165 物事はいきなり起こるものだし、思ったように行動なんて無理なんだよ
「う、う~ん」
日が昇ると同時に一気に上昇した熱気で目を覚ました。
体内からは水分が抜けているような感覚。
そして、俺はとある違和感に襲われた。
「ちょっと待て……えっ?」
この久々の感覚はまさか?
ずぶりと手をパンツに入れると、そこには今までなかったはずのものが存在していた。
その存在しているものは、朝特有の主張をしているじゃないか。
「な、なんで!?」
慌てて起きて鏡を覗き込む。
そして、鏡に映っていたのは姫宮悟だった。
「なんでだよ? 男に戻ってる? えっ?」
俺は慌てて部屋を飛び出した。
目指すのは隣の綾香の部屋だ。
「くっそ、絵理沙だよな? こんな事をしたのは! 勝手に男に戻しやがって!」
ノックもせずに綾香の部屋の扉を開くと。
「きゃーーー!」
悲鳴。うん、綾香の悲鳴。
「お、お兄ちゃんっ!」
部屋の中には下着姿というか、上半身が裸な綾香がいた。
真っ赤な顔ですぐに隠してはいたが、しっかりと見てしまった。うん、胸をね。
俺の綾香だったときよりも一回り小さいように見えたけど、やっぱり元が違うから綾香の方が成長しないのか? きっとまだBカップだろ。
なんてどうでも良い事を考えていると、綾香が真っ赤なまま睨んでいる。
「綾香、絵理沙は?」
部屋を見渡すが見当たらない。いるのは綾香だけだ。
「お兄ちゃん! 絵理沙さんを探す前に妹に配慮はないの!?」
「それより絵理沙だよ、あいつ、勝手に俺を元に戻しやがったんだ」
「絵理沙さんはいないっ! だから出ていって!」
「じゃあどこに行ったんだよ?」
綾香は真っ赤な顔で俺を部屋から追い出した。
別に綾香の裸なんていまさら見てもどうも感じないのに。
それにあいつ、俺が女だった時に何度か一緒にお風呂にはいってるのに。
「どうせ私の裸を見ても何も思ってないんだろうけど、私は恥ずかしいんだからっ!」
ドア越しに綾香の声。
「ごめん、悪かった。でもな? 絵理沙を探す方が重要だろ?」
「重要だったら妹の部屋にノックしないで入ってもいいなんてルールはないよ!」
ごもっともである。
俺はそのまま家中を探す。
しかし絵理沙の姿はなかった。
しばらく経過して、綾香がリビングに下りてきた。
そういえば、綾香も元の姿に戻ってるじゃないか。
そうか、絵理沙のやつは俺と綾香を元に戻したのか。
「お兄ちゃん、お兄ちゃんのその格好、女の子のやつだよ」
「あっ!」
少し大きなサイズだったせいか、女子物のパジャマを違和感なく着ていた。
「お母さんたちに見られる前に着替えてきてよ」
「そうだな。っと、ここにいろよ? 絵理沙の事で色々と聞きたい事があるんだ」
赤い顔をした綾香が胸を隠すように腕を前で組んでいる。
「別に飽きてる訳じゃないけど、いちいち綾香の裸くらいで動揺なんてできないだろ?」
「ひ、ひどいよ! 私だって女の子なのに!」
「なぁ、絵理沙は? 絵理沙はどこにいる?」
「わかったよ、もうっ」
そして俺は着替える為に一旦リビングを後にした。
それから数分で俺は着替えを終えてリビングに降りてきた。
「待たせたな」
「おかえり」
綾香はリビングにちょこんと座ってテレビを見ていた。
しかし、なんて余裕なんだ? 元に戻ったのに驚いてすらいない。
絵理沙がいないのに何も感じていないのか?
と言う事は綾香は絵理沙の行方を知っていると考えてもいいな。
「絵理沙はこの家にはもういないんだよな?」
「うん」
「どこに行ったんだよ?」
綾香は無言で俺に向かって手紙を差し出した。
「なんだよそれ? まさか絵理沙からの?」
「受け取ってよ」
受け取ると、それは予想通りに絵理沙からの手紙だった。
綾香を見れば、綾香は唇を噛んで俺から視線をずらしている。
ともあれ、俺は絵理沙からの手紙を開いた。
『悟へ』
『すごく待たせてごめんね。やっと魔法力も回復したのであなたを元に戻します。綾香ちゃんも元に戻しておきます』
『これで私に仕事は終わりました。私は魔法世界に戻ります』
えっ!?
『だけど、最後に手紙になりますが、私の本当の気持ちを悟へもう一度伝えておきます』
俺は唾を飲み込んでから手紙の続きを読んだ。
『私は悟が大好きです。これはたぶんずっとずっと変わらない気持ちです。でもね? だからって悟を恋人にしたいって事じゃないんだよ?』
なんだ? いきなり文面が崩れた?
