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第32話 人を見かけで判断するべからず

「なあ響。これはどうだろうか?」


「おお! めちゃくちゃカワイイじゃねーか。って……和、値段をよく見てみろよ」


「ん? ………い、一着2万円だと? …これは流石に私達には買えないな…」


「こっちはどーだ? 値段も結構安いぜ?」


「確かに手頃な値段であるが…むむむ…デザインが微妙ではないか?」


「だよなー……」



オレはパソコンの前で思わず頭を抱えた。

今、オレと和はパソコンでメイド服のオンラインショップを見ている。

役所から冬夢が「メイド服が似合う女の子が好み」だと聞いた後、早速メイド服を購入して冬夢を悩殺してやろうとパソコンを開いた訳なのだが…



メイド服一着選ぶのがこんなにも大変だったとはな…ったく予想外だぜ。


パソコンでメイド服の入手方法を調べてみたところ、大きく分けてー


①自分で作る


②レンタルする


③購入する


ーの三通りがあるようだ。



まず①は考えるまでも無く却下である。

オレと和にそんな真似ができる訳がない。

もし仮にメイド服を作る技術があったとしても、完成するまでに時間がかかり過ぎてしまうからだ。


そして②も却下である。

確かにレンタルは安いし、すぐに手に入れる事ができる。

しかし、ずっとメイド服を手元に置いておく事ができないのが致命的である。


それに、いくらクリーニングされてるとはいえ、全くの赤の他人が着ていた物を着るのは何だか気が進まない。

確率的にはほぼ0%であるとは思うが、男が着ていた可能性も無きにしも非ずなのだ。


男が着ていた服を着るなんて、オレは死んでもゴメンだ。


でも…と、冬夢の着ていた服だったら…着れるかもしれねーな。いや、むしろ一回着てみー。

…って、何を考えてんだオレは。

これじゃあただの変態じゃねーか。



とまあ、そんな感じで選択肢を絞り込んでいった結果…③の購入するが残ったという訳なのだ。


そしてオンラインショップを見て回っているのだが…中々ベストなメイド服が見当たらない。

デザインがいいなと思ったら値段が高く、値段が安いなと思ったらデザインがイマイチ。


一応オレと和は働いている身(とは言っても、ほとんど働いてないに等しいのだが)なので、毎月ちゃんとした給料を貰っている。

だからオレと和の懐は暖かい…という訳でもないのだ。

なぜなら、お金関係は全て冬夢が管理しているからである。


冬夢曰く「和と響に給料全てを渡したら、唐揚げとぬいぐるみに消えていってしまいそうだから、俺が全部預かってお小遣い制にする」との事。


確かにオレはぬいぐるみが大好きだけどよ…給料全部をぬいぐるみにつぎ込む程、バカじゃない。

全体の三割…いや二わ………い、一割はちゃんと残しておく自信がある……と思う…。




は、話が見えなかったかもしれないが…と、とにかくオレが言いたいのは、オレと和にお金の余裕がある訳ではないという事。



「二人で一着を割り勘しても意味ないしなぁ~…」


「本当にどうしたものか…」


そう言いながら、メイド服のページを閉じ、「唐揚げ博物館」とかいう何の為に建てられたのか全くわからない博物館のホームページを見始める和。



…館長が誰かは知らねーけどよ…オレは館長に言いてぇ。

「悪い事は言わねーから、そんな博物館とっとと閉めちまえ」ってな。

確かに、意外性のある博物館の方が人を集めやすいのかもしれねーが…ここまでぶっ飛んでたら客なんて絶対に来ないだろ。ただし、和みたいな変じ……偏りに偏り切った趣味を持っている人は別だろうけどよ。


実際、そんなオレの予想を証明するかのようにーーそのホームページのアクセスカウンターには「0000021」と表示されていた。


……いつ開館したかはわからねーけど……これはいくらなんでもひど過ぎやしねーか?

そこら辺の痛い中坊の書いている完全自己満のブログだって、もう少しアクセスカウンター回ってるぜ?


