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やわらかい侵略  作者: 新 絆
スライムの世界
9/19

やっとスライム以外の話すキャラ出せました。

楽しんでもらえたら幸いです

 色々考えたけど、結局移動方法は変わらない。

 森の中で無警戒で移動出来るほどまだ自分の強さに自信は持てない。

 コロコロとゆっくり転がりながら、地道に山へ近づくというよりきた道を戻っていく。

 

 エッサ、ホイサ、エッサ、ホイサ、


 うん? なんか変な掛け声が聞こえる。

 そっーと、掛け声に近づいてみると、手のひらサイズの蟻がすごい数で行進してた。

 えっ、あの数に襲われたらヤバイ気がするんだけど、あんな数勝てねーよ。


 蟻達は、二足歩行で、前足は、ネズミのキャラクターみたいな白い手袋をしてる。みんなで、手を上にして何かを運んでるようだが……いや、違うな。

 

 先を進んでる周りにいる蟻は、なんか槍みたいなの持ってるのとか、銃みたいなの持ってるのもいるんだが……

 

 蟻が銃!?

 自分達で作ったのか?

 まさかアレを持って生まれてくるわけじゃないよね……


 ただ見た目は、オモチャの行進みたいで可愛いな。

 あまりに可愛かったので、ぽか〜んと眺めてたら、急に周りの兵隊蟻が集まり出してこっちに槍を向けてきた。


 あっ、バレた。

 ど、ど、ど、どうする?

 

「そこにいるのは何者だ! 返事が出来るなら、声をあげ静かにこちらへ来い!」


 喋れんのかーい。

 やべっ、一瞬喜んだけど、よく考えたら俺が喋れねー


 とりあえず後ろの木を掴んで、勢いよく退避の準備だけはしておこう。

 俺は、体をにょーんと伸ばしながら、顔を出した。


「なんだ、スライムか。とりあえず行進は継続! 真っ直ぐー進め!」

 

「さて、スライムどもは、バカだからな。何も考えず襲ってくる奴もいる。コイツがどうする気なのか、隊列がやり過ごすまでは警戒だぞ!」

「ハイ!」 


 ヤベェ、蟻の統率が半端ねぇ。

 あとかわいい。

 違う! 可愛さにやられそうになって、体を左右にブルンッブルンッ振る。

 あっ、さらに警戒されちまった。


「コイツ何がしたいんだ? 何故、何もしない。 普通なら通り過ぎるなり、襲ってくるなりするだろう」


 なんてこった。敵意ありません。ってつもりで動かなかったのにそれでも警戒されるのかよ。スライム難かしいな。


 よし、敢えて意味もなく頷いてみる。

 うん、全員、警戒したままだな。

 よし、左右に揺れてみよう。ブルブルブルブル


「本当になんだコイツは!」

「隊長、さっさと片付けましょう!」


 なっ、なんてこと言うんだね、キミは!

 確かに俺か会う生物みんな敵対生物だけど……


 よし、ここは、社交的に手を伸ばして握手だ!

 手は無いけど、伝わるだろ!


 にょーんと手を伸ばしていくと、

 

 チャッ!チャッ!


 おう、銃まで向けられたぜ。

 速攻で手を引っ込め、つい、人間的な感覚でホールドアップしてしまった。

 くそー、今日ほど喋りたいと思ったことは無いぜ。


「なんだ、降参してるのか?」

 おっ、なんかよくわからないが、ホールドアップが降参なのは、全世界共通か?

 いい方向に進みそうだ。

 

「スライムに降参など、理解出来る訳ないだろ! たまたまだ! 警戒を解くなよ!」


 おぉ、スライム超バカにされててウケるんだけど。

 それはともかく、どうしようかな。なんか危機感は無くなったけど、動けないのも困るな。


「隊長、でもこんなずっと降参してるスライムなんか見たことありませんよ? コレは理解してるってことじゃないですか?」


 ここぞとばかりに頷いてみる。


「ほらっ、そうだって言ってるぽくないですか?」

「油断して我らが喰われれば、仲間たちを危険に晒すことになる! 仮に降参だと理解してても、油断する理由にはならん!」


 兵隊ってこんな感じなのか。

 守る人って感じだな。

 蟻だけど。


 突然、空が一瞬暗くなった。

「来た! 蟻喰鳥だ! 急ぐぞ!」


 俺は上を見たら、さっきの鳥と同じような鳥がクルクル回転していた。


 えっ、アイツ蟻喰うの?

