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特別編その1 かみるーらじお! 〜一周年だよ! 本編枠乗っ取って、ワイワイ騒いじゃおーぜ! スペシャル~ 前編

吾妻 深千流(以下深)「深千流と」


吾妻 弥千流(以下弥)「弥千流の」


深・弥「かみるーらじお!」


深「一周年だよ!」


弥「本編枠乗っ取って、ワイワイ騒いじゃおーぜ! スペシャル~! in コタツ!」


深「こんにちは。鳳凰学園高校3年、放送部部長をやらせて頂いている吾妻 深千流です」


弥「はろ~! 鳳凰学園高校2年の吾妻 弥千流だよ~。ちなみに、わたしは放送部副部長やらせて貰ってま~す」


深「“かみるーらじお!”とはもっと読者様に“神√”を知って頂きたい! という思いから生まれたラジオです」


弥「ゲストを呼んでフリートークをしたり、リスナーの皆からのお便りを読んだり、質問に答えたりしちゃうよ~」


深「はい、という訳でですねついに––––」


弥「『神√』が一周年を迎えたね~」


深「––––“かみるーらじお!”が本編枠に進出しました! いぇいっ!」


弥「え? まさかのそっち⁈」


深「広々としたこの開放感。タイトルに堂々と“かみるーらじお!”と入れられる達成感。そして何より、メインとして扱われるこの喜び! 後書き枠ではどれも味わえない感覚です! もうこのまま本編枠を完全に奪い去って、私がこの作品の主人公に……」


弥「ちょ、ちょっとお姉ちゃん⁈ 何訳わかんない事言ってんのさ~! この作品の主人公は一ノ瀬なんだよ!」


深「……主人公の座を我が物に……主人公の座我が物に……」


弥「あわわわっ! お姉ちゃんが完全におかしくなっちゃったよ~。ど、ど、ど、どうしよう? えーっと……えーっと……お姉ちゃんゴメンっ! えいっ!」


深「痛っ! い、痛いですよ弥千流! 急に頭を叩くなんて……って、あれ? 私、さっきまで何をしていたんでしょうか? 最初の挨拶をした所までは覚えているのですが……。そこからすっぽり記憶が飛んじゃっています。弥千流、教えてくれませんか? 私が何をしていたのかを」


