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「ねえ二人とも! こっち来てみなさいよ!」
休憩中、少し興奮気味に紅ネェが小走りでやってきた。
「なにお姉ちゃん、お店は?」
「いいから、すんごい可愛い子がいるんだって。外国のお姫様みたいなドレス着てんのよ!」
「「!?」」
すぐに一人の少女の姿が思い浮かんだ。
「まさか!?」
声に出しつつも、アイツなんだろうなーとほぼ確信を持ちつつ外に出てみると――
「なんじゃこれは!?」
ラビリスがジュースの自販機の前ではしゃいでいた。
「ラビリス!」
「おお、天太! これを見よ!」
自販機を指さしている。
別の世界から来たなんて言ってるあたり、こういうのが珍しいのか?
「それは自動販売機ってやつで――」
「そんなことは知っておるわ」
知ってんのかよ。
「なぜ三台も置いてあるのじゃ!?」
そこ? 驚いてるとこそこなんだ?
見ればラビリスはドレスのままなのに、後ろに立つセリカさんと紗矢さんは、SPよろしく黒スーツに着替えていた。
「姫様、この国では常に電気を生産していますので、常時複数台の稼働が可能なのです」
「なんと! なぜその技術を我が国でも生かさぬ?」
「残念ながら開発資源の確保が容易ではなく、また技術者も育っておりません」
「……ぬぅ」
こいつらは何を言ってるんだ。
「ちょっとあんたたち! 店の前で目立たないでよ!」
羽沙の注意。
特にラビリスが目立っている。スマホで写真を撮ってる人もいるくらいだ。
大人二人が着替えてんなら、ラビリスも着替えさせてこいよ……
「ごめんねー羽沙ちゃん。姫様がどうしても天太君のバイトを見に行きたいって言うからさー……羽沙ちゃんもバイトしてんの? 二人で? 仲いいなー」
茶化す紗矢さんに「いいからこっちこい!」と怒鳴りながら羽沙は三人を自宅の玄関へと連れて行った。
「二人の知り合いなの?」
「知り合いと言うかなんというか……」
紅ネェに微妙な返事を残し、俺も羽沙たちを追った。
「ここは羽沙の家なのか?」
「そうよ。っていうかさ、よくウチがわかったわね」
居間に通されたラビリスは珍しそうにキョロキョロ室内を見ている。
「何かあればここに連絡をしろと言われていたからな」
セリカさんが店の住所と電話番号が書かれたメモを見せる。
「……天太、あんたね」
「いや、何かあった時に連絡できないのは困るだろ?」
異世界人に住所を渡してもわかるんだろうかと少し心配だったが、しっかり来てるし漢字も読めるようだ。
「あの自動販売機は羽沙の物なのか?」
ラビリスが純粋な眼差しを向けている。
「んなわけないじゃん。あれはレンタルしてるだけで、ウチの店の機械じゃない」
「……つまり?」
説明を求められたセリカさんは「少し長くなりますので説明は後ほど」と、この場での説明を省いた。
「羽沙が富豪の娘じゃったとはのぉ。やはり人は見かけによらんもんじゃな」
「いえ、あの姫様。そういうわけではなく」
しかしあまりの勘違いに、セリカさんがラビリスに説明を始めてしまった。
仕方なく紗矢さんが俺たちの相手をしてくれた。
「私たちの国では自動販売機はものすごく高級品なのよ。稼働させるために、これまた高級品の魔法石を何個も用意しなきゃだし、中の商品もこっちの世界から仕入れなきゃだからさ」
俺たちからしても自販機は高額な物なんだけど、もう何からツッコんでいいのか考えるのが面倒だ。
スルーで。
「ウチはお金持ちじゃないけどさ。あたしが見かけによらないってところがすっごく引っ掛かるわ」
