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十一日目~十四日目

相変わらず淡々と。少しずつ情報が増えていく。

『十一日目』


生存者の集団と合流。現在の人数は八人。

いずれも中学生から高校生がほとんどで後は大学生らしき人が一人いるだけだった。

大人がいないのはなぜか? 要情報収集


拠点は何かの事務所であったと思われる建物の二階を使用。


自分は彼らから「ワンアイ」というニックネームを与えられた。名前は聞かれず教えられることもなかった。

どうやらこの集団の中では互いを名前ではなくニックネームで呼び会うらしい。それがこの集団でのルールのようだ。

発案者の少年(ニックネームはビックボス)の話によると「無理にでもふざけなくてはもたないから」だという。

また、この行為には『万が一の時』のショックを減らす意味もあると思われる。 実際の効果は不明。気休め?


持ち物から彼らの役に立ちそうな物を選び渡しておく。あとで学校の物資も取りに行くべきか。 その場合 二階の彼女のことを伝えておかねば。


今日は特に行動の予定はないようでメンバーと話しておくように言われた。 筆談用のノートが必要。


ここにメンバーの名前と特徴を記す。


・生存者


ビックボス

ニックネームの由来はゲームから?

集団のリーダー格で年齢は高校生ぐらい。ちょっと不良っぽい。

武器として金属バットを携帯している。



キラー

高校生ぐらいの少年。自分を仲間にしようと提案した。

意思が強く他人に何を言われようとも自分が正しいと思ったことを成し遂げる強さがある。

しかし協調性に難。独断専行の気あり。



ドクター

この集団では年長の大学生の女性。

応急処置などが出来る程度にはの医療知識があるらしいので医療品の管理を任されている。

キラーとは幼馴染みらしく彼をいろいろ気にかけているようだ。


スマイル

この状況下でもよく笑う中学生ぐらいの少年。

ムードメーカーで彼がいるだけでその場の雰囲気が明るくなる気がする。

でもちょっとうるさい。


キャット

猫のように身軽(らしい)な少女。

逃げ足が早く慎重な性格なので偵察を任されている。



アーチャー

すらりと背の高い少女。

アーチェリー部の部長だったらしい。

武器はアーチェリー用の弓と矢。


ヤンキー

ビックボスの取り巻きらしき少年。

何故か威張っているようだが観察する限りうっかりが多い。

ゴルフクラブを武器にしている。折れそう。


フットマン

太った少年。

手先が器用で廃材からいろんな道具を作れるらしい。

鉄パイプとナイフを組合せた槍を持っている。器用さがうらやましい。


カウガール

行方不明者。食料を探しに行ったきり帰ってこないらしい。死んだ警官が持っていた拳銃を所持していてそれがニックネームの由来らしい。

昨日の少女?確認しなければ。


ハッカー

行方不明者。機械に強くフットマンと共に機械類の修理をしていたらしい。



願わくばこの人達が生き残れますように。



・自分の状態

右目に包帯。彼らが所有する医療品の中に眼帯はなかった。しばらくはこのままのようだ。

声の喪失。

記憶の欠損。今は気にならない。

空腹感の欠如。こっそり食べる量を減らした。



・持ち物

ノートとシャーペン

リュック

ライター

タバコ

タオル

サイフと現金少々

金槌

電波時計

鉄パイプ

拳銃

拳銃の弾


集団生活に慣れるまでアーチャーがいろいろ教えてくれるらしい。ありがたい。



『十二日目』


今日の目標 食料の調達


学校の物資の回収を提案。 採用された。

忘れずに二階にいる彼女のことを伝えておく。

襲ってこないことは伝えるべきか? 不明な点が多いので保留 伝えないことにした。

出来れば筆談用のノートも回収したい。


探索に出発。基本は奴らを避けて行動する。

メンバーは自分、ビックボス、キラー、キャット、アーチャー。

遅くても夕暮れには戻って来る予定。


集団でのルール 常に二人以上で行動すること。

彼らは行方不明になったメンバーは単独行動をしたため帰ってこないと考えているようだ。



学校に向かう道中、キラーに拳銃を見せカウガールの物かどうか聞いた。

答えは肯定。カウガールの物で間違いはないらしい。

拳銃と弾はキラーに渡した。自分よりも彼が持っていた方がいいと判断。

銃は片目ではうまく扱えない。



学校に到着。これより物資の回収を開始。

なお、到着までに三体の奴らと遭遇。犠牲はなし。


現在自分が拠点にしていた四階の教室にいる。


変わらず彼女は二階でさまよっていた。だが自分達の姿を捕らえると彼女は呻き声をあげながらキラーに襲いかかった。

幸い警戒していたため迅速な対応が出来、キラーに怪我はなかった。

今思えば彼女が自分を襲わなかったことを伝えないでよかった。もし伝えていたら警戒が甘くなり万が一の事態が起こったかもしれない。

伝える情報は選んだほうがいい。 重要。


彼女を殺した後二階を探索した。

教室で更に保存食を発見。当初の予定よりも多くの物資を確保できた。


学校で手に入った食料は災害時のために用意しておいた非常食だろう。

なぜ二階と三階に食料が残っていたのに四階にはなかったのか?