多分その21回中半分以上は和が回したものだろうし…


繰り返しになっちまうけど…なあ館長さんよ。あんたがどんな人間かは知らねーし興味もねーが、そんな意味不明な博物館は早く畳んだ方が絶対にいいぜ。

大赤字になるのは火を見るよりも明らかだ。



…って、呑気に人の心配してる場合じゃねー!

こうしてる間にも冬夢が家に帰ってくる時間が迫ってきているんだ!


早くデザインのいいメイド服を安く手に入れる方法を考えねーと!


と意気込んではみたものの、今までメイド服とは全く無縁の生活を送ってきた為か、なかなか良い案が思い浮かばない。


くそっ! メイド服を着て、冬夢をメロメロにさせるのは無理なのかよっ!


そう思い、メイド服を手に入れるのを諦めようとしたその時ー



「……友達にメイド服を持っている奴がいれば一番いいのだが……メイド服を持っている高校生なんている訳がない…やはり諦めるしかないのだろうか?」


ーという和の呟きが耳に飛び込んできた。



確かにダチの中にメイド服持っている奴がいたら楽だよな〜。デザインうんぬんは別として。

お金も少なくて済むしすぐに手に入る。


でも和の言う通り、ダチの中にメイド服持っている奴がいる訳が…………



「……あ」


「どうしたのだ響? 急に間抜けな声をあげて」


「いたんだよ!」


「いた? 何がだ?」


「メイド服を持ってるダチが1人いたんだよ!」


「なに? それは本当か⁉」


「ああ。ガチだガチ。そいつ本人がメイド服を持っているって言ってたんだよ。あん時はメイド服に全く興味が無かったもんだから、適当に聞き流しちまっててさ。すっかり忘れちまってたぜ」


「ちなみにそいつは誰なのだ? 私も知ってる奴なのか?」


「ああ。和もよく知ってる奴だ。早速、電話して見るぜ」


オレはそいつに電話をする為にポッケからケータイを取り出すのだった。





「どう? なごみん、サイズ合ってる〜?」


「ああ。バッチリだ。後、何度も言っているがなごみんと言うな!」


「ひびきん、そっちはどう〜?」


「ひ、ひびきん⁈ な、何だよそれは⁈」


「何って……ひびきんはひびきんじゃん。それよりサイズはどうかな〜」


「……こっちもピッタリだ。デザインも文句なしだし。本当にありがとうな、弥千流」


「いやいや〜。どういたしまして」


そう。メイド服を持っていたダチとは弥千流の事だったのだ。


「これ、本当にタダで貸してくれんのか?」


オレは頭に着ける変な飾り(何でもヘッドドレスと言うらしい)をいじりながら、弥千流に尋ねる。


「全然オッケーだよ。何だったら貰ってくれてもいいんだよ〜。ねー、お姉ちゃん」


「そうね。私達はもう着ないから貰ってくれると嬉しいかな。着てくれる方が服も喜ぶはずだし」


「本当にいいのですか? このような高そうなものを無料で頂いてしまって」


和が言う通り、深千流先輩と弥千流が持って来てくれたメイド服はデザインもとても可愛く、生地もしっかりとしていて物凄い高いシロモノのような気がしてならない。

ホントにこんな高そうなものを貰っていいんだろーか?


「いいよ。いいよ。本当に気にせず受け取っちゃって」


「そうですか……ありがとうございます、深千流先輩!」


「ありがとうございます」


和に続いて頭を下げるオレ。


よっしゃ! これさえあれば! このメイド服さえあれば! 冬夢をメロメロにしてあーんな事やこーんな事を……



「ねえ、ひびきん。急にニヤニヤしちゃってどうしたの?」


「べっ別にニヤニヤなんかしてねーよ!」


オレは慌てて否定する。

やべぇ。無意識のうちに、にやけちまってたのか?