『理由は悟も知ってるよね? そう、魔法使いは人間とは一緒になれない。だから、いくら私がよくても、悟がいいよって言ってくれてもダメなの』
『私や輝星花や和実のような不幸な子供を、不幸を知っている私が生むわけにはいかないの。だから私は諦めます。あなたを諦めます』
絵理沙……。
『最初から悟とは最初から一緒になれない運命だったんです、私は綾香ちゃんも、悟にもとんでもない迷惑をかけてしまった犯罪人なんです』
また文面が戻った。
『私が悟に好きになって貰える権利はありません。ううん、好きになってもらっちゃダメなんです』
『私は二度とこちらの世界には来ません。だから私を忘れてください。なんてやっぱり言わない。書かない』
書いてるじゃないか……。
『だって私は覚えておいてほしいから。ずっとずっと野木絵理沙という女の子が悟を好きだったんだって覚えておいて欲しいから』
『お願いです。忘れないでね? 私も忘れないから』
『約束だよ? ゆびきりできないけど約束だよ?』
『綾香ちゃんと兄妹で仲良くしてね。真理子ちゃんたちにも宜しく伝えておいてね。そして、輝星花を……お姉ちゃんを宜しくお願いします。悟がお姉ちゃんを支えてあげて下さい』
『大丈夫だよ、今のお姉ちゃんは人間だから、悟と一緒になっても大丈夫だから』
『あと、お姉ちゃんも悟が大好きだから。そんなの解ってるよね?』
ほんと、こいつは自分勝手な奴だな……勝手に書きたい事を書きやがって。
『でも、でもね? もしもお姉ちゃんと一緒になれないのならハッキリと断ってあげて欲しい』
『お姉ちゃんは悟が好きです。でも、これはお姉ちゃんの初恋。だからこれから先だって恋愛ができる可能性がない訳じゃない。だからこそダメなだダメってハッキリ言ってあげて』
『私が去ってからすぐにでも』
『最後に』
『大好きでした。絶対に幸せになってください』
『野木絵理沙より、姫宮悟へ』
「馬鹿が……」
手紙を読み終えた俺はその手紙を折ってからズボンのポケットに入れた。
「絵理沙は何時までここにいた?」
「朝の五時かな」
「五時だと?」
「うん」
「早いな……」
「絵理沙さんは私の魔法を解いて、すぐにお兄ちゃんに魔法をかけてから家から出ていったよ」
「なぁ、なんで綾香は絵理沙を引き止めなかったなんだよ」
「だって引き止める理由はなかったから」
綾香は即答した。
しかし、そう言いながらも申し訳なさそうに俯いている。
もし、何か理由があって引き止めなかったにしても、俺が綾香を責める訳にはゆかない。
絵理沙だって責める訳にはゆかない。だけど、俺は納得していない。
絵理沙が好き勝手に俺を元に戻した事に納得していない。
せっかく全員で感動を味わおうと思ったのに、全部が台無しだ!
「絵理沙は歩いて出ていったのか? 魔法は使っていなかったか?」
「玄関から普通に出ていったよ。魔法は使ってなかったと思う」
なるほど……という事は……。
俺は輝星花の顔を思い出していた。
もしかすると、輝星花は絵理沙が戻ってきていた事を知ってるかもしれない。
下手をすれば絵理沙は輝星花のマンションにいるかもしれない。
「ちょっと輝星花のとこに行ってくる」
「えっ?」
俺はそのまま部屋を飛び出した。
自転車に飛び乗ってから輝星花のマンションへと向かう。
途中、田んぼを吹き抜けてくる風が朝なのに妙に生ぬるく、太陽の日差は馬鹿にしているように暑すぎてたまらなかった。
でも、俺は懸命にペダルを漕いだ。
「はぁはぁはぁ」
午前八時。輝星花のマンションに到着した。
自動ドアにぶつかりそうになりながらもインターホンの前に立ち、ボタンを押す。
【はい?】
輝星花の声で返事が返ってきた。
「俺だ、悟だ! 空けてくれ!」
【えっ? msふぉけおkふぉpkせおpkf】
日本語でOKだぞ? じゃない。
何だ? 誰かいる?
