誕生
人生で初めて小説書きました。
きっと駄文だと思います。
でも完結まで書きたいと思います。
プロットだけなら面白そうって思って書いてます。
………………
真っ暗だ。
手の感覚もない。
足の感覚もない。
俺は、鷲津 大空。
病気で、もうすぐ死ぬはずだった、頭もボーっとして、苦しい日々だった。
でも何故か今は苦しくない。頭もスッキリしてる。じゃあ元気か?と言われるとよく分からない。これが死ぬ直前の症状の可能性もあるが、その割に元気な気がする。
とにかく動こっ……
(な、な、なんか動けるけど、なんか変な感じだ)
(体を引きずってるのか?)
(でもベッドって広さじゃないな、床なのか?)
分からないが、擦れて痛いみたいな感触もない。
(俺はどうなっちまったんだ)
(ん? あっちに光が見えるな)
…………
(遅い!)
光まで、25メートルくらいしかないのに、全然近づかない。本当になんなんだ。
10分くらい経ったか、ようやく光に近づいた。
近づいたが、周りが照らされてる訳じゃない。
何が光ってるかもわからない。恐る恐る触ってみた。
(おぉっ、ぷるんっ、てしたな)
(うわっ! 急に周りが光り出した)
(本当になんなんだ)
(うぉ)
さっき触れてた光が、やり返すかのようにぶつかってきた。
(これ、生き物か?)
意味がわからない。
そして歩いたせいか急に腹が減ってきた。
そして俺は気づいてしまった。
手の感覚も無い、周りも真っ暗で、手探りですら探せない。
(どうやって飯食うんだ?)
(これ――元気でも終わったんじゃないのか?)
(いや!待て!)
(まだ夢の可能性もある――あるか?)
夢にしては、光を触った感触がリアル過ぎる。
(いかん、自然と現実逃避してる)
(落ち着け、ソラまだ慌てる時間じゃない)
まずこの暗い理由について考える。
目の前に光がなぜ周りを照らさないのか。
(光が問題ではなく目の病気か?)
(それともこの光が特殊なだけで、どっかに閉じ込められてる的な感じか?)
そういえば声も出ない、体はある――感覚的にはあると思う。でも動きは歩いてる気がしない。しかも激遅い。なんか他に動かせる部位はないのか?
(なんか動いっ――えぇ体の中を動かしてる感覚があるんだが……動かして大丈夫なのか?)
(心臓かなんか動かしてないか?)
(大丈夫か俺……死ぬのか?)
(ふぅ、お、落ち着け、俺!)
(こ、混乱するな。大丈夫だ……って何が大丈夫なんだよ!)
(色々考え過ぎだ)
落ち着いてご飯を食べる方法を考える。
ブルンッ。
(なんか降ってきた……)
(俺、何か食ってる?)
感覚的に口を動かしてる訳じゃないし、食べてるって感じがするわけではない。空腹感が満たされていく感覚がする。それにお腹が何かを消化してると感じている。
(何を食べてるのか分からんって――怖過ぎるな。)
突然の環境の変化。
身体の感覚の変化。
目も見えず、何も聞こえず、匂いも感じず、その状態で何がなんだかわからないまま、何かを体が勝手に食べている。
(もう病みそうだ)
消化が終わったと感じた時、体がゾワゾワっとした。
(おぉっ、なんか体がウズウズする)
(なんか変わる予感が――なんもないんかい!)
特に何かが起こることなく、体の反応は落ち着いてしまった。そしてさっきの満腹感が嘘のように無くなってしまった。
(腹減った……さすがに早くないか?)
(まだ一分くらいしか経ってないと思うのだが……)
今度は空腹感のまましばらく経った。
(また何か降ってきた。)
(なにこれ? 誰か教えてー)
(声も出ないんだった)
(うん、知ってた)
また空腹感が満たされると体がゾワゾワとする。
(もう騙されないけどな! どうせこの体はそういうもんなんだろ)
(いや、今度はなんか出そう……)
今度はなんか体の前に何かが、盛り上がる感じがする……。
(あっ、見えっ――た)
目の前に広がる1面水風船。
(凄い数だ)
俺はキョロキョロと見回し、まず一番気になる場所確認した。
(結局、上からは何が?)
天井にも大量の水風船が張り付いている。
(俺もしかしてこの水風船を食った?)
天井から目を離せないでいると前からずっと押される感触がする。
(この水風船は、なんでずっと俺を押してくるんだ?)
改めて間近の水風船を観察する。
水風船みたいだとは思っていたが、目がついている。
押してくるのだから当然だが、動いている。
(なにコレ……初めて見たわ、こんな生き物)
(ちょっと目覚めてから驚き過ぎて、疲れたんだが)
俺にぶつかってくる水風船を見ながら、気づいてしまった。俺がどういう状況なのか……
(これはあれですよね)
(……俺もコレ――水風船なんだな)
(……手とか足とかそりゃ感覚ないよ)
(だって物理的に無いもん)
(そりゃあ声も出ないさー)
(口ないもん)
(ふふっ、ははははははははっ)
状況がわかったことで混乱してきた。こんなことあり得るのか? 夢でないなら何故こんなことになったのか? 何かの罰なのか? 頭がおかしくなりそうだった。
俺がソラって名前だと思っていたのは夢なのか? 前世の記憶か? 俺の頭がイカれたか。
この水風船はスライムで良いのか? ここは現実なのか? 幻を見てるのか? ファンタジーじゃなくて、こんな生物存在するのか?