 じゃあなんで俺は襲われたんだ?


 鳥は列の先頭の方に降下してきた。突然、蟻達は舞い上がって、鳥に空中で(ついば)まれている。


 アイツ、風を使う感じなのかー、あれっ?さっきも使ってたけど、気づかなかっただけか?

考え事をしていたら、俺の前にいる兵隊蟻が三匹だけが警戒していた。


 流石に三匹なら勝てると思うんだけど、それどころじゃないってことかな。

 あの鳥美味しかったし、蟻も助けられるから、やりますか。


 俺は近くの木に登っていく。

 

「待て、何をする気だ!」

 蟻達がなんか言ってるようだが、もう聞こえない。


「あーあ、また山、遠のいちゃうなー」

 一人呟きながら飛ぶ。今度は、紙飛行機型になり飛行先がある程度コントロール出来た。


 鳥が上昇し始めて、ちょうど俺と十字に交差するところだったが、俺は体を伸ばして翼に粘着液でくっつく。


 鳥はバランスを崩して、下降し始めたと同時に俺に風がぶつかってくる。たぶん鳥の攻撃だと思うが、暴風って感じで風は強いが特にダメージは無い。

 

体が風に煽られて、体がブルブルって震えただけだ。


 落下して地面に追突。

 さっきの奴はと違って鳥が下だったから、重症だ。

 そのままゆっくりと全てを飲み込んだ。


 ふぅ〜。陸地の敵よりは、捕まえれば戦いやすいかもしれないな。

 

 一息ついたら、蟻達に囲まれた。


「なんだお前は! スライムが、何故空を飛んでいる!」


 えぇー、そっちで警戒されちゃうのかよ。

 あわよくば仲良くなろうとしたけど、甘かった……


「待て! お前さっきのスライムだな!」


 おっ、さっきの隊長さんだ。コレは手を挙げたらいけるのでは? そっーと手を挙げてみた。


「なるほど、確かに降参は理解しているようだな! しかし、そうすれば、我々を倒せるとどこがで学んだのでは無いか?」


 疑り深い! 流石、弱肉強食の世界。身に染みるぜ。

 とは言え、降参以外に通じるコミュニケーション方法が無いからどうにも出来ないんだよなー


「隊長! すみませんでした!」


 よくわからないが後ろから駆け足で追いついてきた兵隊が頭を下げている。さっきの三匹の誰かだろうか。


「良い! しかしこのスライムがどうやって空を飛んだか確認したか?」

「はい! このスライムは、木に登って、自分の体を伸ばして飛んでから先程の奇妙な形に変化していました!」


 奇妙な形とはなんだ? いつの話だ?


「聞いても良くわからないが、鳥のように飛んだ訳じゃ無いということだな。それなら、鳥よりは危険度は低いということだな。木に登った際には、問答無用で攻撃せよ!」

「はい!」


 攻撃判断が、個人になってるよ。怖過ぎるだろ。

 まぁ良い。手を挙げたまま、下がれば許してくれるだろう。


「待て!」


 なんか隊列の中央から妙に、デカい羽付きの蟻がやってきた。 あぁ……コレ女王様ですね。オーラ出てますよ。


「はっ!」


 蟻達が一斉に跪いている。正直、また襲われるかもしれないからそんなことしてる場合では無いのでは?と思わなくもない。


「この者が、忌まわしい蟻喰いを葬った者か?」

「そうでございます」


 さっきの隊長が、跪いたまま答えてる。


「スライム殿、礼を言う。 もし良かったらこのまま護衛していただけないだろうか?」

「王っ!」


 護衛蟻達が悲痛な感じで叫んでいる。コレ、護衛の面目潰しちゃった感じになるんだろうか…… それに喋れないのに聞かれても困るな…… いや、答えられたとしても俺の仕事もあるしな〜


「隊長よ、お主達を頼りなしとした訳では無い。蟻喰いの奴は我らとは相性が悪いのだ。 それに我は、こういう時でも無いと他種族を見ることも無い。 可能なら今しばらく、スライム殿を見たいのだ」


