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美尻研究家 美尻三郎  作者: ミタラリアット


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三話 「ヨガインストラクターの尻」


 美尻は突如ある事を思い立った。日頃から運動をしている人なら体型が整っている。「黄金の尻」を持った女性がいるんじゃないか。思い立ったが吉日。美尻は SNS で見つけたとある女性に取材を申し込んだ。


 取材当日。渋谷区の某所にあるヨガスタジオ。


「世界一美しいお尻を探しているんですって?」


 インストラクターの女性は、美尻に接近する。美尻は「うへへ…」と性的興奮で顔を歪ませた。


 今日は玲子が用事でいない。つまり、鬼の目はないって事だ。美尻は伸び伸びと仕事ができる。


「しずかちゃぁん、僕にお尻の写真撮らせて~」


 美尻にしずかと呼ばれた女性は、「えー、どうしようかな??」と美尻を揶揄う。


 彼女は、SNS のフォロワーが七千人もいる有名なヨガインストラクターだ。美尻が見つけた、黄金の尻を持つかもしれない女性の候補である。このチャンスを、美尻が逃すはずがなかった。


 しずかは、「せっかく来ていただいたのですし、美尻さんも一緒にヨガをやりましょうよ。生徒さんも皆さん、美しい体型ですよ」と微笑みを見せた。


 美尻は、「え!? 本当に!? 僕すっごい嬉しい!!!」と興奮する。


 時間になると、「今日もよろしくお願いします~」と生徒たちが集まってきた。


 右から。美人、美人、美人、美人、美人……。「玲子ぉ!?」


 突然の相方の登場に驚きを隠せない美尻。


 玲子も「なんでいるの???」と美尻の顔を見た。


「しずかちゃんのお尻をこの目で確かめに来た!」と言う美尻に、玲子は「しずかは私の友達よ?? こんな偶然もあるのね~」と目を丸くする。


 しずかは、「ヨガ教室を開いてからね、一回も玲子に連絡できてなかったから、開いたよって言ったら見に行く!って。あなた達、知り合いだったのね???」と玲子に言った。


 美尻は、「なんだ、玲子の知り合いかぁ……せっかく玲子がいないから、しずかちゃんとランデブーできると思ったのに」と明らかに落ち込む。


 玲子は「悪かったわね!!! 私がいない方がいいなら助手なんて辞めてあげるわよ!」と機嫌を悪くする。


 しずかは「助手???」と首を傾げた。


「ちょっと前から三郎の助手になったの。いまでもなんで私が変態ブロガーの助手をやってんのかわからないけどね」


 という玲子に、美尻は「変態ブロガーじゃない、夢を追い求める英雄って言ってよ~~」と泣きつく。


「まあ、お二人とも。一緒にヨガやっていきましょう? せっかく来たのですから」


 二人を歓迎するしずか。いよいよヨガ教室がはじまる。


「下向きの犬のポーズ」


 尻を突き上げるようなポーズを取るしずかや生徒たちを前に、尻が上がらないまま美尻は「ぐへへぇ…」と鼻の下を伸ばす。


 そして――ヨガの最中にも関わらず。


「しずかちゃぁぁぁん!!!」


 と、しずかの尻に飛びついて写真をパシャパシャ数枚撮影した。


 しずかは「全く、美尻さんったら。せっかちですね?」と笑い飛ばす。


 生徒たちも、「ふふっ」と思わず笑みを零す。


 そんな愉快な時間もあり、その日のヨガ教室は終わった。生徒たちが皆、帰っていく中。


 玲子は、「ごめんね? 三郎が迷惑かけて」としずかに謝る。


 しずかは、「いいのよ。この地球に、あんなにも愉快な人がいるなんて知らなかったわ」と、美尻と出会えた事に対する喜びを見せた。


 玲子は、「本当に? しずかはやっぱりどこか変わってるわね」と返答する。


 美尻は支度を済ませると、「帰るぞ、玲子」と玲子の名前を呼んだ。


 玲子は、「はいはい」と美尻についていく。


 帰り道。


「で? しずかの尻は黄金の尻だった?」と玲子が問う。


 美尻は、「また違う。黄金の尻は一体誰が持っているんだよ…」と嘆くのだった。

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