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だらけきった恋愛模様  作者: Sonnie
第一章
9/13

ラーメンと盗み聞き

第九話です。

寒い日にはお肉たっぷりのラーメンを食べたくなりますよね。

ある寒い日

シンとめいは学校の帰り道でふとっこんな会話をしていた。


「好きなラーメン?」

めいはシンの質問に首をかしげる。


「そう、そもそもラーメン食べた事ある?」


「私にどんなイメージを持っているのよ。」

「いや、あんまり食べなさそうだから」

めいは普段あまり出さないが、結構いい所のお嬢様だから、ラーメンといったジャンクフードをあまり食べない気がした。


「ラーメンって海外では結構人気なのよ、で彼らかしたら外の国の料理だから少し高いのよ。たまに日本の味を求める時、食べにいっていたりしてたわ」


いや、めいはお嬢様なのは合っていた。ただ、ラーメンに関してはスケールがもはや違った。


「海外って…俺そこまでラーメンを魅力に感じた事ないけどな。」

安い早い旨いの三拍子兼ねそなえた料理って認識だ。


「お父さんの話とか聞くと、昔はそういうのなかったから、この変化は嬉しいっていってたな」


そんなラーメンの話から元の話に戻る。


「で、ラーメン食べるのは分かったからさ、何ラーメン好きなの?」


「とんこつ一択」

キメ顔でめいは言いのけた。


「かっけー」

シンもノリに合わせる。

「みそやオーソドックスなしょうゆも捨てがたいけど、味のインパクトでとんこつかな。後、魚介はなし。なんか好きになれないのよ」


「分かるわー、魚介系スープって好き嫌い分かれるよね。」


「シンは何ラーメンが好き?」

今度はめいが聞き返す。


「俺か?俺もとんこつかな…結構こってりとしたのもいける。」

俺は男だから考えた事ないけど、こってり系って女子とか頼む人いるのかな。

そもそもラーメン屋の間取り次第で女子が入りにくそうなとこあるからな…


「食べに行く?今から」


シンはふとっ聞いてみた。


ちょうど、行きつけのラーメン屋が近くにある。時間も夕飯前なので、家族に連絡取れれば少し遅れても大丈夫だろう。


めいはうーんと言いながら考えてから答えた


「食べにいこ!」


「おけっ」


そして、二人はラーメン屋へと向かった。


「へい、いらっしゃい!!」


スライド式のドアを開けて、シン達はラーメン屋へときた。


「おっ!浅野のところのせがれか!久しぶりだな」

カウンター越しに厨房が見え、そこには手ぬぐいを頭に巻いた中年のおっさんがこれまた大きな鍋を中身を見ながら声をかけてきた。


「おじさん、ご無沙汰しています」

「知り合い?」

めいがシンに聞く。


「うん、俺が小さい頃から家族でここをよく利用してるんだ。」


「おぉ?なんだシン君、もしかしてこれか?」


おっさんは空いている右の小指を出してシンに確認してきた。

この仕草だけで、この人のおっさん力は計り知れない事が分かる。


「そうだよ」

平然という、ここはあまり若い子は利用しないからばれる事もないだろう。


「かぁー、少しは照れろよ。しかし弟さんはたまに女連れて家来るけど、シン君は初めてだな…」

弟はモテるからな…すんなりしかもあいつのことだからおっさんは勘違いしているけど、あいつにとって女子は友達まで、でもそれでラーメン屋にいけるのもすごいなと兄ながら思う。


「あっ立ったままじゃあなんだ、ここ座れよ」


まだ夕食としては少し早いからか、客は俺ら以外にいないようだ。


「…」


「一応いっておくけど、ここ味はそこそこでリピーターはおっさんと話すのが目的で来るようなラーメン屋だからな」

「なるほど」


「失礼だな、窓際に座らすぞ」

そんな、おっさんの冗談を聞きながら、俺らはカウンター席へと座る。

おっさんがカウンター越しに聞いてきた。


「で、注文決まっていたら聞こうかな」


「俺はとんこつチャーシュー大盛」

「私は…ネギとんこつラーメンにしようかな」


「おけー少々お待ちを」


そういい、おっさんは作業へとり掛かる。


めいは待っている間、店内を見渡す。

おっさんの店は10畳ぐらいの狭い店だ。基本的に一人で働いている。

壁にはメニューが掲げてあり、値段やおすすめが分かる。


「ねぇ…シン?ここはラーメン屋?」

「そうだよ」

めいは当たり前な事を聞いてきた。


「おすすめにチーズの盛り合わせとかあるんだけど…」


「あ―あれね、他にもエビチリやサイコロステーキとかあるね。ここはリピーターが多いって言ったでしょ?その人たちが食いたいものでおっさんが作れたら、メニューに載っちまうんだ」


