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prologue
キラキラ廻る。宙につるされた飾りがゆらゆらと回っている。
お姫様の眠るような天蓋のついたベッドの上で誰かが眠っている。
それを見ている自分自身が誰なのかも忘れて。
静かに寝息を立てながらベッドの真ん中で眠りについている。
天井の明かりに照らされた少女はまさにおとぎ話の眠れる姫のよう。
世界がどうなっているかなんて知りもせず、小さな殻にこもって。
少女が目を覚ますと視点が逆転して、誰かが手を差し伸べている。
煌びやかな服を着たその手の主もまた少女だった。
この場にふさわしくない服装をしたお姫様。
籠の鳥を外に逃がすように、そっとその手は俺の頬に触れた。
第1話は6月6日ごろ予定です。