【カチャリ】
そして、扉が開いた。
「入っていいって事だよな?」
俺はマンションに入ると、そのまま階段で一気に駆け上がる。
汗でびっちょりになりながらも輝星花の部屋の前に到着した。
「よし」
ゆっくりとドアノブに手をかけて廻すと。
【カチャリ】
こちらも簡単に開いた。鍵がかかっていないとか、なんて無用心な。
だけど、そのお陰で俺は苦労もせずに中には入れんだけど。
「輝星花? いるんだよな?」
【何で入れるのよ!】
【何でもかんでもないだろ!】
奥から言い争うような声。と言うよりも俺は気がついた。
気がつたからこそ靴を乱暴に脱ぎ捨てて部屋に突入した。
「っ!!!」
「やぁ、悟くん、さすがだね、ここに絵理沙がいるって気がつくなんて」
リビングには二人の女性の姿があった。
一人は元魔法使いの今は人間。野木輝星花。
そして、もう一人は。
「絵理沙、おまえ」
「さ、悟……」
気まずそうに俯く彼女の名前は野木絵理沙。
野木輝星花の妹であり、魔法使いの女の子。
そして、俺を勝手に元に戻して逃げようとした女だ!
「お前な? 勝手に俺を元に戻しやがって、それでもって魔法世界に戻るだと? 加害者として被害者な俺に何お言わずに何考えてるんだ!」
絵理沙の顔が急激に真っ赤になった。
「だ、だって! だって……」
絵理沙は耳まで真っ赤にしてそっぽを向いた。
「だってじゃない! 本当に絵理沙は俺の事を考えて行動してるのか?」
「し、してるわよ!」
「してないな。第一、お前は今日俺を不安にさせた」
「ふ、不安って何が? 元に戻ったんだからいいでしょ」
なんだかムキになっている絵理沙。でも俺は妙に冷静に対応ができた。
「その考えはおかしいぞ? 万引きして、お金出せばいいんでしょ? と同じに聞こえる」
「な、なによ! 何が言いたいの?」
「何がって? 聞くのか?」
「聞くわよ。聞いちゃダメなの?」
呆れてしまう。やっぱり絵理沙は子供だ。
横の輝星花は苦笑しながら俺と絵理沙を交互に見ていた。
「俺が言いたかったのは、お前がきちんと俺と綾香の前に立ち、俺たちに詫びをいれて、そして元に戻して欲しかったって事だ」
絵理沙の顔はもっと真っ赤になった。
「で、でも………………」
すごく小さな声で絵理沙が何かを言っている。
「なんだよ? 言いたい事があるならハッキリ言えよ」
「馬鹿!」
「はぁ!?」
「悟の馬鹿!」
なんなんだこいつは? いきなり馬鹿とかなんなんだ?
おまけにツンデレ少女みたいに唇を尖らせながら頬を真っ赤にしやがって。
「絵理沙」
「何よ!」
「お前に伝えたい事があるからこっち向け」
「はぁ? なんで悟の方なんてっ」
「向け!」
「いやだ!」
俺はずんずんと絵理沙の前に行くと、半場強引にこちらを向かせた。
柔らかい頬から絵理沙のぬくもりが感じられる。
輝星花はそんな俺を絵理沙をため息交じりに見ながら後ろに下がった。
「ご、強引な男子は嫌われるんだからね!」
「じゃあ、早速俺を嫌いになってくれよ」
「!?」
「お前の口から、姫宮悟が大嫌いだから消えてしまえって言えよ。俺を振れよ!」
「うぅ……」
瞳を潤ませる絵理沙。うーうーとずっと唸っている。
おまけにまったく目を合わさない絵理沙。
なんだか本気で腹が立つ。だからこそ言ってやろうと思った。
「絵理沙」
「なによ!」
「俺を男に戻してくれてありがとう」
「えっ?」
「そして、俺みたいな馬鹿を好きになってくれてありがとうな」
絵理沙の肩がびくんとゆれた。そして俺が力を入れていた両手がだんだんとその力を緩める状態になる。
「手紙もありがとう」
じっと黙って絵理沙は俺の瞳を見ていた。ぐっと唇をかみ締めて見ていた。
「ここで俺もハッキリ言ってやるよ」
潤んだ瞳が揺れている。そして瞳の奥で怯えているように感じた。
俺が何を言うのか、きっと聞くのが怖いのかもしれない。
「俺もおまえが、絵理沙が好きだ」
絵理沙が震えだした。そして、それを横目で見ていた輝星花が表情を強張らせた。
しかし、何も言ってはこない。
「でもごめん、絵理沙の言う通りで俺と絵理沙は恋人同士にはなれない。だからハッキリここで伝えておく。絵理沙、お前とは絶対に付き合えない。俺の事は諦めてくれ」
絵理沙は頬を固定していた俺の両手にそっと手を当てた。
俺はゆっくりと手を下げる。
「本気で言ってる?」
「ああ、本気だ。嘘はつかない」
「私、可愛いよ?」
「それでも無理だ。ごめん」
「別にセフレでもいいんだよ?」
「!? ば、馬鹿か! 俺はそういう関係は望まない。っていうより、お前とはもう逢わない。今日が最後だ!」
