女性騎士目指します!
1年以上ぶりの投稿です。
私は悩んでいます…。
…………。
どうしてこんなに自分はハイスペックなのか、と。
ふつうの人が聞いたら物凄く嫌味に聞こえだろう。
だけど本当に悩んでいるのだ!
ハイスペックなのはいいことかもしれない、だけど限度がある!!!!
何だこの体力測定の結果は!!!
50メートル走…6秒01
2000メートル…4分51秒09
反復横跳び(30秒)…69回
ハンドボール投げ…73メートル
長座体前屈…測定不能!!!
この常人離れした頭おかしい身体能力はいくらなんでもありえない!どこの世界選手だよっ!
実際に私がそのありえない人間なのだが。
でも、これを聞いたらこの頭おかしい身体能力も霞んでしまう。
魔力適正判定……ssssssss(測定不能)
ホワッツ?????!
魔力とかそんな事言われても魔法なんて使えたら絶対的権力を余裕で手に入れられてしまうほどに魔力適正を持っているものが少ない世の中だ。
なのに測定不能?!
測定したものが言うには魔力が強すぎてこれ以上は国が危険ですということだった。
いや、そんなんしらんわー!!!!
私は平和に暮らすために騎士に…ん?まてよ。
これってむしろラッキー?
身体能力が馬鹿みたいに高い=めっちゃ強いってことじゃない?
え、……やったーーーー!!!!!!!!
私無敵?これってもしかしてチートってやつじゃない?
もしかしなくても最強無敵の女騎士まっしぐらじゃないっ!
そうと決まったらさっそく準備しなくちゃ!!
まずは形からね!
〜〜数日後〜〜
カランコロンと心地よい鈴の音が厳つい造りをした武具が所狭しと並んでいる店内に響く。
うん、似合わないっ!!
店内の雰囲気と全く合っていない呼び鈴の音はいいとして、私は店主らしき男性に声を掛けた。
「あのーすみません。軽くて使いやすい模擬刀を探しているんですけどぉ。」
今私は近衛騎士が最も信頼を置く武具の店へ来ていた。
もちろんお忍びで、
一国の王女がこんな所に来ては体面が悪い&どんな噂が経つか分からない。
そのため”お忍び”というのはとても大切なのだ。
しかも私には絶対にバレない自信がある!
何せこの日のために変装術?のような魔法を本で見てきたのだから!
今の私の格好は、綺麗な赤毛を茶色に変え、蜂蜜色の瞳を髪と同じ色にした。
長い髪は後ろの高い位置でひとつに結び、いつもの豪華なドレスは、そこそこいいとこのお嬢様といった感じのワンピースになっている。
バレるわけが無い!
「どうして王女様がこの店にっ?もしかして何かあったのですか?!!」
え、一瞬でバレた上にめっちゃ心配されてる?
私は店主の心配を無くすべく、かくかくしかじかとこの店に来た理由を伝えた。
もちろん前世がどうとかは伏せて。
初っ端からヤバい奴認定は避けたいもの!
店主の男性…マイケルさんは私の話を聞いて不思議そうにしていたものの今店の中で探してくれている。
…まさかバレるなんて。
どうしてバレた?もしかしてマイケルさんも魔法が使えるの!?
そうよ、それ以外には考えられないわ!
マイケルさんは30歳くらいの男性で茶色い髪に緑色の目をしたとってもかっこいい人だ。
背が高く、スラっとしていてなんというか…すごく美形。
論点がズレたが元に戻すと、
まさか私の他にも魔法を使える人がいただなんて…
「王女様、ご希望頂いたとうり折れにくく軽くて使いやすい比較的女性でも扱えるものをご用意致しました。」
お礼を伝え私は選定を始めた。
てっきり時間がかかると思っていたら思いのほかすぐに決まった。
その剣に目を向けた時にこれを買わなくてはいけないと思ったと言ったら笑われるだろうか。
でも本当にそんな感じがしたのだ。
心の中で何かが訴えかけているような不思議な感覚。
私は迷わずその剣を購入した。
購入した剣はマイケルさんが言った通りとても軽く扱いやすいものだった。
銀に赤と琥珀色の宝石が美しく散りばめられたとても可憐なデザインであっという間に気に入ってしまった。