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第3話 漫画

 私、南栗橋綾乃は都内の中小企業で働くOLだ。

 今日も今日とてテレワークを満喫する!


 とはいっても――


 この前も酷い目にあったからなあ。

 まさかお腹いっぱいになって爆睡をキメてしまうとは……。

 また徹夜で仕事をする羽目になっちゃったから、今度から気をつけないと。


 よし、今日はそれなりに業務も多いし、真面目に仕事しよう!

 なんて偉いんだろう私は!

 (※それが普通です)


 というわけで私は業務用パソコンに向かった。

 

 ――パソコンカタカタすること3分後――


 あっ、部屋の汚れが気になるなあ。

 最後に掃除機かけたのいつだっけ?


 それに洗濯物も溜まってる……。

 そろそろ洗わないと下着のストックが無くなっちゃうよ。


 ……よし、掃除と洗濯だけやろう!

 業務中だけど遊びじゃなくて家事だからいいよね!

 (※ダメです)


 そうと決まれば洗濯物を洗濯機に放り込んで……スイッチオン!


 待っている間に部屋の掃除だ!

 くう、時間の使い方が上手いな私! さすが社会人!

 (※黙れ)


 床に散乱した漫画を本棚に戻して……そして掃除機を……


 ――ところがここで、本棚のある物が目に留まった――


 あっ、高校の時の卒業アルバム!

 懐かしいなあ、実家から引っ越すとき持ってきたんだっけ。

 どれどれ……


 ――現実逃避のための不毛な過去回想中、しばらくお待ちください――


 当然だけどみんな若いなあ。

 私もこの頃は責任感の欠片もない子供だったし。

 (※今もだろ)


 でもテスト勉強中に限って部屋の掃除とかやり始めちゃうところは今も変わってないか、ふふふ……。


 ――ピーッピーッピーッ――


 あっ、洗濯できた。

 よーし、さっさと洗濯掃除終わらせて、仕事に戻ろう!


 

 ――洗濯物干し完了――


 ――掃除完了――



 さあ、真面目に仕事しよう!

 私はデキる社会人だもんね!


 ――ピンポーン――


 あれ? チャイムが鳴った。誰だろう?

 

「ヤ〇ト運輸でーす。お荷物お届けに参りましたー」


「あっ、はーい」


 ふっふっふ、宅配便が平日の午前中に受け取れちゃうのもテレワークの醍醐味だよね。

 ……ところでなにが届いたんだろう?


 ――荷物受け取り、段ボールパカッ!――


 こ、これは……スラ〇ダンク全巻セット!

 なんで⁉ どうして⁉ ずっと読みたいなと思っていたけどいつ注文したっけ⁉


 私は必死で記憶を呼び起こす。


 そ、そういえば……この前酔った勢いでついポチってしまった気が……

 お酒って怖いな……


 ま、いいや。

 ずっと読みたかったしこれもいい機会だ。

 さっそく読もうっと!


 ……うっ!


 そういや今日全然仕事に手を付けていない。

 それなりの量があるからこれ以上サボったら定時内に終わらないぞ……。


 スラム〇ンクか仕事、果たしてどちらをとればいいんだ……。


 ……よし!


 ちょっとだけスラ〇ダンクを読んでから仕事をしよう!

 そうじゃなきゃ気になって仕事に集中できないもんね!

 デキる社会人はそういう効率面も大切にするもんだよ!


 こうして私はスラム〇ンクに手を伸ばす。


 一巻だけ……一巻だけだから……



 その後の展開はお察しの通り。

 またしても徹夜で仕事をかたづける羽目になった私に、安〇先生の『諦めたらそこで試合終了ですよ』という名言が強く響いたのだった。

 めでたしめでたし。


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