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だらけきった恋愛模様  作者: Sonnie
第一章
4/13

家族の夕食と胸枕

第四話です。

今日は記念すべき日だ。


今日はめいが俺の家族と一緒に夕食をご一緒する日だ。


付き合ってそろそろ1か月を迎える。


一緒に俺の部屋で過ごしているのにまだ俺の両親に紹介をしていない。


俺としてはあまり気にしていないのだが、めいも会いたいと言うし、ある程度めいとの交際について説明している母には実は毎日「いつになったら紹介してくれるの?」と言われていた。


まだめいの両親に紹介されてもらっていないのにいいのかなとめいに聞くと本人がいいという。


このまま双方に挨拶ができないは本末転倒なので俺の家族に紹介する事が決まった。


という事でめいに我が家をメンバーを紹介しよう。


ピンポーン


インターフォンが鳴った。


めいが来たようだ。


と自分の部屋を出て、玄関に向かう。


すると、もう母さんがめいを玄関に招きいれていた。


「まぁー!あなたがめいさん!すごく綺麗じゃない!?いや、あんな地味でやる気がないもやし男子の私の息子にこんな可愛い彼女ができて驚いちゃった。」


俺の母さんこと浅野桃は年齢らしいおばさん口調でめいに話す。

俺よりも身長が低く、長めの黒髪は年の割につやを感じる。

顔も世間に言わせれば美人といえる程整っている。

どうせなら似ればよかったのが、残念なことに俺は父親似で生まれた。


「よっめい。今日は来てくれて有難うな」



「あら、シン?」


「シン君!こんにちは。」


見ると流石のめいも緊張していていつもは呼び捨ての俺の名前も君付けしているし顔も赤くなっている。


「シン こんないい子と付き合っているなら早く紹介しなさいよ。何がなんでもこの関係維持させてやる。」


「はいはい、でもとりあえずはその必要ないよ母さん」


「まぁ、どこからそんな自信が出るのかしら?いつも引きこもりのこの子ったら」


「ひきこもりは関係ないだろ」


大体我が家での会話はこんな感じだ。


そろそろめいを玄関から案内した方がいいな


「じゃあ立ち話もなんだから、中に入って。夕食までもうちょっとあるからリビングで待ってて」


と母さんが言い、めいもそれに付いていく。


廊下を歩きなながら母さんが脇をついてくる。


「いい子そうね。」


「まぁあな、俺が見つけた子だし。」


「全く、その自信が少しで外で出れば活躍しそうなものなのにね」


母は俺のだらけた生活スタイルにはあまり宜しく思っていない。

だが、強く何か言わないのでやっぱりいい親なのだと俺は思っている。


「でもそうね、俺は誰とも付き合わねぇとか言っていたバカ息子がまさかその次の年に彼女を作ってくるとは母は夢にも思わなかったよ」


「えぇ?シン君そんな事いっていたんですか?」


めいが反応した。


「そうよ。この子ったらホントそういうのにこれまで興味なくてね、母として将来が心配だったよ。」


まぁ、確かにそんな事を言っていたが、それもめいと会った事により覆った。