「子供の言うことだ、気にすんな」
変なことで揉め始めたらそれこそ面倒だ。我慢しろ。
「ねえちょっとあんたたち」
すると店番はどうしたのか、紅ネェがやってきた。
「私の代わりに店に出ててよ」
「はあ? なに言ってんの?」
「その子、めっちゃ可愛いじゃん。ちょっとでいいからお話させてよ」
言いながらエプロンを外して座ってしまった。
店番に戻る気はないらしい。
「マジで急になんなの? お姉ちゃんには関係ないじゃない」
「ほら早く行って。お客さん待ってるかもよ」
「……ウソでしょ、信じらんない」
姉が動かないと悟った羽沙は急いで店の方に駆けていってしまった。
ここらへんはしっかりと店屋の娘だな。
「天太も。この子たちはちゃんとおもてなししとくから」
「……大丈夫なのかよ?」
不安しかないが、早く行けと強引に追い出され、仕方なく俺も店番にまわった。
■ ■ ■ ■ ■
「わざと二人を席から外したな?」
「あ、バレた?」
セリカの問いに紅音はすぐに白状した。
「つまり、これからあの二人には聞かれたくない話をすると同時に、貴女は我々をある程度知ってるわけか」
「やー、鋭いわ。でもあなたたちのことは知らないのよ。ほんとに」
「だというのに、わらわたちに話があるのか?」
「…………」
ラビリスの表情の変化に紅音は驚いた。
さっきまで普通の子供にしか見えなかったのに、真っ直ぐ向けられる瞳はまるで大人の様だ。
それに合わせるように紅音も真顔になり、三人を見る。
「あなたたち、エステニアって国から来たの?」
「「「!?」」」
三人が驚きの表情を見せた。
「なぜ貴女がその国名を? まさかエステニアの派遣員と通じているのか?」
セリカが警戒態勢をとったのを見て紅音は慌てて否定した。
「いやいや、そうじゃなくて、そこの王子様って人と会ったことがあるのね。その人とあなたたちの雰囲気が似てたからそう思っただけ」
「なんと! アステア王子と会ったことがあるのか!?」
「……まあ、ね」
声音を沈ませた紅音に、あまり良い話ではないとラビリスたちは察した。
四人は軽く自己紹介を済ませ、紅音が見せたいものがあると、手のひらサイズの小さな小箱を持ってきた。
蓋を開けると、中には白銀の装飾が施されたブルーサファイアのブローチが入っていた。
「……これは」
ブローチを見てセリカと紗矢が目を見開く。
「おぬしら、コレを知っておるのか?」
ラビリスの問いにセリカが答える。
「これはエステニア国宝の一つ、ストゥニールの宝玉です。なぜこれがここに?」
三人の視線を受け、やっぱり貴重な物だったと紅音は苦笑した。
「あれ? でもこの宝玉って本来はレッドサファイアでしたよね?」
紅音の言葉を待たずに紗矢が疑問を口にする。
「そうだ。それが青くなっているということは……」
セリカはすぐにその意味を理解した。
「お前たちだけで話を進めるでない。わらわにもわかるように説明してくれ」
「はい。ですがまず確かめたいことが。どうして貴女がこれを持っているのだ?」
「……コレはあの人が天太に残していった物よ」
紅音は静かに事情を話し始めた。
紅音とアステア王子が出会ったのは四年前。
きっかけは天太の父親の事故死だった。
季節は冬。
当時、日本の雪山で心身の修行と称して山籠もりを始めたアステア。
偶然にもアステアが選んだ山で遭難事故が発生し、救助隊が編成され、そこに天太の父親も加わっていた。
遭難者は三人。幸運にも初日の内に三人とも救助することができた。
だが、救助の際にある事が起きた。
複数の隊員が一人で山奥に向かう少年を見たのだ。
