」
「ああ、問題ないぞ。」
俺はそれを聞いて頷き、電池式の三針の腕時計を渡すことにする。
何処にでも売っている安物だ。
スマホと時間を確認して合っているのを確認してから渡し説明する。
「これを見てくれ。今は昼を過ぎ夕方前なのは分かっている?この並んで円に沿って書いてあるのがこの世界の数字で、この二つある数字が上。それでこの上にこの小さい針がきたらこっちでの昼なんだ。」
俺はもう一つ電池切れの時計を出して針を動かし説明する。
「唯、この時計はこっちの世界では半日刻みで、二週して一日なんだ。それをふまえて明日のこの上に短い針が来た時にここの前に来てくれる?」
「ふむ…つまり今からこの針がここに来ると真夜中なのか。」
「そう!だから今からじゃ二回目にここに来た時に。それと出来ればご飯は食べて来て。先程のレモンと一緒でこっちの世界ではあれぐらいの毒物反応がある食材は普通なんだ。」
「うむ分かった。ではそろそろお暇しよう。」
毛布を脱ごうとしたのを留めて窓までそのままで良いと言う。
窓がある部屋に行き窓を開けやっぱり森に繋がる。
ひらりと窓枠を越え外に出る美少女エルフ。
と、ここでお互い名乗りもしていなかったのを思い出す。
毛布を渡して来た美少女エルフに自己紹介をする。
「ごめんあと一つ。俺の名前は二上信久。ノブと呼んでくれ。それで君の名を聞いて良い?」
「これは失礼した。我が名はアムリーテ。氏族や森の名は次の機会に取っておくぞ。」
初めて柔らかい笑顔を浮かべ名乗ってくれた。
俺は見とれて暫し言葉を失った。
「?どうした?」
「あっ!いやあ~俺の世界にエルフはいないのでね。あまりの美しい笑顔に見とれたんだよ。ではまた明日に逢えることを祈って。」
「ふふっ。こちらこそまたな。」
アムリーテは手を上げて柔らかい笑みを残し去って行った。
俺は正月の予定をキャンセルして異世界探検する計画を組む為に窓を閉じ残っていた箇所の掃除に取り掛かった。
さて、次の予定は三月中と言う事で|д゜)
でも二月末にランス10の発売があるので半年放置もあるかも<(_ _)>
チートや水中花はボチボチで更新します。
では早めに更新できるのを祈って(お前が言うなと怒られそうですが(;^ω^))