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エクスペンション『生花(せいか)』
生花は人間に切りとられた瞬間から、
死へのカウントダウンが始まる・・・
彼らは、たとえ地を歩けなくとも、
不満を口にせず風に身をまかせている。
自らの生き方に対して凜とした姿に、
私は美しさを感じるのだ。
一方、人間はというと、
歩き回れる自由さがあるというのに、
口にする言葉は不満に満ちている。
社会に根を下ろしたことに違和感を覚えたなら、
たんぽぽの穂のように、
風に身をまかせてみるのもよいだろう。
自然は次の生き方を、
そっと囁きかけてくれるのだから。