 いや、見たいのだ! じゃ無いよ、それ本音漏れてるじゃん。それただの鑑賞動物にしたい発言だよ。まったく。


「女王様、そのような物言いは、スライム殿に失礼かと」


 女王蟻の後ろから着飾った感じの小さい蟻が発言した。やだ、かわいい。女の子って感じのフリフリ着てる。


「確かに! スライム殿すまない。 貴殿に興味があるのは事実だが、護衛のお願いも本音である。 我は、巣の移動中のため、目的地まで、安全に進みたいのだ。 着いてから新しい巣を作り始めるため、数日お待ちいただくことになるが、その後、礼はさせていただく」


 なるほど、なんで女王が?と思ったけど、巣を移動することなんてあるんだ。でも蟻のお礼ってなんだろ? 話したいなー。

 でも念話しか…………ん? 

 念話ってスライム以外とも話せるかな?

 

 そっーーと、体を伸ばす。

 もちろん手は挙げたままだ。

 頼むから刺さないでよ。

  


 出来れば女王より、隊長さんが良いよね。

 ガシャ、ガシャ。

 周りが警戒を始めた。


 隊長さんは、厳しいというより困った顔をしてるが、特に警戒してるように見えない。


 ピタッ。

《俺の声って聞こえます?》

 !?

 隊長さんが、驚愕!って感じでこっちを見てる。

 聞こえたっぽい。

 

《良かった。コレならコミュニケーション取れそうですね。隊長さんは、俺が護衛に着いていったら困りませんか?》


 我に帰ったのか、平静を装っている隊長さんがちょっと面白い。

 

「いや……そんな、ことは無い。」


 あるじゃーん!間が凄いよ、動揺も凄いよ。ふふっ。なんか一気に親近感沸いたわ。


《隊長さん、女王様と話すには、体くっつけないといけないんだけど、不敬だよね? 代わりに話してくれる?》

「あぁ……わか、わかった。」


 どうした、隊長!あのビシッとした隊長はどこにいったんだ!帰ってこーい。


「女王様、このも……ゴホッ、スライム殿が、話したいということで、私が代弁させていただきます」

「何? 隊長、お前スライム殿の言葉がわかると申すか?」

「あっ、いや、わかると言いますか、伝わってきたと言いますか、その、えーっと……」


 うん、隊長さん早く帰ってこないとポンコツのレッテル貼られるな。俺は面白くてしょうがないから見物してたいけど、助けてあげよう。


「隊長さん、触らせてくれるなら、俺は他の方とでも話せますよ」

 

 隊長さんは、再びポカーンとした顔をしたが、すぐ気を取り直してくれた。


「いえ、私がスライム殿の言葉がわかる訳ではなく、スライム殿は、触れている相手となら会話が出来るようです」


「なんですって!?」


 ガヤガヤと周りが物凄く騒がしい。そもそも隊列のかなり前の方も騒いでる気がするが、あっちは良いんだろうか…… 絶対こっちと違う理由で騒いでると思うんだが。


 俺が隊列を前方を眺めてたら、ピタッと俺の体を触れられた感じがて振り向いてると、さっきの小さい蟻がこちらの体を触っていた。


「これで私にもお話して頂けますか?」

 なんだこの可愛い生物は……


「あの……」


 はっ、しまった。今度は俺が隊長状態になっていた。

 ブルッブルッ体を振ると俺も話しかけた。


《はい、大丈夫です。体に触れて良ければお話出来ます》


「お母様! 声が聞こえます」


 おかあさま……? えっと王女様ってこと!?

 おい、隊長! こんな気軽に他種族に触れさせて良いのか? 守れよ! 止めろよ!


「王女様! 危険です!」


 あぁ、やっと隊長帰ってきたわ。


《王女様、隊長さん、とりあえずここで話すのは危なくないですか?》


 この一言で、一斉に蟻達は、動き出したのであった。

面白い話が提供できてるんでしょうか?

自分で書いて、何度も見直してると何が面白いか分からなくなりますね。面白い小説を作ると意気込んで、面白いか分からなくなった。。。切ないですね。

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