むむむ……これじゃあまるで冬夢じゃねーか。

あいつは思った事がすぐに顔に出るタイプなのだ。

気をつけなきゃな…これは。


「そうかな〜」


「……と、ところでよ。何でメイド服なんて持ってたんだ?」


「あ〜ひびきん。あからさまに話逸らした〜」


「何でメイド服なんて持ってたんだ?」


「……無視されたけど…まあいいや。ねえお姉ちゃん。これを話すのはお姉ちゃんが適任だと思うよ〜」


「えーっと……私が中学時代の時に演劇部に所属していたのは話した事あったかな?」


「いや、初耳です」


「オレも聞いた事ないです」


へぇー。深千流先輩って中学の頃は演劇部に所属してたのか。

放送部部長なんてやってるもんだから、すっかり中学の頃も放送部に所属してたと思ってたぜ。


「私はーまあ弥千流もなんだけどー中学の頃、演劇部に所属してて……あれは私が部長になったばかりの時だから…中3の始めだったかな? に登場人物がメイドだけのコメディー劇をやろうって話になったのよ。でもメイド服って高いじゃん? とても出演する人数分のメイド服は購入できなかった訳。だから私と弥千流でー」


「ー頑張ってメイド服を作ったんだよ〜。んでもってこれがそのわたし達が作ったメイド服なんだよ〜」


「ええっ⁈ これが?」


オレは自分の着ているメイド服を見下ろす。

こんな言い方は悪いかもしれないが、とても素人が作ったとは思えない出来栄えである。

横にいる和も驚いたように自分の着ているメイド服を見下ろしていた。


「自分で言うのも何だけど、結構完成度高いと思うわ。何着も試作品を作っては作り直し、作っては作り直しを繰り返していたから」


「全着完成させるまでに何回徹夜したか……おかげでメイド服を作っている期間は全く授業に集中できなかったんだよ~」


「そんな事言って……私よりも熱心に取り組んでたじゃないの」


「えへへへへ~」


「本当は劇が終わった後に皆にそのままプレゼントしようと思ってたんだけどね……流石にメイド服を日常生活で使う人なんて滅多にいないから……結局出演者の分を全部回収してクローゼットに入れっぱなしだったのよ。だからさっきも言ったように、貰ってくれるとこっちとしても嬉しいの」


「わかりました。ではお言葉に甘えてありがたく頂きますね」


「サンキューな。弥千流」


「じゃあお姉ちゃん。次のステップに進んじゃおうか」


そう言ってバックの中からサングラスとメガホンとジャージを取り出し、深千流先輩にそれらを手渡す弥千流。


次のステップ? 何だそりゃ?

メイド服の着方はさっき教えて貰ったし……

サングラスとメガホンとジャージ。今から運動でもするのか?


急な展開に呆然としているオレと和を他所に、吾妻姉妹はどんどん話を進めていく。



「中3を最後にもうこれはしないと思ってたけど…ふふふ。血がみなぎってきたわ」


そしてなぜか服を脱ぎ、ジャージに着替え始めた深千流先輩。

やっぱり運動でもするのか?


「じゃあ2人とも、次のステップにー」


深千流先輩はサングラスをかけ、メガホンを片手に持つ。


「ー行くぞゴルアァァァァ!!!!!!!」


「「え?」」


オレと和の声が見事にシンクロしたのは言うまでもない。





い、一体何が起こったんだ?


オレは口調の変わった深千流先輩を見る。


「おい! お前ら! ぼさっと突っ立ってんじゃねーよ!」


さっきまでの「頼り甲斐のあるお姉さんキャラ」はどこへやら。

目の前にいるのは「怒鳴りちらす姐さん」である。


「まずはメイドの基本、お辞儀をやってもらう! これができなきゃ本物のメイドじゃねー! ただの腐ったコスプレヤローだ! おい弥千流! この2人にお辞儀の手本を見せてやれ」