とりあえず両方にポイントが高いところを言っておこう。


「まぁそれだけめいは俺にとって大きい存在なんだよ」


めいには好感度を上げる事、母にはめいの存在を印象付ける事を言う


「…」


「あんたやっぱりお父さんにだよ。普段おとなしいのに、そういう事平然と言えるところとか」


別に父のそういう話は聞きたくもない。

嫌いってわけではないが、そういう両親の馴れ初めの詳細は例え息子娘でも聞きにくいと俺は思う。


そんな話をしながらリビングへと案内されためいはそこにあるソファへと座る。


俺も横にある別のソファに座る。


お母さんはまだ夕食の準備があるので隣の台所へと戻る。


束の間の二人っきり。


めいは何か言いたそうにしていた。


察して俺から答える。


「へんなお母さんでしょ?」


「ううん…シンのお母さんって感じ」


違ったようだ。


「どこが?正直あんな元気なお母さんに俺はいつまでもかなう気がしないよ」



「雰囲気かな?お母さんはお父さんにとおっしゃっていたけど初めてシンと話した時とお母さんの雰囲気が似ていて落ち着いた」


そういえば昔母の友達に言われたな、「顔は似ていないのに桃に似ている」みたいなこと。


結局俺ってどっちなんだろうな


「今日シンの家におじゃまするのかなり緊張していて、正直不安だったけど、初めて話した瞬間私の不安がどっか行っちゃったよ」


「それよりも仲良くしたいと思った」


嬉しい事を俺の彼女は言ってくれる。

俺もめいが俺の家族と合うのか不安だったので、めいに今の言葉が聞けて良かったと思う。


そんな母の第一印象をめいからきていると、リビングに人が来た。


「おっ?初めまして。兄さんの彼女のめいさんかな?」


「あっ…はい。初めまして、若狭めいと言います。」


そういい、めいは立って挨拶をする。


「いやいやわざわざどうも。俺カイトっていいます。ゆっくりしてって…」


俺の弟の浅野海渡。俺の高校の付属中学に通う中学生だが、俺よりも身長が高く、さらに顔は母譲りの美形。


「…くださいってえっ、若狭めいってOO高校の若狭めいさんですか?」


「はい、そうですけど」


「すごい、うちの学校の有名人じゃん!てか兄さんどうやって知り合ったの?いつも引きこもりの兄さんがどうやって我が校の有名人と付き合っているの!?」


とカイトは驚いて俺に聞く。

てか、さっきの母さんもそうだが彼女が来ているのに俺の事引きこもりといいすぎではないだろうか?ここは家族一致団結してポイントを稼ぐのが流れというものではないのだろうか?



めいもカイトの発言に驚いたので聞き返した。


「えっ私そんな有名なの?」


「あーこいつ俺らの付属中学に通っているから、めいの話も流れているのかもな」


それとなく弟の学校をめいに教える。


「俺らの中学でも話題になっていますよ。めっちゃ可愛い高校生が入学したって」


「そう、あまり実感わかないけど、可愛いと言ってもらえるのは嬉しいかな」


少し照れるめい。


美形は良いね。


でもおい、カイト。間違いはないと思うがこれ以上めいの笑顔を見るならお前の秘密ばらすよ?


