表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

田中省三 70歳 初出勤する

作者: 鬼瓦熊吉

 面接に行ったら受かった。


 さんざん美佐子に言われていたので、大人しくしていた。


 本とはな、ここ何年も美佐子としか話をしていないので、しゃべりたくてウズウズしたのだが耐えた。


 受かったということはやはり俺の人徳か。


「美佐子、明日から仕事にいくぞ」


「よかったですね。ここは賄いもありますから」


「俺は夕食を美味しく食べるために、昼食は麺類にしたいのだが」


すると美佐子が豹変した。


「タダで食べられるのですよ。贅沢を言うのもいい加減にしてください。わざわざ賄い付の職場をさがしたのだから」


 どうしてこうなるの。可愛い女だったのに、あれは山姥だな。


 初日は配送の研修はなかった。まず洗う場を担当したのだが、大体茶碗洗いなどやったことはない。

 しかし店だからたっぷりと洗剤を付けて洗ったのだが。それが良くなかった。


そしたらすすぎ時間がかかるとか言われて、他の仕事をしろと言う。


「すみません、ご苦労です」


段ボール箱も壊したし、残飯のおけも洗った。


色々問題があったようだが、初出勤だから仕方ないではないか。


「「美佐子帰ったぞ」


 「お疲れ様です。今日はショウガ焼きにしました。」


 賄い飯は野菜炒めだった。うまかった。やはり体を使うということはいいものだ。


 「美佐子、ゴム手袋を洗っておいてくれ」


 「明日も出勤でしょう。乾くかしら」


 「いや、明日とあさっては休みを取ったから」


 また妖怪のように美佐子が豹変したのだよ。あんなに機嫌がよかったのに。俺はどうすればいいのか。


 「あなたは私の顔に泥を塗るつもりですか」と。


 筋肉痛がひどいのだよ、すでに腹筋とか太ももが痛い。こんな状態で仕事に行っても業務に支障をきたすではないか。


 とても建設てきな意見だと思うのだが、美佐子は怒っているし。


 俺はどうすればいいのだろう。


 





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