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6 兄妹と大神官

ログアウトをした日の19:00・・・

学校から帰ってきた二人は、それぞれすぐさま夕飯を食べ、風呂に入り自室へと向かった。


「グロリアオンラインやりたすぎて今日学校で全然集中できなかったよ~。」


「ちゃんと勉強してないと高校いけなくなっちゃうぞ~。」

そう言いつつ、自分も楽しみすぎて今日の授業に集中できていなかったのを思いだした。


「さっさとログインするぞ。おっ先~」

ベッドに寝転び、VRゴーグルをかぶって目を閉じた。




◇ ◇ ◇




目を開けると街の広場の噴水の前にいた。しかし、明らかに昨日と街の様子が違う。歩いているプレイヤーの装備が明らかに強そうなのだ。中には剣ではなく、杖や短剣を持っている者もいた。


「私たちが学校行ってる間に、なんかすごく出遅れちゃったみたいだね~」


「ファイターは剣しか装備できないみたいだから、きっとあの人たちはもう転職してるんだろう。俺たちもジョブのこと勉強しないとな。」

メニュー画面を開き、『ヘルプ』のなかから『ジョブについて』をタップした。


『この世界には大きく分けて、【打撃系】、【魔法系】、【補助系】、【特殊系】のジョブが存在する。現在、それぞれの系統ごとに1次職と2次職が実装されおり、2次職はジョブごとに強力なスキルが存在する。その他、料理スキルや鍛冶スキル、農業スキルなどはすべてのジョブで習得できる。転職は街の東の端にある神殿で行うことができる。』


「いったん神殿に向かうのもありだな・・・。アヤ、神殿に向かってみないか?」


「私も今そう言おうと思ってた!じゃあ行こっか!」

そういうと二人で街の門の反対にある神殿へと向かった。




◇ ◇ ◇




『ウィステリアの街 神殿』


「なんか凄い神聖で静かだね。」

街の東の端にある神殿の前にたどり着いた。真っ白な壁に色とりどりのステンドグラス、と、なんとも(おごそ)かな感じが外から見て取れた。開いている神殿の門から内部へと真っ赤なカーペットがまっすぐ続いており、その先には真っ白な衣装に身を包み、先端に小さな太陽のようなものがついている杖を持った、まるで女神のようなNPCが立っている。


「『大神官アガスティア』か。話しかけてみよう。」

真っ赤なカーペットに沿ってまっすぐ歩き、大神官の目の前まで来た。


「こんにちは!アガスティアさん。」


「ようこそ。冒険者のお二人。」


「私たち転職がしたいのだけど、どこで転職できますか?」


「それならそこの転職所長に話しかけてみてください。」

アガスティアは自身が座っている玉座の横にいる眼鏡をかけた老人を指し示しながら言った。


「ありがとうございます!えっと、その、大神官様はここで何をしておられるですか?」


「私はこの街、ウィステリアの神殿を治めており、日々、この街に住む人々の平和や健康を祈っております。あなた方の話は風のうわさで聞いております。なんでも、我々の知らない世界からこの世界に冒険をしにいらした…とか。この世界にはあなた方以外にも好奇心あふれる冒険者の方々が訪れ、新たな大陸への冒険へと挑戦しています。あなた方がこれからどのような冒険を記録を記していくのか、とても楽しみにしております。」


「ありがとうございます。大神官様」

丁重にお辞儀をすると、アガスティアはこうも続けた。


「……そう、近い将来、あなた方の冒険者としての実力を見込んでお願いをするかもしれません。その時はお力添えくださいね。」


「まかせてください!アガスティア様!」

アヤが元気よく敬礼しながらそう言った。


「ええと、何しにここまできたんだっけ?」


「そうだ、転職しに生きたんだったな。大神官様が言ってたそこの転職所長に話しかけるか。」

二人はアガスティアが座っている玉座からすぐ降りたところにいる老人のもとへと向かうのだった。

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