私の毛並みってそんなに良いものなのかな?
「お父様にも許可が貰えましたわね!」
「うん、私嬉しいです」
エルミのお父さん怖かったけど…
「さて、とりあえず私が飼うことには決まりましたが、まずは寝る場所が必要になりますわね…一緒に…ここで寝ますか?」
「え⁈でも、迷惑じゃないかなぁ…?」
「いえいえ!そんなことありませんわ!とても最高の触り心地でずっと抱きしめていたいくらいなんですもの!あぁ、あぁ、こんなこと言い始めたら触りたくなってしまいましたわー!」
「はっ、はい!どうぞ!」
そう言った瞬間ぎゅーーっとエルミに抱きしめられ、モフられ始めました。
「きゃっ!!んんっ、はうぅ…」
「もう…本当に素晴らしい毛並みですわぁ…」
エルミは私をモフりながらうっとりしています。
(つい流れで「どうぞ」って言っちゃったけど…びっくりして変な声出しちゃったよぉ…恥ずかしぃ…)
「はっ!わ、私またやってしまいましたわ!本当に申し訳ありません!」
「い、いえ!大丈夫です!」
エルミは慌てて謝ってきました…私のことは離さないけど…
「えっと…とりあえず、私と一緒に寝ることで…いいですわね?」
「はい…大丈夫です…」
う〜ん、私の毛並みってそんなに良いのかなぁ?自分で触れないから全然分からないなぁ…
「うふふ♪まずは、ブラッシングをさせてもらいますね」
(え…まずはってことは…)
その後、エルミに色々お世話してもらいました。人には言えないあんなところまでお世話されて、私の顔は煙出しそうな程赤くなっていると思う。エルミは別の意味にで顔が赤くなっていた。
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〜side ??? 〜
「さっき転生させた子のこと見てみよーっと♪」
そう楽しそうに呟く人影があった。
「ユン・デリオ・フリス・クォン・ツビシ・シテル・ホロ・ヘキユオン」
人影がそう唱えると水晶に何かが映しだされた。
「あら…?さっき転生させたばかりなのに、なんで莉奈さん傷だらけなのかしら…もしかして…転生失敗しちゃったかしら⁈」
とても慌てているようだが、転生に失敗すると、なんらか異常が起こってしまうらしいのでとても重要なことだ。
「ヘン・フクス・エトロ・フィグン・スチュロ・ヘキユオン」
そう唱えると今度は水晶が激しく光り出した。
「え…記憶喪失と異常なステータスと魔眼ですって…これは大変なことになってるわ…」
人影は水晶に移る妖狐こと夢坂莉奈のことを心配そうに見つめていた…