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0:The epigraph
現段階ではR15描写はありません。
タイトル通り、エピグラフです。
落ちる花を唱えて
私はそれを拾う
彩る悲しみは深く
腕の中で眠っている
咲き乱れ 色と成せ
腐ることなき永遠を求め
交わる夕べの色 胎に宿る子ら
満たせ満たせ 器に溢れ
遥か境界にて穿たれたもの
歌われるべきを吐き歌え
水面に揺れる賛歌は
真実の惨禍に笑う
望みを手に 短命を絶つ
渇く渇く 心ばかりか
言葉は死に 始まりは終わり
人はそれすらも気付かずに
花は再び落ち
拾う者はいない
希望の灯は灯り浮かんだ
ただ刹那 産声をあげて
アルベルト=アトリア著 『無題―××ために―』より