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不覚にも才女になってしまいました。

3人の視点でそれぞれ書きました。

新しい登場人物が二人出てきます。


転生してからはや1年…。


私は今、国1番の才女として君臨していた。


決して私の能力が優れていた訳では無い。


ただこの国の基本的な知識レベルが低すぎるだけだ!!!


てっきり9歳の子供なら足し算引き算、文字をかけるなど当たり前だと思ったのが誤算だった。


この世界の9歳児は王族の子供ですら文字を書くのが精一杯で足し算引き算なんてもってのほか、これで掛け算なんて出来たら数学者もびっくりの天才児だ。


それで数学者からあれこれ取り調べを受けているうちに大学で習った内容までうっかり喋ってしまったのが運の尽き、まだその数式はこの世界に存在していなかった。


こうして王女である私、ハリエット・ヴィサージュはわずか9歳6ヶ月で数学者から神と崇められる才女になってしまったというわけだ。


そして私は今隣国の王子にプロポーズされている。


「ハリエット王女どうか俺と結婚してくれ!!!」


「お断りします。」


これで何回目だろうか。


この王子は何回振られれば気が済むんだ?もしかして…マゾ?


えっ無理。余計無理。


「そこをなんとか!絶対に幸せにするから!」


「顔がタイプじゃないので無理です。」


にっこり微笑むのも忘れない。


この王子、確かに顔はすごくイケメンだ。


黒く短い髪に切れ長の黒曜石のような瞳。誰もがこの美貌に恋すると言われるほどにこの王子はかっこいい、だけど私の心にはまったく刺さらなかった。


私のタイプは甘えん坊で私がいないと生きて行けなくてなおかつ顔が砂糖菓子のように愛らしい男の…これ以上は自制させていただきます。


つまり正直こんなイケメンなんてどうでもいい。


まぁとりあえずさっさと諦めて帰ってくれ。


私の微笑みをどう解釈したのかこの王子は顔を赤くして口をぱくぱくしている。


お前なんて相手にしている時間も惜しいんだよ!!!


私には可愛い可愛い天使がいるんだから!!


まじさっさと帰れ恋愛脳王子。


「ねーさまおはなしまだ?いっしょにあそぼー!!」


天使不足で幻聴まで聞こえてきたよ…。


ってそんなわけない!!!


私の天使&癒しであるシリルが私に抱きついてきた。


可愛すぎて尊い…思わず身悶えしそうになるのを必死に抑えた。


シリルは一つ下の弟でとにかく可愛い!ふわふわなピンクゴールドの髪に私と同じ蜂蜜色の瞳の超絶可愛い天使だ。


シリル=天使を常識にしてもいいと思う。


こうなったら強行突破だ。可愛いシリルを待たせるなんて姉失格だ!


「それではもう用も済んだと思いますので私は失礼させていただきます。」


後ろから呼び止める声が聞こえた気もしたがそれは気付かないふりをした。



――――――――――――


ハリエットに振られてる王子視点


………………………………



俺、アダム・コルニアスはまたもハリエット王女に振られていた。


どうしてハリエットは俺に恋をしないのだろうか?


普通の女だったら何も言わなくても近寄ってくる、なのにハリエットは違った。


どんな時でも弟に呼ばれれば俺をほったらかしていなくなってしまう。


それが理解できなかった。


ハリエットをどうにか振り向かせるために奔走しているうちにいつの間にか本当に好きになってしまったらしい。


そしてプロポーズ23回目でも華麗に振られた。


食い下がってみるも心にグサッとくる言葉と思わず見とれてしまうほど美しい笑顔でかわされた。


それでも諦めきることが出来ないのが男の性だ。


ここで諦めたら王太子の名が廃る。


もう一度食い下がろうとしたらハリエットの後ろから恐ろしい形相をしたシリル王子の顔が見えた。


可愛い顔をしているくせになんという迫力だ。正直言ってとてつもなく怖い。


ハリエットが見ている所では天使のような少年なのに俺の前やハリエットを密かに目で追っているものの前になると突然態度が変わる。


その恐ろしさと言ったら…。


トラウマレベルと言っても過言ではない。


やっぱりハリエットの前では甘えん坊な可愛い天使にしか見えない。


でもハリエットがいなくなると……


「いつまで姉様に言い寄っているんですか?本当にそういうのやめてくださいません?姉様は僕とずっといっしょにいてもらうんです。あなたが入る隙間なんて一兆分の一もないんですよ。分かったらお引き取り頂けますか?」


こっわ、え、怖くない?


天使みたいな顔して言っていい事じゃない。


怖さ倍増で俺の足が震えてるわ!!!


俺はまた来るとだけ言い残しその場をそそくさと後にした。


こんな所にシリルといたら魂が削られる…。



――――――――――――


シリル視点


………………………………



姉様が遅い…。


いつもならすぐに来てくれるのに…。


だから姉様を閉じ込めて僕以外の誰も頼れないようにしてしまいたいのだ。


どうせまたアダム・コルニアスとやらが来ているのだろう。


迷惑極まりない。あれ程までハッキリと振られていながらまたも諦めずに姉様の所へやってくる。


そろそろ我慢の限界だ。


姉様の所へ行こう。


ついでにアダム・コルニアスにも釘を刺さなくては。





私の推しはシリルです笑

読んでいただきありがとうございます。

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