絵理沙は俯き、ゆっくりと右腕をあげると、どんっと俺の胸を叩いた。
「悟ってひどいよね、私、あなたに振られてばっかだよ」
「仕方ないだろ? 俺だって好きでお前を振ってる訳じゃないんだ」
「……なんかむかつく」
「むかつくって言われても困るんだけど」
「仕方ないわね……仕方ないからさ……悟に振られてあげるわ……」
そしてしばらくそのまま絵理沙は動かなかった。
「悟……」
「ん?」
次の瞬間、ドンッといきなり俺は突き飛ばされた。
そして、ふらつく俺にいきなり廻し蹴りをしてきたじゃないか。
白い何かがチラリと見えると同時に俺の頭に絵理沙の蹴りがヒットした。
「おぐっ!」
「これで簡便してあげるわ。私を振った事を」
それほど強烈な蹴りではなかったが、それでも俺は床に倒れた。
絵理沙はそんな俺を横目に輝星花に声をかけて奥の部屋へ入ってしまった。
「まったく……絵理沙は……」
なんとも言えない表情で取り残された輝星花。
輝星花は眉間にシワをよせながら考え込んでいたが、諦めたように俺の横へと歩み寄って手を差し出した。
「悟くん、大丈夫かい?」
「ああ、でもここで蹴りを食らうとは予想外だった」
「だよね」
ぐっと手を引っ張られて立ち会った俺。
「ごめん、悟くん。今日は帰ってもらえるかな?」
「えっ?」
輝星花のなんとも言えない表情に俺も困ってしまう。
何を絵理沙に言われたのかわからないけど、だけど今はそうだな。
「わかった。でもあれだ、絵理沙にちゃんと言っておいてくれ。俺はお前を完全に振ったってな」
今までの俺はここで可能性を残していた。だけど今は違う。
絵理沙からわざわざ恋人関係にはなれないって言ってくれたんだ。
だからこそ、俺はハッキリす。ハッキリと振る。
心のモヤモヤが消えなくっても、それでも俺は終わらせる。
「わかった。伝えておく」
「絶対に別の男を見つけろよって言っておけ」
「あはは、わかったよ」
苦笑する輝星花に見送られ、俺はマンションから退散した。
帰りの道で考えた。
絵理沙とはこんな最後でよかったのだろうか? って。
後ろ髪を引かれる想いだった。
俺はやっぱりダメな奴なんだろう。
あそこまで言っておいても、絵理沙に嫌われたくないって思ってる。
だけど、ここで振り向いちゃダメだと俺は知っている。
絵理沙は俺が振ったくらいで嫌いになったりしない。
あいつは当分の間は俺が好きなはずだ。
「これが正解だ」
納得感はまるでなかった。
なかったけれど、俺は納得した。納得させた。
「しっかし……」
胸が痛い。すごく痛い。めちゃくちゃ痛い。
失恋。これはハッキリ言って一つの失恋。
「くっそ、こんなに苦しかったのかよ」
大二郎を振った時よりもつらい。って言う事は俺の大二郎が好きっていうのはこの好きよりも低かったって事なのか。
でも、難しいよな。好きって数値で表せないから。
自分でもどのくらい相手を好きになっているのかわからないから。
失恋して、やっとその好きさ加減がわかるんだ。
「茜ちゃん……輝星花……俺はどっちとつきあいたんだ?」
これで俺に残された選択肢は二つ。
今の状態でどちらが好きかと言われれば……。
輝星花か……。
ゴールデンウィークに茜ちゃんを奪ってしまいたいと思った。
だけど、さっき輝星花を見て俺の気持ちがぐらついた。
と言う事は、茜ちゃんを見れば気持ちはまたぐらつくのだろうか?
くっそ……くっそっ! 俺ってダメだな。
せっかく男に戻ってもこれじゃダメだ!
俺は暑い日ざしの中でがむしゃらにペダルを漕いだ。
俺の予想では元に戻る魔法をかけてもらい感動するはずだった。
輝星花が、絵理沙が、和実が、綾香が、みんながいる前で悟に戻るはずだった。
なのになんだこれ? 寝てる間に戻った?
なんて感動がない戻り方だよ。
おまけに知らない間に綾香まで戻ってるとか。
やっぱり現実ってドラマチックな展開にならないんだな。
もし、これが映画だったら観客はどんなにがっかりするだろう。
クライマックスがぜんぜん盛り上がらずに終わるとか。
あー、クライマックスで唯一俺が喜ぶシーンが2つも消えたじゃないか。
あとは俺の心が痛む場面ばっかだろ?
茜ちゃん、輝星花。どっちを取るかとか……。
なんでモテない俺が女を選ぶ時代にはいってる?
お願いだから二人の好感度を数値化して俺に見せてくれ!
どっちと結婚すれば幸せになれるか教えてくれ!
「お前らの胸のうちを俺に教えろぉぉぉぉぉ!」
「えっ? 胸? ま、まだBだけど……」
綾香が洗面にいた。
あと、カップを聞いたんじゃないぞ?




