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旅館飯

作者: なかー

『温泉だけでなく旅館飯も』


 おねがいティーチャーの木崎湖から始まった研究室の後輩達とのアニメ聖地巡礼旅行はその後皆社会人になってからも毎年何処かに訪れている。青森 (ふらいんぐうぃっち)、宮城 (かんなぎ)、茨城 (ガルパン)、埼玉 (らきすた、あの花)、静岡 (あまんちゅ漫画版、夏色キセキ、サンシャイン)、長野 (咲、おねてぃ)、富山&石川 (花咲くいろは)、福井 (グラスリップ)、滋賀 (氷菓、君の名は)、京都 (けいおん、たまこ)、兵庫 (ハルヒ)、広島 (かみちゅ、たまゆら)、九州 (中二病)...etc、国内だけでなくロンドンも行った。旅は楽しい、同じ作品を好きな同士たちで訪れる聖地ならなおさらだ。


 旅行なので宿泊はつきものだ。宿は市街地だったらビジネスホテルを取ることが多いが、皆温泉が好きだったので、近くに温泉郷があった場合はそこで探していた。ただどちらともプランは素泊まりを選ぶのが基本だった。


 そんな我々が旅館飯を始めたきっかけは、「花咲くいろは」の聖地巡礼で訪れた湯涌温泉のとある旅館で食べた和朝食だと思う。素泊まりで予約していたのだが、チェックイン時に1000円で朝食つけられるがどうするか?と尋ねられ、翌時は朝早く出る必要がない(巡礼ポイントから離れた宿だったりすると、早朝にチェックアウトすることが多々あった。湯涌温泉はその場所自体が巡礼ポイントだった)ので、頂くことにした。


 何が出てきたかは詳しくは覚えてはいないのだが、地のものを使った焼き魚や煮物など和朝食な品が沢山でてきて、皆が大変満足したことは覚えている。朝風呂で寝汗を流し、浴衣姿で食べる炊きたてご飯や、その地方の味噌を使った味噌汁、3種類以上はあった山菜などの小鉢、卓上コンロで温められている焼き魚に、納豆、生卵、海苔など、日本人が大好きな和朝食だった。以前までは漁港とかが近くに無い限り、朝食はコンビニのおにぎりやサンドイッチといった旅してる感の皆無なもので済ますことが多かった。


 このとき食べた和朝食の美味しさは以後の旅路のプラン作りに大いに影響を我々に与えた。今度は夕食も旅館飯にしようとなり、じゃらんで宿探しする際はのポイントに温泉施設だけなく食事プランも重要項目になった。

 

 聖地巡礼の夜は早い、日が沈んだら終わりだ。なんせ風景撮影がメインなので暗くなったら何もすることがなくなる。夕飯はそこからスマホなどで探し始めるのだが、まだスマホが普及しておらず、仲間内でスマホ持ちは俺一人だけだったし、探すのが一苦労だった思い出がある。京都とかは楽だったんだけど。また大半が車での移動をしていたため、夕食で酒を飲むことができないというちょっとした不満もあった。ちょっとどころじゃないか。


 そんな感じで、夕食も旅館飯にしたら、そこらへんの問題が一気に解決した。日が沈んだら、旅館に向かい、夕飯前に温泉に入ってその日の疲れを癒やす。そして浴衣に着替えて夕食の時間だ。乾杯はもちろんビール、こういうときはあえて互いに注ぎたいので瓶ビールにするのが乙だと思う。生ビールのジョッキだとつまらない、なんかこういう瓶ビールで交わす「おつかれ〜」という流れも旅路では大事にしたい。

ビールの次の酒は地酒にするのが旅館飯の美学だと自分は考えている、地の物には地酒で合わしたい。どの地方でも地酒が作られている日本に感謝したい。

 

 美味い夕食に舌鼓を打ちつつ、酒に酔う。部屋飯だったらそのまま寝落ちするのもいい。そして朝も旅館飯を楽しむ。普段食べたくても食べられない和朝食を。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 末文で急に来た体言止めのパワーが強い
[一言] これは巧妙な旅館サイドの宣伝・・・! なんて冗談はさておき、文体も自然で面白い話を聞いた気分になりました。 うち静岡の伊豆なのですが、わざわざ山を越えて西伊豆でラブライバーや痛車を見物するの…
[一言] 初めまして! 旅を楽しんでいらっしゃる雰囲気が伝わってきました。 現地でしか見れないものを見て、現地でしか食えないものを食う。そのときそのときを体感するのが旅の醍醐味ですね。 最後の一文には…
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