「オッケ〜」


そう言ってスッと目の覚めるようなお辞儀をする弥千流。

元演劇部だけあってか、非の打ち所の無い完璧なお辞儀だった。


「今の弥千流のお辞儀を見ても分かるように、深くお辞儀をするんだ。足と腹の間の角度がちょうど90度になるようにな。ほら、2人ともやってみろ!」


「「は、はいっ!」」


逆らったら取り返しのつかない事になる! と本能的にそう感じ取ったオレ達は早速お辞儀をする。

色々と聞きたい事はあるが、この際後回しだ。

オレはまだ死にたくない。


「違う! そんな腐ったお辞儀じゃあご主人様をお迎えできねーだろーが!」


パァンと竹刀(多分、そこにあった和のやつを勝手に使っていると思われる)で床を叩く深千流先輩。


「2人とも足と腹の間の角度が90度より大きいぞ! ほらやり直しだ!」


「「はいっ!」」


「今度は頭を下げすぎだ! もう一回!」


「もう一回!」


「もう一回!」


「もう一回!」


深千流先輩の怒鳴り声がリビングに響き渡った。





それから1時間以上が経過し……


「「お帰りなさいませご主人様」」


オレと和はどこに出しても恥ずかしくない、完璧なメイドへと変身していた。


お辞儀の後はご主人様のもてなし方や「ご主人様」の呼び方。

更には、いかにしてご主人様を虜にするか……などなどをみっちりしっかり教えられた。


「よし! 完璧だ! お前らならやってくれると信じていたぞ! これで冬夢もー」


オレと和のお辞儀を見て満足そうに頷きサングラスを外し、竹刀を置く深千流先輩。


「ー2人の魅力に骨抜き間違いなしね!」


「あの〜ずっと気になってたんすけど…さっきのあれは何なんですか?」


深千流先輩が普段の状態に戻ったのを確認し、ずっと気になっていた事を聞く。

メイドの極意を学んでいる最中はすっかり忘れていたが、変だよなこれ。


「あ〜これはね〜お姉ちゃんの第二の姿なんだよ。中1の時、先輩の演技の下手さに絶望したのがきっかけでこうなったんだ〜。サングラスとジャージにメガホン、あるいは竹刀があればお姉ちゃんは最強の演技指導監督に変身しちゃうんだ〜 」