弥「え、えーっと、そ、そりゃあ『神√』が無事に一周年を迎える事ができてめでたいな~、って2人で盛り上がっていたんじゃん!」


深「え? そうでしたっ……け?」


弥「そうだよ! そう! 今回は一周年を記念した特別編なんだから当たり前の事じゃん!」


深「確かに……いわれてみれば、そんな話をしていた様な気がしますね」


弥「ふぅ……助かった……」


深「それはそうと、弥千流」


弥「ん? どうしたの~? お姉ちゃん」


深「いえ……本編は未だにGWで止まっているのに、どうしてこっちはすっかり冬なのかな? と思いまして。コタツもこうやって用意されてますし」


弥「そこは突っ込んだら負けだよ~、お姉ちゃん。特別編なんだからさ~別にいいじゃん、現実に時間軸を合わせたって。何だったら、コタツ片付ける?」


深「いえ……せっかく出してきた物をほとんど使わずに片付けるのは……もったいないと言うか何と言うか……」


弥「正直に片付けないでって言えばいいのに……。まぁいいや。はいこれ、ミカン。さっき食べてみたんだけど、甘くて美味しかったよ~」


深「本当ですか? どれどれ…………うん! 弥千流、これとっても甘くて美味しいね! もう一個ちょうだい! やっぱりコタツにはミカンよね〜!」


弥「別にいいけど……お姉ちゃん、口調が素に戻っちゃってるよ~。くつろぎすぎ~。今ラジオ放送中なんだよ? 忘れてない?」


深「ん! ふぁたふぃが ふぉうしょうちゅうでありゅことをわしゅれりゅにゃんて……しょ、しょんにゃことありましぇんよ! じぇったいに!」


弥「あのね〜……口いっぱいにミカンを頬張りながら言っても、全然説得力ないよ」


深「…………うっ……もぐもぐ……そんな事ありませんよ!」


弥「いや、言い直しても今更遅いから~。……って、お姉ちゃん、そろそろゲストを入れないと。何の為のラジオかわかんなくなっちゃうよ~」


深「そうですね。私達の駄弁りなどを放送しても意味ないですもんね。このラジオはもっと読者様に“神√”を知って頂きたい! という思いから生まれた訳ですし」


弥「じゃ、ゲストの皆さんどうぞ~」



♪〜戦隊ヒーローが登場する時に流れるようなカッコいいBGM〜♪



弥「ん? お姉ちゃん、何このBGM?」


深「いえ……私は何もしていませんが……」


弥「おかしいな〜……ケータイの着メロって訳でもな––––」


善家 響(以下響)「ブラック! 御主人様のピンチとあらば!」


水沢 麗奈(以下麗)「ホワイト! どこにいたってすぐに駆けつける!」


中溝 悠里(以下悠)「イエロー! 御主人様に悪い事をする奴らは!」


音尾 和(以下和)「ブルー! 例えどんなに汚い手を使ってでも!」


榎本 美都(以下美)「レッド! 全力で叩きのめすっ!」


5人全員「5人揃って、御奉仕戦隊 メイドレンジャー! 只今参上!」



深「…………」


弥「…………」


響「…………」


麗「…………」


悠「…………」


和「…………」


美「…………」


弥「……えーっと……色々突っ込みたいんだけど……まず、何これ?」


美「……いや……ね? まあ、色々とあった訳よ。色々と。ね、麗奈」


麗「え、ええ……実はこの前、美都さんの家に集まった時に……せっかくの一周年という事ですので……」


響「“かみるーらじお!”でゲストとして呼ばれるだろうから、その時に皆で派手に登場しよう、っつー話になってよ……」


悠「で、何がいいか意見を出し合っていた時にたまたま、吾妻先輩から頂いたメイド服が目に入って……」


和「全員で5人いるし戦隊ヒーローっぽく登場してみようと言う結論に行き着いてだな……皆で少しばかりメイド服に手を加えたり、セリフやポーズをを決めたりしたのだ」


深「なるほど……道理で皆さんのポーズがしっかりと決まっていた訳です」


弥「確かにカッコよかったし、可愛かったけど……これ、ラジオだよ? 美都達のそのメイド服とかポーズとか、リスナーには全然見えてないよ? それ、わかってるよね~?」


5人全員「あ」


深「え」


弥「はぁ……もう……ドジっ娘枠はのんのんだけで十分だよ~。皆、私服は持ってきてるよね?」


悠「もちろんです。ここまでは流石に私服で来ましたから」


弥「じゃあ早速着替えちゃって~」


響「ちょっ、マジかよ! これ、結構着るのに時間かかったんだぜ? それをもう脱げっつーのかよ」


弥「いや……だってそのモコモコした姿じゃコタツに入りにくいでしょ。それに……」


響「それに?」


弥「この後––––いつになるかは知らないけど、メイドLOVEな一ノ瀬が来るんだよ~? 皆のその姿を見ちゃったら、多分冬夢の奴、理性なんか吹っ飛んじゃって狼に変身して、襲われたりしちゃうかもよ~?」


麗「おそ、襲われっ⁈」


弥「そうだよ! 襲われちゃうんだよ? だから今すぐ––––」


麗「……それはそれで……ありかも……です」


弥「Oh……」


美「そ、そうね……冬夢にだったら……」


悠「……ボク、な、何されたって、か、構わないですっ!」


和「理性が吹き飛んで野生化した冬夢か……」


響「……い、意外とありかもしれねーな」


弥「……NO……って、そうじゃない! もう! 何言ってるの皆! ほら、お姉ちゃんからもダメだって言ってよ~」


深「ふぇっ? べ、べちゅにいいんじゃにゃいんでしゅか? いかにもせいひゅん! ってかんでぃで……もぐもぐ……」


弥「あー、もうっ! お姉ちゃんがミカン大好物だってすっかり忘れてたよ~! 何このカオスっぷり。あのさ! 皆は構わないかもしれないけど、何回も言うけどこれラジオなの! そんなシーン流せないに決まってるでしょ! ほら皆、ついて来て!」


