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聖なる歌声の守護人  作者: 桃花
7.親睦会

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9.気になる(ユリア)

 ベッドの上でゴロゴロと転がりながら、枕を抱いて考え込んだ。

 レイを怒らせてしまったのは、私の言い方のせいだって分かってる。


(でも…しっかり説明してくれないレイも悪いよ…)


 交わる理由が『魔力を抜く為』なら、もしかしたら今後も『仕方なく』交わるのかもしれない。


(…それは…やっぱり嫌だ…)


 でも、ダメだと言ったら…?そしたらレイはまた魔力の暴発が起きてしまうのかもしれない。

 それはレイに苦痛を与えてしまうことになるのかも…。


(…レイが苦しいのも嫌だ…)


 助けるのは私でありたい。そんなことを思いつつ、私の『チカラ』を使うから、絶対にいい顔をしないってこともわかっている。

 多分「それはダメ」って、キッパリ却下されそうだ。


 もう夕方になってしまっている。このままだと眠れそうもないし。それに、せっかくの休みにケンカして会えないのは嫌だ。


 そう思って震える指で、レイに連絡してみたけれど、電話に出てくれることは無かった。


(…無視ですか…。そういうつもりなんだ)


 だんだんイライラしてきた。アスカに繋いでもらおうとしたけれど、まさかのアスカにもつながらないし。


「もう…知らない…!!」


 大きなため息とともにベッドにどさりと倒れ込んだ。


(……とりあえず話はしないとな…)


 枕に顔を埋めて、右手にスマホを握りしめたままで、どちらかからの連絡を待つことにした。


(どうしたら良かったのかな?…もう…分からない)


 そのままの大勢で寝転んでいると、右手のスマホが震えて慌てて飛び起きた。


 着信は『アスカ』からで、何となくホッとしてしまった。


 電話に出ると、アスカは「電話にすぐに出られなくてごめん」と謝ってくれた。


 寧ろ私の方が喧嘩に巻き込んでしまって申し訳無かった。

 レイと喧嘩したことを話すと、アスカは言葉を遮ることもなく、私の拙い説明を聞いてくれた。


「…レイの事知りたかっただけなのに、知ったら知ったで不安になって。…結局怒らせちゃった」


『はぁ…。レイの悪い所だよね?』


 魔力の暴発を止める為の手段なら、今も続いているのかな?って思うよね。そこをまず否定するべきだよ。


『言葉足らずな兄でごめんね』


 私を全肯定してくれるアスカに、ブンブンと縦に首を振った。


「レイが悪い訳じゃないよ?聞かない方がいいって言ったのに、私が話してって言ってしまったから…」


『そっか。うん、分かったよ。家に帰ったらユリアが話したいって言っておくね?』


「アスカ…。ありがとう…」


 まだ家に帰っていないのに。私の着信に気が付いて、かけ直してくれたアスカの優しさにウルっとなった。


『…んっ…あっっ……っと待って…っ!!』


 アスカの甘い声が漏れると同時に電話口を塞がれたのか、音が遠くなった。


(ん??…)


『何するの!?』

『…あまりに綺麗な横顔だったので。食べちゃいたくなりました』


 電話の向こうで聞こえる声は、聞こえにくいけれど絶対にゼルの声だ。


(…え…?…ゼル君何したの?!)


「…ご、ごめんね。すぐに切るね!」


『ユリア!ちょっと切らないで!』


 慌てているアスカの隣でクスクスと、可愛い笑い声はやっぱりゼル君だ。


『とりあえず、レイにはすぐ折り返すように言うから待っててね!』


「あ…。う、うん!!待ってる!」


『怒ってるアスカさんも綺麗ですね』


 私とアスカの会話の途中で、ちょいちょいゼル君の明るい声が聞こえてくる。


『ごめん、ユリア!気にしないで。じゃあ、また学校で!!』


 いきなりブツっと電話が切れてしまったから、スマホを手に固まってしまった。


「…うん…?」


(アスカとゼル君一緒にいるんだ…。そうなんだ)


 色々と情報量が多い電話だった。なんて思いながら、もう一度ベッドに寝転んだ。

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