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神話 合体 スカブバースト

 退屈は人を殺せる、と最初に言ったのは誰だったか。

 何もすることがなければ、きっと俺は退屈で死んでいる。

「70年前に起きたスカブバーストが敗戦直後の荒廃した日本に……」

 途中から見るアニメは意味がわからないことが多い。まぁ今見てるアニメは絵が可愛いのでよしとしようか。

 最近のアニメは無駄にスケールが大きい。神話の時代まで遡る「合体ロボ」アニメだったり、現代の未成年者数名でタイムマシンが作られる「想定科学アドベンチャー」だったり、宇宙からクトゥルフ神話の脅威が這い寄る「萌えアニメ」だったり。


 わけがわからないよ!


 思わず魔法少女アニメに出て来るやたら可愛い獣系キャラクターが脳内に思い浮かんだ。

 時計を見やる。まぁ今見ているアニメが終わっていないのだから、時間はそうそう経ってはいない。

 ちょっと意味がわからないので、後でネットで検索して調べてみようと決め、俺は画面に視線を戻した。



 ガチャ、と音がして、次いでカタン鍵が開く音がそれに続いた。

「――ん、何それ」

 パソコンから流れるエンディングテーマ。少しうとうとしていたらしく、いつの間にか番組は終わっていた。

 さっきのアニメを1話から見ようと検索し、その1話を見るために再生しながらいつの間にやら寝てしまっていたらしい。

『スカブバーストが云々』

 すでに立ち上がっているメモ帳に打ち込んで見せると、興味がなさそうに友人は「ふぅん」と風呂場へ向かった。

 結局ほとんど見ていない動画の再生位置を最初に戻しながら、とりあえずもう一度再生ボタンを押す。

「個人的にはソレ、前作の方が好きなんだけどな」

 お湯を張っているのだろう、風呂場から戻って来た友人がそんなことを呟いた。

『見たことあるの?』

 考えるまでもなく前作については知っている。見たことはないが。

 友人はその問いに即答した。

「ない」

『ごめん意味がわからない』



「ふぃー」

 溜息なのか恍惚の声なのかよくわからないような声を上げ、友人が風呂から部屋に戻る気配がした。

 ちょうど1話の間入っていた計算なので約25分。コイツにしては長風呂な方だ。

『何だか柚子の香りが漂っている気がするのだが』

「あぁ柚子じゃなくてミカンな」

 ミカンの入浴剤とは珍しい、と一瞬思ってから気付く。

 そういえばコイツの実家からミカンが箱で送られて来ていた気がする。つまり皮を使ってミカン風呂にしたのだろう。

『どーりで長風呂なわけだ』

「だって勿体無いじゃん。――あぁ、入りたかったらまだ湯は捨ててないぞ」

 少し魅力的な提案だ。なかなかミカン風呂に入る機会などないだろうし。

『――後で追い炊きして入るからそのままで』

 そうか、と友人は冷蔵庫に手を伸ばした。

「ぶふっ」

 そして吹き出し笑い。さっき貼っておいたメモを見たのだろう。


『このプリンを食べるとスカブバースト』



「アニメに影響されるのはいいが」

 プリンは諦めたのか、紙パックのコーヒーを手に友人が戻って来た。

「少しは生産的なことをしたらどうだ」

『ネトゲとか?』

「いや不毛だなオイ」

 生産と聞くと最近、無条件で思い出すファンタジーなネトゲを例に挙げただけなのだが、どうやら友人は呆れてしまったらしい。

 あれも神話がモチーフだった気がするが、最近は神話が流行りなのだろうか。とは言ってもあのゲームは数年前から続いているのだが。

「勉強とかしないのか?資格とか」

『はっ、今更』

 思わず鼻で笑いたくなる。まぁ言ってることは至極もっともなのだが、何より面倒なことはしたくない。

「まぁいいけどな」

 苦笑を向け、友人はベッドに潜り込んだ。

 おやすみ、と心の中で常套句を告げ、俺はパソコンに向き直る。

 画面には、アニメの続きが表示されていた。

 少しだけ音量を小さくし、俺は画面の再生ボタンをマウスで押した。

ネット仲間であるところの「銘時」氏からの出題で書いたものです。

スカブバーストが何かわからずググって理解しました。

実は見たことありません。Wikiで調べました。

「神話」と「合体」ですでにアク○リオンが頭に浮かんでたのは内緒。


ちなみに作中のネトゲは某ROのことです。しぐるん鯖ととぅーる鯖にてやってます。最近しぐるんばっかりだなぁ。メインはとぅーるだけど。


次回は「花 庭 猫」です。

そろそろストックが切れそうなので新しいのを書かないと……。

こんな短文でも1本2時間以上かかることもあるんです……。

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