立てこもった人達が食べた? しかし空き缶が見つからない。 どこにいった?


また教室にてノートを三冊入手。筆談用の紙が確保できた。シャーペンの芯も。


探索終了

夕暮れ前に拠点に戻ることができた。

回収した食料と水は二週間分になるらしい。これでしばらく余裕はできたと思われる。


・自分の状態

右目に包帯。眼帯は見つからなかった。

声の喪失。筆談でコミュニケーション可能。

記憶の欠損。もはや気にする暇なし。

空腹感の欠如。昨日と同じく食べる量を減らした。体調に変化はない。


・持ち物

ノートとシャーペン

リュック

ライター

タバコ

タオル

サイフと現金少々

金槌

電波時計

鉄パイプ




『十三日目』


今日は拠点で待機。


体を休めろとのことだったが落ち着かないのでドクターに応急処置の方法を教えてもらった。

この状況下では出来ることが多い方が生き残れると判断してのことだ。

少しでも彼らの役に立ちたい。


フットマンと話した。金槌を欲しがったので渡した。

どうやら彼はオタク気質なようで聞いていないこともたくさん話してくれた。


世界がこうなり始めたのは一ヶ月前のこと。

自衛隊が鎮圧に乗り出したのだが押さえきれなかった。

フットマンは一度は避難所に逃げたが日が経つにつれ空気がピリピリしてきて暴力沙汰も起こるようになったらしい。

そこから逃げたしてこの集団に合流。


また、その間一切海外の情報は手に入らず救援も来なかったようだ。


海外はどうなっているのか?

無事なら何故救援がこない? もしくは向こうも同じになっているのか?





ヤンキーが怪我をして帰ってきた。奴らにひっかかれたらしい。

奴らになるのでは?と警戒したがドクターの話ではひっかかれただけでは奴らにならないらしい。

=つまり噛まれた時だけ変異? なぜ?なにか条件がある?


なお、ヤンキーへの応急処置は自分がすることになった。

うまくできた。 と思う。


・自分の状態

右目の包帯。治療中ヤンキーに医者が必要なのはお前だと言われた。もっともだ。

声の喪失。筆談で補える。

記憶の欠損。話から察するに自分の記憶は事が起きる前と後、それぞれ一ヶ月づつの記憶がない。

空腹感の欠如。ほとんど食べてないのをドクターに見つかり怒られた。次はうまくやるとしよう。


・持ち物

ノートとシャーペン

リュック

ライター

タバコ

タオル

サイフと現金少々

電波時計

鉄パイプ




『十四日目』


今日はアーチャーと探索に出掛ける。

出掛ける前にビックボスからサバイバルナイフを渡された。狭いところでは鉄パイプは不利とのこと。

前に持っていたナイフよりも大きく頑丈。壊れる心配はほぼないと思われる。


基本方針は前回の探索と同じ。奴らとの接触は避け、隠れつつ進む。

荷物は少量。身軽にしてすぐ逃げられるように。


出発する。



休憩一回目。


アーチャーの腕前は非常に素晴らしいものだった。

彼女の放つ矢は狙い違わず奴らの頭を射抜くのだ。おかげで危険なく奴らを排除することができた。

暇があれば教えてもらおうか。 片目でも使えるかの?



休憩二回目


道中迂回できない場所に奴らが一匹いた。アーチャーが弓で狙うには難しい位置にいたため自分が後ろから近づき首を切った。


首を切り落とす時の嫌な感触が手に残っている。





やつらが中にいる形跡のないビルを発見。中に入り探索する。



屋上で死んでいる人達を発見。立てこもった後食料が尽き、餓死したものと思われる。

唯一の救いは争った形跡がないことだろう。

最後まで争うことをよしとしなかったか、それともその気力すらなくなっていたのかはわからないが。

どちらにしても見ていて気分のいいものではなかった。

どうしてか自分達の未来を暗示しているように見えた。  ばかばかしい。


だが収穫もあった。それが救いだ。

手回し充電可能なラジオを見つけた。それは今自分の手の中にある。


壊れていないか試しにラジオに耳を傾けてみることにする。


雑音しか聞こえない。

電波は受信しているようだが肝心の放送を流す者がいないのだろう。



そろそろ日が落ちる。拠点に戻る。



・自分の状態

右目の包帯。もう換えなくていいかもしれない。

声の喪失。筆談は咄嗟の時には不便。

記憶の欠損。気にしている暇はない。

空腹感の欠如。人目がほとんどないので楽に誤魔化せた。


・持ち物

ノートとシャーペン

リュック

ライター

タバコ

タオル

サイフと現金少々

電波時計

鉄パイプ

サバイバルナイフ

手回し充電式ラジオ

次は視点変更を予定。時間かかるかも。

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