その少年がアステアであり、天太の父親も彼の姿を確認していた。
当然救助隊は危険だからと彼に声を掛ける。
しかしアステアはそのまま山奥に消えてしまった。
天太の父親を含む数人の隊員がアステアを連れ戻そうと、彼を追いかけた直後に事故が起こった。
あまり距離が離れていなかった為に、すぐに追いかければ呼び止められるかもしれないと急いでしまったからかもしれない。
天太の父親が足を滑らせ滑落。そのまま、帰らぬ人となった。
「おじさんは正義感の強い人でさ。災害派遣とか色んなところで救助活動をやってたのよ」
うーむとラビリスが腕を組む。
「アステア王子はなぜこっちの世界で修行なぞしておったのじゃ? エステニアにも雪山はあるではないか」
その疑問に紗矢が答える。
「四年前って、確かエステニアの山に魔物の群れが住み着いて騒いでた時じゃなかったでしたっけ? 姫様はまだお子様だったから、そういう話は聞かされてなかったかも」
確かにそうだったとセリカも頷いた。
「我が国にも注意せよとの知らせが届いていたな。幸い、群れ自体は小さくすぐに討伐されたようだが、もしその山が修行の場として使われていたのなら、似たような環境のこの世界の山に場を移そうと考えても不思議ではない。
エステニア独自の秘匿魔法もあると聞く。他国の山を借りるくらいなら、こちらの世界での修行のほうが都合がいいのだろう」
「……魔物とか、そういうのがいるんだ」
現実離れした単語に紅音は引いたが、ラビリスは当然じゃと頷いた。
「しかしそんな騒動の最中にこっちの世界に飛んでまで修行せんでもよかろうに」
「かの国では十五歳を迎えた男は、雪山での過酷な鍛錬が義務付けられています。それを止めてまで警戒するほどの騒ぎではなかったのでしょう」
「次期国王候補ですからねぇ。平民ならいざ知らず、王子の鍛錬の予定を変更するとなると色々あるんですよ」
それでも魔物討伐が終わってからでいいじゃないか? とラビリスは思ったが、他所の国の掟だしここでとやかく言う事でもないと納得しておいた。
「この宝玉がここにあるということは、鍛錬を終えた王子が持ってきた、ということでいいのか?」
セリカの問いに頷く紅音。
「おじさんが亡くなって色々あってさ……それでも天太の気持ちが少しは落ち着いてきたかなって時に、あの人が現れたのよ」
救助隊が雪山で少年を見たことは公表されていない。遭難届も出ておらず、救助隊全員が確認したわけでもない。後の捜索でも少年らしき遺体は発見されなかった。
だから幻覚を見たのではないかと言う者もいた。
紅音が知っているのは、天太の父親の葬儀に来ていた同じ救助隊にいた隊員から話を聞いていたからだ。
「幻覚ではなく、本当に少年はいたんだ」
隊員の男は何度も必死に訴えていた。
疑うわけじゃない。けれど、信じることもできないまま過ごしていた時、突然アステアが訪ねてきた。
「あの人の話を聞いたお父さんたちは本気で怒っちゃって、ろくに話を聞かないまま帰れの一点張りだったわ」
「王子はなんと話していたのじゃ?」
「自分は別の世界から来て、鍛錬の為に山に籠っていた。魔法を使って人払いをしていたから、誰にも見つけられない状態だった。けど、近くで人が集まっているのが気になって見に行ったら見つかってしまい、声を掛けられ慌てて隠れた。
その後、誰かが斜面に落ちて亡くなったと知り、調べたらどうやら自分のせいかもしれないと思いやってきた。そんな感じのことを言ってたわ。ふざけてるとしか思えないわよ」
「なんと……正直に事実を申されたのか」
