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第一話 Youtuberになるのですわ!

続きを書いていく中で、3人称の方が書きやすいということに気づき、急遽書き直しました。

夢原瑠璃の前世は、冴えないOLだった。学生時代は恋人などできず、乙女ゲームにのめりこむ毎日を過ごす。そして、シナリオライターを目指すも、挫折し、エンジニアとして再就職する。しかし、中途採用で雇ってくれたその職場は人不足がひどく、過労で命を落としてしまった。

 もっとも、死んだ最大の原因は少ない休みを乙女ゲームに充てていたことだったようだが、本人にとっては欠かせない時間だったのだろう。

 そんな瑠璃が、転生したことに気づいたのは数か月前。私立虹ヶ丘学園に特待生で合格が決まった瞬間、突然記憶がよみがえってきたのです。

 今までの自分の人生が、わりと好きだった乙女ゲーム「学園王子の七色の寵愛」のヒロイン、夢原瑠璃の設定と酷似していたことに気づいたのです。

 瑠璃は食うにも困るほどの貧乏どん底の女子中学生だったが、私立虹ヶ丘学園に特待生で合格。無料で通えると喜んで進学する瑠璃だったが、お金持ちもそれなりに多い学校の中で浮いてしまう。困っているところに、七人の学園の王子から救いの手が差し伸べられたり差し伸べられなかったりする……。身分違いの恋がかなうかは、主人公の選択次第。

 「学園王子の七色の寵愛」はそんなストーリーだった。

 実のところ、瑠璃は、そこまでこのゲームを攻略して逆ハーレムを築くことに執着しているわけではない。だが、

 「逆ハーレムを築けば、攻略対象者からおごってもらえるもん!」

 という思いから、逆ハーレムを目指していくのであった。


 ただ、そのためには、入学式前日である今日、2008年4月6日を生き延びなければいけなかった。

 そして、瑠璃は2日ほどものを食べていなかった。このままではぶっ倒れるのは時間の問題。

 空腹に耐えかねた瑠璃は、コンビニに入り、店員の見えないところで、おにぎりを懐にしまった。お金を払わずに。

 これを、万引きという。


 その時、不意に瑠璃は肩を掴まれる。

 振り返ると、髪の長い女性がいた。そして、その手には、小型カメラが収まっていた。


 「今のあなたの行動、録っていましたわ。弱みを掴みましたわよ!」


まずい。退学、または特待生資格はく奪。そんな言葉が瑠璃の頭をよぎった。


「私の言う通りにするなら、見逃してあげても構いませんわよ?」

女性は、璃の耳元でささやく。瑠璃に、従う以外の選択肢はなかった。


「まず、そのおにぎりを私に渡すのですわ。」

 おにぎりを受け取ると、女性は私の手を掴んだまま、レジに向かった。

 

(やばい、これは店員に突き出される!)

 そう焦る瑠璃。しかし、瑠璃の心配は杞憂だった。女性はそのおにぎりをお金を払って購入すると、瑠璃に手渡してきたのだった。

 「お腹がすいているのではなくって?わたくしのおごりでよろしいから、まずはお腹を満たしなさいな。」

 「え、いいんですか?」

 女性には、瑠璃に持ちかけたい話があった。だが、瑠璃はこの時、話を冷静に理解するほどの余裕がなかった。極度の空腹のせいで。

 それに気づいた女性は、おにぎりを瑠璃に手渡したのだった。


 「さて、本題に入りますわよ。私は、先ほどの貴女の万引きをカメラに収めているの。いつでも警察に突き出せる、というわけですわ。ネットにあげてもよいですわね。私はYoutuberをしていますが、あなたを捕まえた動画はそこそこ再生数が行きそうですからね。」


 その発言には、瑠璃の知らない単語も多かったが、自分が脅されているということは分かった。

 「つまり、弱みを握っている訳ですわ。明日からのクラスメイトの弱みを握るのは、愉快な物だわ。」

 (明日からのクラスメイト?この女性も虹ヶ丘学園の新入生なの?)

 「あ、申し遅れたわね。わたくし、黒鷺麗子と申しますわ。お見知りおきを。」


 そう、その女性は黒鷺麗子。乙女ゲーム「学園王子の七色の寵愛」に登場する悪役令嬢だ。つまり、瑠璃は、悪役令嬢に弱みを握られてしまったのだ。

 悪役令嬢は、攻略対象者の一人、緑川章介の婚約者で、緑川ルートや逆ハールートの場合に主人公にちょっかいを出してくるライバルキャラだ。結構悪辣ないじめをしてくる嫌な人、という印象だった。

 瑠璃はまずい人に弱みを握られたな、と思った。でも、警察に突き出されていたら、前科がついていたかもしれないのだから、それに比べればましと思うしかなかった。


 「もし、わたくしにこのカメラの映像を公開されたくなかったら、私の言う通り、働いてもらいますわ。」

 「分かりました。」


 こうして、瑠璃は、黒鷺麗子の手下になってしまった。何を命令されるかと身構えた。しかし、麗子の命令は、瑠璃の予想の斜め上を行くものであった。


 「あなたには、私のプロデュースのもとで、Youtuberになってもらいますわ!」


 (はぁ?)


 瑠璃は、困惑した。


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