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初めて服を買う

 僕は、()めておいたお小遣いを握りしめて、家の近くにある服屋に向かった。そこは、全国的にも展開している服屋で僕でも知っているほどである。


 「いらっしゃいませ。」


 店内に入ると、そこには多くのお客さんがいた。今日は、土曜日であるため賑わっているのだろう。


 一人で洋服を買うなんて初めてだ。いつもは、お母さんが僕の体型に合った服を買ってきていたため、服屋に行くのも久しぶりである。


「やばい、よくわからない、、」


「あれ?ここはレディースの服だ。メンズはどこだ?」


 僕のような服屋素人にとっては、店内が迷路のようだ。そもそも、お洒落な服ってなんだ。服屋に来たわいいけれども、どれがお洒落なのか全くわからない。


「この服似合うかなぁ〜」


「ん〜、亜美(あみ)はこっちがいいよ〜!」


「それもいいと思ったんだけどねぇ。値段がねぇ」


隣でカップルと思われる男女が服を選んでいる。羨ましい。羨ましすぎるぞそこのカップル。僕は生まれてこの方彼女が出来たことがないのに。そもそも女子とも喋れないのに。


「クスクスクス。」


「ん?」


あれ?もしかして笑われた?いや気のせいかなぁ。


あたりを見渡すとみんなお洒落な気がする。やはり、服屋に来る人はお洒落に興味がある人が多いのか。それに比べて僕は、穴の空いたジャージを着ている。流石に、服屋で穴の空いたジャージはまずかったかな。なんか恥ずかしくなってきた。服装で恥ずかしいと思ったのは初めてだ。


 「あ!ここがメンズ売り場か。」


 やっとの思いで、メンズ売り場を見つけることができたのだが、どれが僕に似合うのか全くわからない。恥ずかしいのも承知でお母さんと来ればよかったかな。


 ん〜どれにしよう。服って結構いい値段するんだなぁ。今まで自分で買ったことなかったため気づかなかった。


 もうすでに同じところを何周しただろうか。優柔不断の性格とファッションに(うと)いのが重なって全く決められない。どうしたものか。もう諦めるか。


「お客様、どのような服をお探しでしょうか。」


「え?僕?」


「はい、」


 穴あきジャージの人が同じところをぐるぐる周っていて怪しいと思い、話しかけたのだろう。


 ん〜どのような服って、それがわかれば苦労してないのだが、、


「ん〜、えっと、えっと」


「こちらのマネキンが来ている服はいかがでしょうか。これは、今若者の間でトレンドとなっておりまして、非常に人気がありますよ。」


 あっ!そうか!お洒落な服は流行(はや)りの服を着ればいいんだ。


「そちらのマネキンの服のセット下さい!」

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