「責任を感じてたからこそ、信じてもらえないとわかっていても本当の事を話したかったんじゃないですかね?」
紗矢の言葉にうーむとラビリスが唸る。
「いや待て。調べたと言うたが、王子はどうやって調べたのじゃ?」
その問いにセリカが答える。
「エステニアの派遣員もこの国に居ます。彼らに頼んで情報を得たのでしょう」
王子がいるのに護衛がいないなんて考えられない。
鍛錬は一人で行わなければならないかもしれないが、護衛が王子の下山を待っていたはずだ。
「彼の他にも三人の男の人がいたわよ。あなたたちみたいに黒いスーツだったし、このブローチを私に渡そうとしてる時はかなり揉めてたわ」
それはそうだろう。
なんといっても国宝だ。簡単に譲っていい物ではない。
「しかし実際に宝玉はここにある。紅音が王子の話を聞いてやったのか?」
ラビリスは興味深そうにブローチを見ている。
「なんでだろうね。私も最初はふざけんなって思ってたんだけど……もの凄く真剣でさ、別の世界とか魔法とか、本気でこの人は言ってるんだなーって思っちゃって、話だけは聞いてみたんだけど……
だからってそれを天太に伝えて、コレを渡すなんてことできないよ」
「話を聞いてあげたうえに、渡された物を大事にもってるだけでも大したもんですよ。私が紅音さんの立場だったら相手をボコボコにしてますね」
紗矢がグッと拳を握る。
「おい、相手はエステニアの王子だぞ」
「だから紅音さんの立場だったらって話です」
こいつはどんな立場でも殴ってただろうなとセリカは内心呟いた。
「それで、天太に見せられんかった物をなぜわらわたちに見せたのじゃ?」
「宝石の色が預かった時と違うのよ。気づいたのは最近だけど、なんか気味悪くてさ。三人を見たとき、アステア君と同じところから来た人かもしれないって思って話してみたの。違ったら謝ろうと思ってたんだけど、そうでもないみたいだし、色が変わった理由も知ってるんでしょ?」
先のセリカと紗矢の反応を紅音は見逃していない。
「宝玉の変色は……災厄が訪れる兆しです」
紗矢の言葉に一瞬ポカンと間を置き、
「……災厄って……え? どゆこと?」
紅音は訊きなおした。
次にセリカが答える。
「まず知っておいてほしいのは、ストゥニールの宝玉は個人を護る為の物だ。だからコレは所有者のみを対象として効力を発揮する」
「……ってことは、私?」
紅音は自分を指さしたが、セリカは首を振る。
「持ち主が所有者という単純な物ではない。
アステア王子が天太にと渡したものなら、所有者は天太であり、災厄の知らせは彼に向けたものとなる」
「ちょ……ちょっと待ってよ。私が持ってるのに天太に反応して、しかもこれから起こるかもしれない悪い事を事前に察知してるっていうの?」
三人の表情から冗談を言ってるとは思えないが、簡単に信じることもできない。
「魔法が存在しないこちらの世界では疑わしいだろうが、事実だ」
「ほん……とに?」
「嘘をついてもしかたなかろう?」
思わず紅音はラビリスに視線を向けてしまったが、ラビリスは迷いなく肯定した。
「いやー……あはは……えーと、どうしよう」
まさかの回答に紅音は混乱した。
ずっとしまっていたから変色したとか、時間が経つと色が変わる鉱石だとか、その程度の回答を予想していたのに、予想外すぎて反応に困る。
「しかし災厄と言うてもどの程度のものなのじゃ?」
ラビリスの問いにセリカは、
「生命の危機を知らせるものだと聞いています。ですから、彼に何かしらの命の危機が迫っていると考えてよいでしょう」
「一大事じゃな」
眉間に皺を寄せる二人。
(……信じられないんだけど、本当なの?)