美「でっ、でも……」


弥「でも、じゃな~い! ほら皆立つ! さもないと……」


悠「さもないと……?」


弥「皆の恥ずかし~いエピソードをここで喋っちゃうよ? わたしだけが知ってる極秘のね」


5人全員「!」


和「ハハハ……何だか急にこの服を脱ぎたくなってきたぞ。なあ、響」


響「あ、ああ。何でかはわかんねーけど、物凄く私服を着てー気分だぜ」


悠「そう、ですね。いやー、何でだろうなー。メイド服を脱ぎたくて仕方がないですよ」


麗「で、では皆さん。着替えに行きましょうか」


美「そ、そうね。ねぇ弥千流。どこに行けばいいかしら?」


弥「今から着替える場所、案内するからついて来て~。ほら、お姉ちゃんも」


深「わたひはここにいまひゅ~……もぐもぐ……」


弥「お ね え ちゃん? わたしはいいんだよ? ここでお姉ちゃんが小学5年生の時にやらかした、あの恥ずかしい話をしても」


深「! わっ、わかりました! 行きます! 一緒に行きますからその話だけはしないで下さいっ!」


弥「うんうん。わかればいいんだよ~わかれば。ゴメンだけど、リスナーのみんなは音楽でも聞いて、ちょっと待っててね~。すぐ戻ってくるから~」




♪〜Mr.Chil○ren 常套句〜♫〜サカナ○ション 夜の踊り子〜♪




深「…………はい。という訳で、皆さんが私服に着替え終わった所で、早速本題に入っていきましょうか」


弥「そうだね~。まずは皆でこの一年を振り返ってみようよ」


麗「一年、ですか?」


弥「そう。“第1話 巫女さんってマジで「神」ですよね”から“番外編その5 人間という生き物は大好きな物を目の前にすると、人格が大きく変わってしまうものだ”までを振り返るって事だよ~」


悠「要するに、小説版のオーディオコメンタリーみたいなものですか?」


深「大雑把に言ってしまえばそんな感じですね」


弥「じゃあまずは第1話から第4話までだね~」


美「冬夢と和の出会い––––この物語の始まりでもあるわね」


響「あっ! そーいや、和。前々からずっと気になってた事が一つあるんだけどよ……」


和「ん? どうした響」


響「いや、冬夢が薬師丸神社から帰ってきた時、どーして和が冬夢の家にいたのか不思議に思ってよ」


悠「確かに、よく考えたら変ですね。……あ、でも冬夢先輩が鍵をかけ忘れた事に気づかないまま出かけた……とかだったらあり得なくもないかも」


和「ああ……あれはだな……まぁ色々とあったのだ色々と」


麗「色々……ですか?」


和「そうだ。『あいつ』から逃れる為に冬夢の家に行くという依頼を受けたのはいいのだがな……冬夢が家にいる時に訪ねて行って『今日からここに住ませてくれ!』と言った所で、不審者扱いされて追い返されるのは目に見えていたからな。上司に頼んで冬夢が出かけている隙に冬夢の家に侵入したのだ。冬夢にインパクトを与えてペースを掴むのが狙いだった」


響「へぇ〜。そんな事があったのか……スッキリしたぜ。ありがとうな和」


和「ちなみに、テレビを見ていたのは緊張と不安を紛らわす為だ。いくら事前に冬夢の写真やプロフィールに目を通していたとは言え、冬夢がどういう人間か全くわからなかったからな」


弥「確かに、実際に会って見ないとわからない事って多いもんね〜」


深「次は第5話から第10話。和ちゃんが転入して来た日の学校の様子と一ノ瀬君の家でのお食事会ですね」


美「いや〜、あの日は凄かったわよね〜。男子のほとんど全員がお祭り騒ぎだったもん」


悠「ホント凄かったですよね〜。ボクのクラスでも一時間目が終わった後の休み時間には既に、和先輩の話題で持ちきりでしたよ」


美「そうだったの? でも悠里、昼休みに和と会った時には和の事を全く知らないみたいだったじゃない」


悠「『黒髪美人な転校生が高2にいる!』っていう話は高1にも伝わっていたんですが、それ以外––––名前だとか見た目だとかまではちゃんと伝わっていなくて……ほら、先輩の教室って何だか行きづらいじゃないですか。だから詳しい情報は入らなかったんです」


深「私のクラスでも話題にはなりましたけど、悠里ちゃんのクラスと同じ感じで……『高2に綺麗な子が転入してきた』という情報だけが回っていて詳しい事はさっぱりでしたね」


弥「そういえばこの日の放課後にゆうりんとれいれいは初めて会ったんだよね〜?」


麗「れ、れいれい……? もしかして、それって私の事ですか?」


弥「もちろん! れいれいはれいれいだよ〜!」


悠「麗奈先輩。弥千流先輩のあだ名は受け入れる以外の選択肢はありませんよ……」


麗「そ、そうですか……。わかりました」


響「悠里と麗奈ってもっと早くから知り合っていたと思ってたんだけどよ……そうでもなかったんだな。ちょっと意外だぜ」


悠「今では皆で冬夢先輩のクラスに集まって一緒に昼ご飯を食べてますけど、あの頃は麗奈先輩、昼休みに来てご飯を食べる事はなかったですからね。こんな事を言うのもアレですけど……正直、あの日まで麗奈先輩の事はあまり知りませんでしたし」