「まぁー簡単なのしか作れんがな」


ラーメンの湯切りをしながら器用に答えるおっさん。


「はい、先にネギラーメンおまち」


そういいながら、めいの前にネギラーメンを置く。


「うわー美味しそう!じゃあ先にいただくね?」

「うん、いいよ」


めいは嬉しそうにいう。

そして、一口目を戴く。


「美味しい!このとんこつなのにあっさりとしてる!ネギも麺とスープと絡み合ってとても美味しいです。」

おっさんは嬉しそうにめいに自分のラーメンが褒め言葉を聞く。


「いやー嬉しいね、うちの常連はみんなおっさんやおばさんだからお嬢ちゃんのような若い子に褒めれる嬉しいよ」


「そうなんですか…でも、このとんこつならあっさりしていて女子高校生とかいいと思いますよ。」


「そうねぇ、まぁ少しだけ、辺鄙な所にあるからな…」


とんとん

めいの腰をついてシンは言う。

「ここに高校生きたら、俺らが利用できないじゃないか」


「…それもそうね…おじさん今の褒め言葉なし!」


「えぇーそれはないよーお嬢ちゃん!」

がくしとおっさんは大きくリアクションをする。


「今、シンのやつ準備するねー」


「OK-」


おっさんは再び作業に戻る。


そして少ししてから、出されたのは…


「おっさん?俺が頼んだのは…」


「とんこつチャーシュー大盛だろ?合ってるじゃん」

にやにやとしながらおっさんはいう。


シンの前には確かにとんこつチャーシューラーメンがある…たくさんのもやしと多めのチャーシューがある事以外は…


「うわー山みたい」

めいはその量に思わずカメラを出してとった。


「いやー実は弟さんが来るたびにこのメニュー突き付けてんだ。だからお兄さんも挑戦しよ、値段は同じで構わないよ」


「それとも…」

おっさんはめいへと視線を向ける。

野郎が女の前で恥さらすのかと言いたいようだ。


「いや、丁度おなかすいていたから」

そういい、俺はラーメンを食べ始めた。


「めい、俺暫くだまるけど、静かに見ていて」

俺は鬼気迫る表情でめいに言った。


「分かった、シンの雄姿、しっかりとカメラに抑えるよ」

いや、カメラは締まってくれよとシンは思った。


そう思いながらも、麺が伸びてしまうのを気にして俺は箸をつける。


そして黙々とと食べてから20分…





「うぷっ…。」


結果だけ言うと…食えた。味は途中から分からなくなったが…


「おぉー」

ぱちぱちと拍手をするめい。


「かぁーいい食いっぷりだ!男だぜシン!」


元凶が何かうるさい。でも、今はおなかがいっぱいで話したくない。

とりえあず、歩いて消費を促そう。


そう思い、会計を済ませる


「有難うございました。またのお越しをお待ちしてます」


「私出る前にお手洗いに」


「あっ、奥のドアがそうだよ。」


「有難うございます。」


そしてめいがトイレと向かった。


「いやー流石だねシン。」


「あんな量のラーメンは二度とごめんだ」

俺はおっさんに悪態をつく。


「違うよ、めいちゃん?だっけ?あんな綺麗でしっかりした女の子初めて見たよ。なんというか高校生なのに大人の雰囲気を醸し出していたよ」


まぁ、めいを始めてみた人はみんなそういうだろうな。


「でも、シンと話すときは年相応の反応だったよ。」

その一言に俺は少し呆然とした。


「なんか、おっさんが言うと気味悪いかもだけど、いい関係だったぜ二人。」


「有難う、手放さないように気をつけるよ…おっさんも早くみつけろよ」


「まだ30だわ!おっさんって定着したからほっておいているけど、まだ結婚しても遅くない年だ!最近は晩婚な所もあるからな!」


そう言い、笑うおっさん。


めいがお手洗いから帰ってきた。


「よし、じゃあいこか」

「うん、お待たせ」


「じゃあ、またねー」


「有難うございました。」

「また食いたくなったら来るね」


そういい、二人はお店を出てった。



その帰り道…

「ねぇ?何話していたの私がお手洗いに行っている時に」


「うーん?世間話を少しな、お店はどうとか」


「ふーん…」


「なんだよ?」


「別にー」

と言いながらめいはにこっとしながら、シンの腕へと自分の腕を滑り込ませる。

シンの耳の近くで陽気な鼻歌が聞こえる。


「どうした?ラーメン美味しかったから?」


めいは笑顔で言う。

「うん、そういう事にしておく、いい店紹介してくれて有難う」


そのまま、二人は別れるまで寄り添いながら帰っていった。


ここまで読んで戴き有難うございました。

面白い、にやけた方は宜しければ評価や感想の方よろしくお願い致します。

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