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第三話 麗子の軌跡(前)

麗子さんの過去編です。ここだけ一人称です。

一日投稿遅れてすいません。後、推敲してないから後で訂正入れるかも……。

俺は、太った引きこもり少年だった。

友達もおらず、親にも認められず。なんとか通信制の高校に在籍して勉強しつつゲームやネットにいそしんでいた。

俺は何も悪くなかった。性格も悪くはないと思う。なのに、いじめられた。理不尽だ。誰かに、俺は悪くないって言ってほしい。頑張ってるって認めてほしい。そう思ってきた。

承認欲求を満たそうと、恋愛ゲームに手を出した。そのうち間違えて女性向け恋愛ゲーム「学園王子の七色の寵愛」に手を出したが、意外と面白かった。でも、俺はこの時、この作品の悪役令嬢に転生するなどとは思ってもいなかった。



 承認欲求にまみれた俺は、いつしか配信者になりたいと思った。ゲームはそこそこ上手かったし、トークも悪くなかった俺の配信は、面白いと評判だった。

だが、1回の配信に来てくれる人は、多くても数十人、大抵は数人だった。

 Youtubeなんかでは再生回数が数万回という人もいっくらでもいる。俺は、もっと多くの人に見てもらいたかった。


 だが、なかなかバズらなかった。

 それもそのはず、目立つ特徴がないんだもん。ゲームの腕は上手い方だけど、ずば抜けてるわけじゃない。声もイケボではない、普通の声。強烈なキャラもない。

いつしか、女声を習得し、女の子のふりをしてネットに投稿するようになった。男として投稿してた頃よりは、人気を集め出した。

 だが、女の子の配信者なんぞいくらでもいる。そう簡単には人気になれない。

 このあたりから、俺はできることはなんでもするようになった。

 配信者が少ない割に需要が多そうなゲームを探し、本気でやる。最新情報にはいち早く対応して動画を出す。


 そうして内容を充実させたら、うわべも充実させていく。まずは声。ボイストレーニングスクールに通い、本格的に声を安定させていった。次第に、自由自在に萌え声が出せるようになっていった。ついでに、歌も上手くなるおまけつき。

 さらに、自撮りを加工しまくってTwitterに乗せたりとか、いろいろした。でもこれはあまり成果なかったなぁ。


 折角歌唱力が上がったので、歌ってみたをアップしてみたら、意外と人気が出た。そこで、折角だから他の人の歌ってみたを聞いてみたら、意外とうまい人が多いんだよね。まあ、加工で音程を調整している結果だけど。そこで、他の歌い手さんをTwitterとかでフォローしながら褒めちぎってたら、お返しで聞いてくれて気に入ってくれる人が続出。

 だんだん歌い手のしての地位が高まってきた頃、いつのまにかひきこもっていた高校生活も、隅っこで大人しくしていた大学生活も終わり、就職。でも、俺はネット活動をやめなかった。

 初期のボカロ曲とかの歌ってみたも録りまくる。そして、時間のかかるMIX(加工)作業は有料でやってくれる人がいたので外注。そのうち、人気歌い手の仲間入りを果たしたのだったが……。


 働き出して2年目、2021年8月、過労で死んだ。


 まあ、仕事との両立はそうそうできないよな。


 死に際に、俺は思ったんだ。動画文化黎明期から活動していれば、もっと簡単にのし上がれたんじゃないかって。

 死に際に親とかじゃなくて動画の事考えるって、ほんとに俺動画に全てを懸けてきたんだなって。

 でも、俺は、多くの人に自分の動画を楽しんでもらって、嬉しかったんだ。見てくれる人がいるなら、少しでもいいものを届けなくちゃって思えて、眠くても頑張れたんだ。

 本当に、嬉しかった。もっと、続けていたかったなぁ。


 気づいたら、赤ん坊になっていた。


 転生したんだ、そのことにはすぐ気付いた。そしてしばらくして、自分が女の子である事にも気づいた。


 俺、いや、私は、黒鷺麗子は、前世の知識を生かして、素直な幼児としてふるまった。そして、親から気に入られた。


 「麗子はすごいねー、こんな小さいのにお母さんのいうこと聞いて、偉いねー。」


 うん。ちゃんと言うことを聞いて、いい子になるよ。

 その方が、自由に配信もやらせてもらえるだろうから。


 この時、私は3歳。カレンダーを見ると、1993年だった。時が戻っていた。

 それはつまり、動画文化黎明期を生きる人間として、もう一度、動画投稿者になれるということ。

 夢のようだ。もう一度、動画投稿者になれる。


 そうだ。私は、Youtuberになるんだ。


やっぱ毎週投稿きついかな……。

次回、麗子さんの転生を存分に生かした手腕をとくとご覧あれ!の予定。

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