麗「そもそも私は冬夢君とは違うクラスですから、悠里さんとはなかなか接点がなかったんです。あの日会ったのは本当に偶然です」


悠「もしボクが冬夢先輩の家で食事会が開かれる事を知らなかったら、ボクが校門前で冬夢先輩の帰りを待っていなかった訳ですもんね〜」


弥「そういや食事会って聞いて思ったんだけどさ~、一ノ瀬の料理ってやっぱり美味しいの?」


和「ああ、もちろんだ。今までに様々な唐揚げを食べてきたが……冬夢の作る唐揚げに勝るものはないっ!」


弥「唐揚げマニアのなごみんが言う事だから確かなんだろうね~。わたしも食べてみたいな~」


響「オレも料理にはそこそこ自信はあるんだけど……やっぱり冬夢には勝てねーよ、うん」


美「よく考えたら私、最近冬夢の手料理食べれてないじゃない! これは由々しき事態ね。今度また食事会を開いてくれる様に後で冬夢に掛け合わなくちゃ!」


弥「わたしも一ノ瀬の料理食べてみたいんだけど……」


美「冬夢の事だから、弥千流が参加したいって言っても全然OKだと思うわ。深千流さんも来ませんか? 冬夢にはちゃんと話はつけておきますよ」


深「一ノ瀬さんがOKなんでしたら……お言葉に甘えて行かせて貰います」


弥「男1人に対して女7人ってなかなかカオスな気がしないでもないけど……まあいいや。じゃ、次いってみよ~」


深「次は第11話から第14話。和ちゃんと一ノ瀬さんの買い物の話と和ちゃんの唐揚げ好きを治す為に一ノ瀬さんが皆さんに相談する話ですね」


和「冬夢と私で和で買い物に行った時、冬夢と響は一度あってるんだな」


響「まーな。とは言えほんの一瞬だったから、別の日に冬夢の家に訪ねた時には完全に忘れ去られていたけど」


美「……この時の和の唐揚げ好きはホント異常よね。冬夢が毎日唐揚げお化けに追いかけられる夢にうなされていたって言うのも頷けるわ」


和「しっ、仕方ないだろう! 冬夢の唐揚げを食べて、唐揚げ熱が一気にヒートアップしてしまったのだ! あれは冬夢の唐揚げが悪いのであって、私に責任は––––」


悠「先輩、責任転嫁はよくないですよ?」


和「ぐぬっ……」


麗「そういえば和さん。『あっち』の方は上手くいっているのですか?」


和「ああ。唐揚げを週1に控えて一生懸命部活に励んだらみるみる内に減っていってな。今では……って、な、何を言わせようとするんだ麗奈! これはラジオなのだぞ!」


麗「いえ、私そこまで聞いていないんですけれども……」


弥「なごみんが勝手に自爆しただけだよ~。れいれいは何にも悪くないよ~」


和「ぐぬぬぬっ……」


響「ま、まあいいじゃねーか、和。元通りになったんだったらさ。ほら、次いこーぜ、次」


和「……あ、ああ」


深「次は……第15話から第22話。それに一つ飛んで番外編その1とその2。響ちゃんが一ノ瀬家にやって来た話ですね」


響「いやー、あの日は本当に色々あって忙しかったよなー」


和「まさか響が一ノ瀬家に住む事になるとは思わなかったからな。朝起きて、リビングに降りてきた時の驚きは今でもはっきりと覚えている」


響「オレも同じ。部長から『一ノ瀬家で暮らすように』ってメールが来た時は、驚きで思わずケータイを落とそうになったぜ」


悠「いくら何でも唐突過ぎますもんね~」


響「だろ? でも部長が部長だからよ、断りにくかったんだよな。あの人、色々とおかしいからさ。何されるかわかったもんじゃねーんだよ」


弥「確かにあの人、色々とおかしいよね~……お姉ちゃん」


深「ええ……頭のネジが全部吹っ飛んでいるとしか思えません」


麗「お二人共、面識があるんですか?」


弥「え? いや、そんな訳ないじゃん。あいつらにラジオを乗っ取られたりだとかされた訳じゃないよ?」


深「そうですよ。そんな不祥事、私達がしでかす訳がないじゃないですか!」


響「…………」


麗「…………」


悠「…………」


和「…………」


美「…………」


深「…………」


弥「…………」


響「まあ何だ、その、部長にはオレと和から強く言っておくからさ」