すぅー……はぁ……
ひとつ深呼吸をして、落ち着く。
(まぁイカれたにしても、転生したとしても、夢じゃない限り、現実を受け入れる努力はしよう)
(なるほど)
目の前のスライムをみると、梅干しの種みたいなのが体内で動いてる。
(さっき体の中で動かしたのはこれだな)
(俺、スライムになったのか――これからどうするべきか)
スライムになったことを受け入れ始めたものの、スライムという生物自体の情報が何もない。
(スライムって確か最弱キャラ扱いだよなぁ)
(アレはゲームの世界でだっけ?)
ゲームの話を聞いたことはあるし、漫画とかでも出てきてたかもしれないが、その程度の知識しかない。それにそもそも聞いたことあるスライムと今この姿――と言っても見えないが、同じ生物なのかもわからない。
(スライムか――順風満帆な生活したとして、何年生きれるんだ?)
(外敵が人間とかになるのは嫌だな……)
せめて他のスライムと意思疎通できると助かるんだが。
話し声は聞こえないから、コミュニケーションは、絶望的なんだろうな。
とりあえず外を見て、もう少し状況を知るべきなんだろうと思う。
(よし、行こう!)
ズルズル、………………
(遅っ! 全然進まねぇ!)
(うぇぇ、ちょっと、なんですか?)
大きいスライム達が、ワラワラと集まって道を塞いでいる。俺より大きい。おそらく大人ってことだろう。
(おい、押すな! せっかく進んだのに!)
(ちょっと!)
……五分くらい頑張って進んだのに、一分で元の場所に戻されてしまった。 どうしようと悩んでいると上の方でズルズルと音がした。天井を見上げると、スライムが黒いの引きずっている。
(なんですかね、アレ)
ボトッ……
(あぁ、なるほど)
他のちびっこスライムに落としてる。
(餌付けってことか。)
(つまり俺に食べさせたのも――アレか?)
天井から落ちてきたのは、小学四、五年生くらいのサイズで、黒くとても大きな羽を持つ何かだった。
(このサイズは異世界ならではか?)
(うっ)
天井から再び俺もプレゼントされた。大きいがコウモリに見える。
今回も食べると体の反応があったが、さっきまでと少し違っていた。体全体がブルブルと震えている。
(おぉー)
俺の体が発光して周りを照らした。何かが変わったような気がするが、何が変わったのかわからない。
(鏡が欲しい……)
俺は周りを見渡してみると、大人スライムと目線が同じになっていた。
(デカくなったのか。つまりこれで俺は成人、成虫、聖獣……まぁ成人になったわけだ)
(すげぇな、産まれてから30分くらいで大人になったってことか)
そして大人になったことで、なんか知識が宿った。これはスライムとしての本能みたいなものだろうか?
さっきの発光は魔力だ。みんなが光ってるのは、体から漏れでる魔力で、俺はこれを魔力視で見ていたようだ。
ただこれは普通の目の状態じゃないから見ないように出来る。それに食事で満足感を感じるのも魔力を吸収しているからみたいだ。
体がフニャフニャと液体で防御力が無いのに、弱点であるコアが丸見えというのは、生物の進化としてあり得るのだろうか?
(まぁまずは魔力を知ろう)
その辺に転がってる石に魔力が含まれているか試すため食べてみる。
ジュワ……
(おぉ、溶ける!)
でも石で満足感は得られなかった。魔力は含まれてないようだ。
(でも石が簡単に溶かせるなら最弱モンスターでは無いんじゃないの――意外と生きていけるのでは?)
(とりあえずウロウロしてみたいけど、さっきの大人達はいつまで行動を止めてくるんだろうか……)
再び出口の方へ進んでみることにした。チラチラッとこちらを見てる気がするけど、今度は集まる気配がない。
(大人になったからOKですかね?)
止められる様子が無いので、そのまま進んでみることにした。
(ふぅー、大丈夫みたいだ。それにしてもここは洞窟で良いのかな?)
俺の後ろにはちびっこ達が集まってる広場があるわけだが、それ以外にも見える範囲でも通路が四か所ほど見える。
いま進んでるこの通路も高さは人が5人くらいは縦に並べそうだ。横も同じくらいだろうか。ただスライム視点と前世の感覚がズレてそうな気もする。
ゆっくりと通路を歩いてるとネズミが横切った。
俺は反射的に手を伸ばそうとすると、体の一部が伸びていく。
シュッ
うん、今度は満腹感を感じた。
(というか体自分で伸ばせるのか)
(じゃあのんびり体を引きずらなくても、二足歩行出来るんじゃないか?)
足を作ろうと下に伸ばそうとするが、何も起こらない。どうやら体を持ち上げる力がないみたいだ。
(ダメか……)
この移動の遅さはどうにも出来ないようだ。諦めて再び歩き出す。暇で周りを眺めているとふと違和感を感じた。
(この洞窟はきれいだな)
洞窟の通路から天井まで、苔が生えている様子も無く、埃もなければ、石がまばらに転がってる程度だった。洞窟にしては、まるで掃除をしているかのような綺麗さだ。
そんなことを考えてると洞窟の出口が見えてきた。
通路も出口に近づくにつれて、狭まっていく。
異世界の外とはどんな所だろうか……
うーん、書いてるとなんか気づいたら筆進むって言い方でいいのかな。これが完結まで続けば良いと思ってます
書き直しました。
会話が無いとテンボが悪いので、今は、本人の思考は()表現です。