第2話 アニメ鑑賞
私、南栗橋綾乃は都内の中小企業で働くOLだ。
毎日満員電車に揺られて通勤していたが、未知なるウイルスの脅威により、弊社でもテレワークが導入された。やったぜ!
だから私は今日もテレワークを満喫する!
とはいっても――
この前は酷い目にあったなあ……。
テレワーク初日でテンションが爆上がりした私は、つい羽目を外しすぎて酔い潰れるまでお酒を飲んでしまったのだ。
おかげで業務依頼のメールにまったく気付かず徹夜して仕事を仕上げることに。
あの時は本当に大変だった……。
さすがにもうあんなことはこりごりだ。
今後ないようにしよう。
というわけで今日は……
――コーラ、ドン!――
――アマ〇ンプライム、ポチ!――
ジュースでも飲みながらゆっくりのんびりアニメを見よう!!!
これくらいのサボりなら仕事に影響は出ない!!!
さーてなに見ようかな?
適当に物色したのち、女の子達がゆるくキャンプをする日常系アニメを選んだ。
こういう穏やかなアニメがいいんだよ。
――アニメ鑑賞開始――
いやーそれにしても私、お酒飲まずにジュースで我慢するなんて、謙虚だなあ。
(※この人は業務中です)
遊び方もアニメ鑑賞と大人しいし。
(※この人は業務中です)
私、社会人の鑑かもしれないなあ。
(※いいえ、クズです)
のんびり見ていると、アニメの女の子が大自然の中カレーヌードルを食べ始めた。
美味しそうだなあ……。
あっ、そういやうちにもカレーヌードルあったかも!
アニメを一時停止、私は戸棚へと向かった。
――ガサゴソ――
おっ、あった!
カレーヌードル発見!
私はすぐにポットのお湯を注いだ。
――3分後――
よし、完成!
カレーヌードルをテレビの前まで持っていき、アニメを見ながら啜る。
アニメの女の子と一緒に食べてるような気分になるなあ。
……ふっ。
大自然の中で食べるカレーヌードルはさぞかし美味いだろうけど、
仕事をサボって業務中に食べるカレーヌードルには敵うまい!!!
ああ、すごい優越感。
仕事をサボって食べていることを思うと、カレーヌードルも高級レストラン級の味になる。
やっぱりテレワークって、最高だなあ。
――食後――
ふわあーあ、お腹いっぱいになったら眠くなってきた。
ちょっとだけ仮眠しようかな……ちょっとだけ……
(※その後は第1話のオチを再現することになりましたとさ。めでたしめでたし)