「いや、兄さんそれはあんまりです。」


こいつ美形で成績も悪くなく、さらには野球部のエースなのに彼女はいない。


こいつ二次元しか興味ないからなー。


彼曰く普通に女友達と遊びに行ったりしているみたいだが、恋愛までは発展させないらしい。


させないというのは告白を全部断っているみたい。


「いやーでも驚いた。まさか兄さんの彼女さんがめいさんだったなんて」


「いやーじゃあもしかしたら俺めいさんの義弟になれるかもしれないんですか。やばいっす」


「ちょっ「ちょっと…弟君?」


「あのできればこのお付き合いは誰にも言わないでほしいの。あまり騒がれるのは好きじゃないの」



「え…あっすみませんでした。俺はしゃぎすぎちゃって、つい迷惑とか考えずに話していました。」


「でもさ、兄さんとめいさん、交際している事言った方が色々問題を起こさないので良くないですか?これでもし他の男子がちょっかいだしたら文句言えないですよ?」


弟の意見は最もだ。


普通に交際をするなら言った方がいいだろう。


しかし、俺らの交際は普通の交際ではない。


「お前俺が部屋でだらけるのが大好きなの知っているよな?」


「うん」


「めいは俺の彼女と同時にその同志だ」


「同志!!!」


「ちょっと同志って」


めいが反応に困っている。


「お前がどんなめいの話を聞いているか分からないが、めいのそういうイメージはないだろ」


うなずくカイト


「めいはその生活に疲れていてな、でもみんなの期待にも答えたいらしくてそれもできないし俺も彼女が続けたい限りは続けさせたい。」


俺は力強くいう。


俺は正直学校ではいてもいなくてもいい存在なのでどうでもいいが、めいはかなり学校で活躍している。


これで俺らの関係がばれたら学校中話題になってただでさえ忙しい彼女休み時間も減るし、俺も質問攻め等で一緒に居る時間が減るだろう。


「だからこの関係は隠すようにな、分かった?」


「分かった、まさかそんな事になるとは」


「いや、元はと言えば私がみんなに言わなかったのが悪いし」


めいは自分のわがままでこんなややこしくなっているのと思っているので謝る。


「いや、めいさんそれは違うよ。めいさんはただみんなの期待に答えたいだけなんでしょ?それはすごい事だし、とてもいい事だと思う。」


「と同時にようやく兄さんと付き合うきっかけが分かってほっとしたよ。確かにその共通・なら兄さんはぴったりだ。」


「だらけきった恋愛か、斬新だね兄さん。今カップルって言ったらあっちこっちいってSNSにのっけるのが主流なのにその流れに乗らないとは流石我が兄だよ」


「なんだその恋愛は」


まぁ、普段の俺らの恋愛を言葉にするとそうなるのか。


そうして学校での話をしながら待っていると夕食ができたと母がやってきた。


尚父はお仕事で今日は残業だそうだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




夕食の時間はスムーズにいった。



結局めいの交際を学校では黙っている事も母には言った。


母さんはその点に関してはあまりいい顔をしていなかった。


「お母さん!心配かと思われますが、私シンの事大好きなので絶対に他の人に振りむいたりしません」


もしめいが俺を捨てたら本当の引きこもりになりそうだ。


母さんもめいの事は嫌いではないらしく、とりあえずの所は俺らの付き合いにとやかくいわないらしい。


夕食が終わった後何やら母さんとめいは涙ながら握手をかわしたがなんだったんだろうか。


今は片付けを二人でしていて、俺ら兄弟はリビングでテレビを見ている。


「面白いねめいさん。正直こんなにのりがいいとは思わなかったよ。」


弟が話題を切り出す。


「おれも驚いているよ、こう言ったら怒られるけど、めいは基本愛想は良いけど距離を置くタイプだからな。」


現に人気者の割に友達はえりさんだけらしいし。


「それだけ、兄さんの事を本気で思っているんだよ。だから家族の俺らにもしっかり向き合っている」


そうかいそうかい、そう言われると兄は嬉しいぞ。


「しかし、うらやましいな」


そんな事をいうカイト


「お前もモテるだろ?野球部のエースさん」


それに対して苦笑いでカイトは言葉を返した。


「自分にとって一番の子にモテてこそ、始めてモテるていうんだよ」


確かに女の子と遊んでる事が多いカイトだが、彼女はいないと本人は言っている。

こいつ二次元好きなだけかと思ったが、意外としっかりしているのかもしれない。



「じゃあ俺は部屋に戻るよ。今日中に攻略したいし」


違った、いつもの弟だった。


「まだ攻略できてないの?」


「一応ハッピーエンディングは全部みたけど、バッドエンディングのコンプにてまどって」


なんせ心が痛くなるストーリーばっかりだからねといい、カイトは部屋へと帰った。



しばらく一人になる俺。


当然カイトの言った事で気になる


…俺らにそんな事は起きてほしくないな


そんなその望まない未来の事を考えていたら母さんとめいが来た。


