一話 窓の外がおかしくねぇ?
コンパネ=コンクリートパネル
「なんだこりゃ…」
俺は呆気に取られて呟いた。
家の南側は小さな裏庭があるはずなのに、深い森の中のような木々で埋め尽くされている。
窓を閉めてみた。
いつも洗濯物を干してる裏庭が見える。
?
窓を開ける。
森が見える…
窓を半分閉める。
開けてる窓は森で閉めたガラス窓は裏庭の景色が見えた。
「見間違いや幻覚じゃないよな…」
さてどうするか。
見なかった事にして再び封印するか…
しかし何処に繋がっているのかを確認したいな。
もし県外なら移動に使えそうだし。
海外なら迷わず封印しよ。
出国手続きもしないで海外に行く気は全く無い。
スマホで現在位置を確認してみる。
うん、間違いなく自分の家の位置だな。
そのまま窓を潜ろうとして天啓のように思い至った。
「やべ~、あっちに行って窓が消えたらどうするんだよ。ちと準備するか。」
俺は一人うむうむ言って窓を閉めた。
さて取り敢えずは靴だが深そうな森だし安全靴のブーツにするか。
両手を使えた方がいいしリュックを背負うか。
リュックの中身は二リットルペットボトル二本と災害時の非常食でも入れておくか。
あとは武器になって街中でもあまり違和感が無い物…
部屋を見渡し松葉杖が目に付いた。あれにするか。
「よし、ちと探検だ。」
俺は窓から外にでた。