紅音は戸惑う。
本当だと言われてもやっぱり信じられないが、弟のように大切にしている天太に命の危険が迫っていると言われて平常ではいられない。
「ちなみに、この場合の危機って突発的な事故じゃないですよ。そんなの事前に知らされても防ぎようがないですから」
紗矢の捕捉にラビリスが、
「つまり事前に注意しておれば防げるということじゃな」
「もちろんです。そもそも絶対に防げない現象に宝玉は反応しませんから」
「せんのか?」
「こうして反応してるってことは、確実に天太君に危険が迫ってるということですが、防ぐことも可能というわけです」
「……なるほど」
細い腕を組んで考え込む。
「……嘘でしょ……なんであの子が」
これが三人から持ち掛けられた話ならまず信じない。
そんな馬鹿なと一蹴して、訪問販売業者並みに警戒する。
だが彼女たちは自分の質問に答えているだけで、宝石の存在にすら驚いていた。
自分が信じられないという理由以外に、ラビリスたちからの反応で疑う要素がない。
「紅音よ、そう気を落とすでない。偶然にも……いや、わらわたちが天太の元へ来たのは必然じゃったのかもしれんな」
「姫様……もしや」
ラビリスの言わんとしてることにセリカが困惑する。
「わらわたちで天太を護ってやればよかろう? おぬしたちは宝具を与えられた我が国の精鋭じゃ。災厄なぞ怖くもないわ」
やはりか、とセリカはラビリスに向き直った。
「非情を承知で言わせていただきます。姫様、我々にはあまり時間が――」
「天太を放っておけというのか!?」
「そうではありません。ですが今回ばかりは姫様の事情を最優先にすべきです。天太が無理ならば、早く他の男を探して行動するべきです」
「その天太に何かあったらどうするつもりじゃ!?」
「彼には我々と共に行動してもらいます。それならば護ることも可能です」
「それであやつは納得すると思うか?」
「させます」
セリカが剣に手を添える。
「……脅しはいかんぞ?」
「あ、私、超いいこと思いついちゃった」
そこで紗矢がポンッと手を打った。
「姫様が天太君を助けて惚れさせればいいんですよ。好きな相手なら天太君もそれなりの気持ちでキスしてくれるだろうし、一石二鳥です!」
「超いいなそれ!」
「……そんな簡単にいくとは思えんが」
セリカの不安に紗矢が反論する。
「天太君はバァバの魔法で選ばれた人です。見切りをつけるには早すぎると思いますけど?」
「それはそうだが」
「あの……」
真面目な話をしてると思ったら、キスだの惚れさせるだの、紅音はまったく話についていけない。
「悪いんだけど全然話が見えないわ。天太とキスするってどういうこと?」
「そうじゃな、紅音にも話しておこうかの」
そこに紗矢が付け加える。
「お父さんは残念ですが、天太君のお母さんとも仲良くなっておいたほうがいいですね。家にはいらっしゃらなかったみたいですけど、どこにいるんですか?」
「……おばさんは、おじさんが亡くなる前の年に病気で亡くなってるわ」
「「「…………」」」
三人の口から次の言葉が出てこない。
リビングに飾られてあった写真。
どうして天太の幼い頃のものしかないのか、理由がわかった。
もう撮れないのだ。
今の天太の姿で両親と写真に写ることは叶わないのだ。
「あの子は家から出たがらなかったけど、中学生の子を一人にするわけにもいかないじゃない。だからね、あの子が高校に入るまではってことで、私と羽沙が天太の家で一緒に暮らしてたのよ」
それが二年前までの事。
「なるほど、羽沙が言っていたことにはそういう事情があったのか」
セリカが頷き、
「まあ、そういうことだから」
紅音は寂しそうに微笑み返した。
その後、三人が来た経緯について、紅音はただ驚くしかなかった。
ただ一点、ラビリスたち三人は紅音に伝えていない疑問がある。
なぜアステア王子は宝玉を天太にと渡し、紅音にその効力を教えなかったのか?
用途がわからなければただの宝石に過ぎない代物だ。
それにまるで、後に天太の身に災厄が降りかかると予見しているようではないか。
国宝を譲渡するだけの理由は何なのか?
紅音を不安がらせるだけなので口には出さなかったが、王子の行動理由が謎のままだった。