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転生妖狐はご主人様にモフられております  作者: 狼メダカ໒꒱⋆͛
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記憶の夢

(ここは…?)


思い出せないけど、とても見慣れているような景色。


「あ、やば!莉奈!急ぐよ!」


誰かが慌てながら私の名前呼んだ。


(え?莉奈って…わたしのこと?)


ブオォォォォォン!!!!


トラックが猛スピードで赤信号の交差点を走っている。


「あたっ!!」


日向は横断歩道の途中で転けてしまった。


「あっ!日向!危ない!」


私は手に持っていたもの投げ捨てて慌てて日向の元まで向かった。


ドンっ………………………………………………!!



「はっ…!ゆ、夢…?」


私は慌てて目を覚ました。顔には何故か涙が流れている。


(えっと?私は莉奈?)


「そうだ!日向!日向はどこ?!」


私はそう叫びながら名前しか分からない誰かのこと探し出そうとした。


「んっ…おはようございます…って…大丈夫ですか⁈何かありましたか⁈」


エルミが慌てながら心配そうに聞いてくる。その声で、私は少し正気を取り戻す。


「い、いえ、なんでも…」


そう自分で言うが、私の顔は涙でぐしょぐしょになっていて、全く誤魔化せていない。

すると、エルミが私を抱きしめ背中を撫で始めた。


「怖い夢でも見ましたか?私にはこれぐらいしか思い付きませんが、少しは落ち着くと思います」


エルミが優しくそう言ってくれる。おかげで、私の心はだんだんと落ち着いてきた。


「ありがとうこざいます…おかげでかなり落ち着きました」

「よかったですわ…」


私が泣き止むと、


「あと、私、少し思い出したかもしれません」

「そうなんですか!どんなことですの?」

「私の名前…リナ、です」

「リナですわね、今度からそう呼ばせていただ」

「はい」


私は、しばらくの間エルミの暖かさを感じていた。



********************



「はい、あーん」

「あ、あーん」


エルミが朝食を持ってきたのだが、また食べ(あーん)させてもらっていた。


「どうですか?」

「ん、美味しいです」

「良かったですわ。はい、こちらどうぞ」


それから、お腹いっぱいになるくらい食べさせてもらった。


「それでは、これから私は稽古を行うのですが、一緒に来ますか?」

「着いて行きます」


そう言うと、私はエルミに抱きかかえられて、外へと連れて行かれる。

なんだか、口の中が変な感じがし、少し気持ち悪い感じがして、何かいつもと違うようなことがあるような気がした。




「おはようございます、お嬢様」


庭に出ると、そこには男性と間違えそうな凛々しい顔立ちをした、麗人のような黒髪の女性がおり、胸に手を当てて、エルミに挨拶をしてくる。


「おはよう、システィ。今日は何をするの?」

「そろそろ頃合かと思いまして、本日は私と模擬戦して頂こうと思います」

「私の剣では、まだ全くシスティには届いてないのだけれど…」

「そこは、手加減致しますのでご安心を。とはいえ、基本は大事ですので、まずはいつも通り素振りから始めますよ」


そう言って二人は木剣を手に持ち、素振りを始め出す。




「では、今日はこれで終わりです。お疲れ様でした」

「はぁはぁ、ありがとう、ございました」


昼頃に稽古は終わった。

私は最初は素振りをしている姿を興奮して見ていた。ただ、ずっと剣を振り続ける姿にはだんだん飽きてくる。しかし、模擬戦は凄かった。人とは思えないほどの速さの攻防を行っていた。

エルミは沢山の汗をかいており、地面に座り込んで呼吸を整えている。それに対して、システィさんは呼吸を整えるどころか、汗を全くかいている様に見えない。


「ふぅ、では部屋に戻りましょうか。リナ」

「コーン」


呼吸の整ったエルミは立ち上がり、私を呼ぶ。システィさんがまだ近くにいるため、普通の狐のフリをして返事をする。だが、、システィさんは私をじっと見てくるので、怪しまれてるのかと思い、エルミの元に行きづらい。


「それでは、また今度」


そう言って、歩き出すエルミを早足で追いかける。


「モフモフ…いいな…」

ここまで連日投稿しましたが、次話からは数日に1回のちょい不定期投稿になります

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