和「全くあのゲイ野郎は……響の時ので懲りたと思っていたのだがな……どうやらまだお仕置きが足りないと見えるな。フフフッ……」


悠「な、和先輩⁈ 笑顔が真っ黒。真っ黒ですよ!」


和「……ん? 悠里、何か言ったか? 考え事をしていて聞いていなかった」


悠「な、何でもないですっ!」


和「そうか? 変な悠里だな」


悠「あは、あはははは……」


響「……でもまあ、何だかんだであの日は精神的にも身体的にもめちゃくちゃしんどかったけど、今となってはいい思い出だよなぁ。冬夢とも会えたし」


麗「そういえば、男性恐怖症の方は治りつつあるんですか?」


響「いやー、それがよ……まだちゃんと試してないからハッキリとは言えねーけど、あんまり改善されてねーんだよなぁ。冬夢だけはいくら触れても大丈夫なのに。いっその事、と、冬夢に一日中くっついてみるかな~。もしかしたらだ、男性恐怖症が治っちゃったりするんじゃねーかなー……なんて」


麗「いえ、響さん。それでしたら……狭い空間で沢山の部長さんのみたいなガチムチ男と一緒にいた方がよろしいかと。私の方ですぐに用意できますけど、いかがですか?」


響「い、いや、そんな事されたらオレ死んじゃうから!」


麗「ぬるま湯にいつまで浸かっていても体は温まりません。それと同じです。ちょっとぐらい刺激の強い方がいいのです」


響「……もしかして麗奈、怒ってる?」


麗「いえ、そんな事はありませんよ? 私はただ純粋に響さんの事を心配しているだけですから。さあ、響さん行きましょう」


響「ひ、ひぃっ! 調子に乗ったオレが悪かった! だ、だからそれだけはやめてくれ! 頼むっ!」


麗「…………そこまで言うんでしたら、やめておきましょうか。でも、響さん。いつでもやろうと思えばやれるんですからね? これだけは忘れないで下さいよ?」


響「はっ、はいっ! わかりましたでありますっ!」


悠「れ、麗奈先輩……怒ったら物凄く怖いんですね……」


美「そ、そうね……空気が一瞬で変わっちゃったものね」


和「笑顔がこんなに怖い物だとは思わなかった……」


弥「れいれいの背後に般若が見えたよ……」


深「自分の立場を冷静にフル活用しているのも怖さの要因の1つですね……」


麗「皆さん、何か言いましたか?」


美「な、何も言ってないわよ! ね、悠里」


悠「そ、そうです。麗奈先輩が物凄く怖いだなんて一言も言って––––むぐっ⁉」


和「悠里! お前は死にたいのか!」


麗「私が……怖い?」


弥「ううん! そんな事は全然言ってないよ! ただ……ただ……」


深「そろそろ休憩を挟まないか? と皆で話していたところです」


弥「そう! リスナーのみんなには悪いけど、ちょっと休憩させて貰おうって話をしていたんだ!」


麗「そうなんですか?」


美「そうよ! ほら、近くに美味しいケーキ屋さんがあるから行きましょ!」


麗「えっ……あの……」


弥「リスナーのみんなには悪いけどまた後でね〜! ばいば〜い!」












?「お邪魔しま〜す! ……って、あれ? 誰もいないよ。コタツとミカンはあるけど」


?「本当だ。おかしいな……この時間はまだ放送中だって聞いていたんだけど」


?「多分、どこかで休憩してるんでしょ」


?「携帯、家に置き忘れてきたからなぁ……連絡も取れないし……」


?「もう……ドジなんだから……。ほら、アタシのケータイ使いなよ」


?「いや、皆の電話番号覚えてないから電話を借りても連絡とれないんだよな……」


?「仕方ないね。じゃあ適当に外で時間潰ししとこうよ。一時間ぐらい潰してたら帰ってくるでしょ」


?「そうだな……ここにいても意味ないしな」


?「そうと決まったら早く行こ行こ! アタシ、ちょっと行きたいとこがあるの!」


?「わかった。わかったからそんなに急かすなよ。で、それはこの辺にあるのか?」


?「うん。ここから歩いて––––」


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