二話 この森深すぎねぇ?
バールその物の名はダメみたいなので(ようなもの)を付けています。
通りでニュースではバールのような物と言う訳だ|д゜)
窓から外に出て、スマホのGPSでどの辺りか調べて見る。
?
えっ?反応しない?圏外?ちょっと待て!
「おいおいマジかよ…」
俺はまだ開けてた窓に腕を入れスマホを覗き込んだ。
電波は確かに届いている。GPSも機能してる。
そのまま画面を見ながら窓から腕を出す。
窓から出た瞬間に接続が切れた。
「!?」
タラリと暑くもないのに汗が流れ落ちた。
まさか県外か外国どころか地球じゃない?
「いや…まさか…ね?」
気軽な散歩感覚だったのが一気に、アマゾンの奥地に掘り込まれた感覚に陥った。
やばいやばいやばいやばい…
俺は窓枠を乗り越え部屋に転がり込み急いで窓を閉めた。
「ちょっ…マジか…」
俺は暫し呆然と考えこんだ。
もし未知の場所に繋がっているなら松葉杖なんか役に立たないぞ。
不審者通報されるのを覚悟で、もっと現実的な武器で装備を固めるか。
一応、窓から出てもこっちに帰って来れたのでじわじわ探索範囲を広げるか。
「よし、先ずは武器だ。」
家に一番マシな武器と云えばバールのような物だな…
どうする?二本持って行くのは流石に邪魔、尚且つ重い。
一番長いやつにするか。アルミ製の特注で作ったバールのようなものだ。
長さは百八十センチある。普通の店で取り扱っているのは大体百二十センチぐらいの長さだ。
予備武器には鉈でも持っていたらいいか。
迷い防止にテグスと水糸も持って行くか。
時間は一時間で往復二時間の距離にして一方向だけにするか。
「よし、偵察探検だ。」
俺は出発した。
テグスを地面に隠す様に垂らしながらノロノロ進む。
しかしこの森、かなり深いと思うが道が在るような歩きやすさだ。
倒木など見当たらないし所々、陽も当たっている。
数日に一度は手入れしている感じの森だ。
「まさかなぁ~…ここまで深く感じる森で…」
ここまで深く感じる森は、日本では秋田県の駒ケ岳に行った時ぐらいだ。
俺はたまに木に鉈で傷を付けしるしを残しながらノロノロ進む。
二百メートル進んだ所でテグスか尽きる。
近くの木にテグスを括り、違う木に水糸を括り前進を続ける。
水糸が二本尽きた所で小休止していると足元に矢が突き刺さった。
「へっ…?」
矢が飛んできた方向を見ると、
目の覚めるような美少女が弓をこちらに向けながら言った。
「お前か!木を傷つけているのは!」