「めいさんがいてくれおかげで早く終われたよ。本当良くできた子ね。」


「いえ、そんな」


照れるめい。どうやら俺の母の心をつかんだらしい。


良かった良かった。


「じゃあシンの部屋ででも寛いでて、私リビングで仕事したいし。」


「なんで、母さんが彼女を息子の部屋に送るんだよ?!」


普通に問題発言だぞ、それ。


「あら、別に間違いをあなたが起こすわけないでしょ?」


と平気そうな顔をする母さん。


そして目線をめいに向けて言う。


「まぁ、彼女が間違いを起こすかもしれないけど」


「しっ…しません!私たちはちゃんと健全なお付き合いをさせていただきます!お母さん」


めいさん、それは俺が君のお父様に言わなきゃいけない言葉なんだけど。


「あら、別に責任とれるに年になったらしてもいいだからね。」


といいめいの顔が真っ赤になる。


めいも「シンと…」とかつぶやいているのでそろそろ部屋へ連れて行こう。


「はい、そこまで。高校生には重いよその話。」


そうして逃げるように母のいるリビングから俺の部屋へと移る。


「やっぱり、シンのお母さんだよ」


「どこがだよ?!」


そんな不名誉な事を言われながら俺らの俺の部屋でだらける事にした。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




今日はシンの家にお邪魔しています。


最初はどうなるかと思ったけど、シンのお母さんと弟さんはとても楽しく優しい人たちで楽しい時間を過ごせました。


そして今はいつものようにシンの部屋でだらけています。



今日は私がどうだらけるか決めました。


胸枕と私はシンに言いました。


そして今私はシンの胸の上に頭をのっけて寝ています。


「なぁめい」


「何?」


「少し当たっているんだが?」


「少し?」


「いや、なんでもありません…」


少しではないですよシン。

しかしシンも照れた様子でかわいいです。

許してあげましょう。


「よろしい。」


すりすり


シンのにおいがします。

落ち着きます。


スーハー


胸も呼吸と同時に上下してなんか…いいです。


ト〇ロの胸の上で寝ているみたいな感じ?


とにかく安心感が半端ないの。


「なんか恥ずかしいな、筋肉とかないから薄く感じるだろ?」


シンがそんな事を言います。


「別に私筋肉フェチとかじゃないからいい」


女子で筋肉フェチなるものがいますが、あまり好きになれません。なんというか、汗の匂いがきつそうです。


「それに薄い方がシンの音が聞こえて心地いい」


心だけに…我ながらうまい。


私は耳をシンの胸に付けました。


ドクン…ドクン…


シンの鼓動が聞こえます。


「めい…!」


私が何をしているのか分かったのか彼の鼓動も自然と早くなる。


「ふふふ、シンいきなり早くなっている」


それも私にばれるのも必然の事である。


この彼を征服した感じ、くせになりそうです。


いつもの少しおちょくられるのも悪くないのですがこういうのもいいですね。


「そんな事されて、平常心で入れるやつはいないよ」


そう言った後、彼は私の頭に手を置きました。


「!」


ナデナデ


…やっぱだめです。わたしはシンに逆らえないです。


こんななでなでされるといたずらするのが勿体なく感じます。

もっとなでてほしいです。


少し眠くなりました。


「ねぇシン?」


「どうした?」


「今日、私の親は家に帰ってこないの」


これは普通なら別の意味に取られるのだろう。


しかし、私たちの間ではこれは本来の意味ではなくなる


「寂しいんだろ?一緒に寝るか」


そういい、シンはそばにあった毛布を上から掛けた。


「このままでもいい?」


このまま寝るとなると彼は私が寝てからではないと寝れない。


「分かった、寝るまで付き合ってやるよ」


「有難う」


そういった後の事は覚えていない。



唯一言える事は初めて、人の温もりを感じながら寝た。

それはとても幸せな気分に変えるものだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




めいが寝た。


それを確認すると俺は家族のグループチャットにめいが寝た事とめいのお泊りが決まった事、そしてこれは嘘になるが両親には彼女から連絡した事をいう。


良くないとは分かるが、これ以外にうまい手を浮かばなかった。


何より寝ているめいを起こす気にはなれない。


すぐに母から了解の返事を貰う。


あまりこういう事にうるさくない母でホント助かる。


今度めいについて相談するのもありかもしれないな。


最低限の報告を済ませた俺は朝にめいの家へ寄る時間も考え早めにアラームを設定した。


そしてめいの安心しきった顔を見ながら寝たのであった。


ここまで読んで戴き有難うございます。


引き続き「だら恋」の方を宜しくお願い致します。

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