「……なるほど?」


正直な所、あまり理解はできてないが…要するに二重人格みたいなもんか。

いや〜それにしても深千流先輩がこんなキャラだったとは……意外だな。


「まあいいじゃないの。そんな事は。それより玄関で待機しておいた方がいいんじゃないの? 一ノ瀬君、もうそろそろ帰ってくるんじゃない?」


時計を確認してみると、確かに冬夢がそろそろ帰ってくる時間だった。


「よし、行くか和」


「ああ。冬夢を悩殺してやろう!」


オレと和は玄関へと向かうのであった。








「ーとまあこんな感じな訳よ」


「…私に説明を頼んでおきながら、結局ほとんど全部響が話した…」


「わ、悪い和。ついついやっちまった」


「へぇー…冬夢の好みってメイドだったのね。ちょっと意外だわ」


「ところで響さん。深千流先輩と弥千流さんはまだここに残ってるんですか?」


「ああ。それがどーしたんだ?」


「あ! もしかして麗奈先輩。麗奈先輩もー」









「……ん…」


俺はゆっくりと目を開いた。

ベットの感触で、俺は自分の部屋のベッドで寝ていたんだと理解する。

確か、美都達に殴られて気絶したんだったな。

少し体が痛むが…これは俺のしょうもない勘違いが生んだ完全なる自業自得だ。我慢しよう。



とりあえず、喉が渇いたし…下に降りて水でも飲もう。


そう思い、体を起こした俺の視界に飛び込んできたのは…


「「「「「お帰りなさいませご主人様」」」」」


5人のメイドさんだった。

5人の恐ろしく可愛いメイドさんだった。

しかもその5人はよく知っている顔で……。


「………ふぁあ…」


あまりにも幸せすぎる光景を目の当たりにした俺は再び意識を手放してしまった。


吾妻 深千流(以下深)「深千流と」


吾妻 弥千流(以下弥)「弥千流の」


深・弥「かみるーらじお!」


深「こんにちは。鳳凰学園高校3年、放送部部長をやらせて頂いている吾妻 深千流です」


弥「はろ~! 鳳凰学園高校2年の吾妻 弥千流だよ~。ちなみに、わたしは放送部副部長やらせて貰ってま~す」


深「“かみるーらじお!”とはもっと読者様に“神√”を知って頂きたい! という思いから生まれたラジオです」


弥「ゲストを呼んでフリートークをしたり、リスナーの皆からのお便りを読んだり、質問に答えたりしちゃうよ~」


深「さて“第32話 一人前のメイドになるのは大変なんです”いかがでしたでしょうか?」


弥「やったよ~! お姉ちゃん! ついに本編に登場できたよ~!」


深「そうですね。作者さんはキチンと約束を守ってくれました! 作者さん、本当にありがとうございます!」


弥「ただ強いて言わせてもらうと…中学時代は演劇部っていう設定、とって付けた感が否めないよね~」


深「文句をいっちゃいけないですよ、弥千流。確かにとって付けた感はありますが、キャラが濃くなって皆さんの記憶に残りやすくなったじゃないですか」


弥「言われてみればそうだね~。神√に登場するキャラって個性が強すぎだもん。作者もやり過ぎた…って若干後悔してるキャラもいるんだって」


深「そう考えたら私達、まだまだキャラが薄い方なのかもしれませんね」


弥「まだまだわたし達、本編に出させて貰えるみたいだから……そこでいかに覚えて貰えるかだよね」


深「そうですね。読者の皆様に覚えて頂けるように頑張りましょう!」


弥「じゃあ次のコーナーにいっちゃおう! お姉ちゃんよろしく!」


深「いよいよ今日で質問コーナーも一区切りですね。それではゲストさんどうぞ!」


中溝 悠里(以下悠)「こんにちは! 中溝 悠里です!」


弥「最後は悠里ちゃんだよ~」


悠「深千流先輩。弥千流先輩。この前は秀明がお世話になったみたいで…ちゃんとゲスト務めれてました?」


深「ええ。ちゃんと務められていましたよ。物凄くしっかりした弟さんですね」


弥「ホント。とても中2とは思えない程に大人びていてびっくりしたよ~」


悠「そうですか? だったら良かったです。秀明がちゃんと務めれていたかどうか心配だったんですよ。ところで、秀明と何について話してたんですか? 秀明に聞いても教えてくれないんですよ」


深「……」


弥「……」


悠「先輩方?」


深「……それでは早速、質問の方へ参りましょうか」


弥「そうだね。今回も水面出さんからの質問だよ~」


悠「2人そろって無視ですか⁈」


深「さて第1問。『悠里さんはいつもボーイッシュな服を着ていますが、女の子っぽい服を着てみたくなる事はありますか?』との事です」


弥「ちなみにゆうりんの今日のコーディネートは黒デニムに赤チェックのブラウスだよ~。ボーイッシュだね~」


悠「うーん。そうですね……やっぱりたまには着てみたいなーって思いますよ。でもボクには女の子っぽい服は似合いませんから…」


深「そんな事はないですよ! この前着ていたメイド服、とっても似合っていましたよ!」


弥「恥ずかしそうに顔を赤らめるゆうりん! わたしが男だったら確実に襲っちゃってたよ~!」


悠「お、襲う⁈」


弥「という訳で……じゃん!」


悠「何ですか? その服?」


深「悠里さんにもっと女の子としての自信を付けて頂く為に、私と弥千流で特別に仕立てた服です」


弥「服を作るの、久々だったから多少変な所もあるけど……」


悠「うわぁ~! これ、ボクの為にわざわざ作ってくれたんですか⁉ とっても可愛いです~! 深千流先輩。弥千流先輩。ありがとうございます!」


弥「え? ゆうりん? 何でその服をしまおうとするの?」


悠「え? いやだってー」


弥「今着なくていつ着るの!」


悠「え? い、今着るんですか?」


深「当然です。弥千流やりますよ」


弥「オッケー。お姉ちゃん」


悠「え? え? え? 先輩方? どうして手をわきわきさせながらこっちにーーうわぁぁぁぁあ! ちょ、ちょっと先輩! どこ触ってるんですか!」


深「弥千流はズボンの方を頼みますね」


弥「任せてお姉ちゃん! リスナーの皆はこれを聞いて待っといて!」


♪〜サカナク○ョン アイデンティティ〜♪


弥「リスナーの皆、お待たせ〜! じゃ〜ん! ゆうりん 女の子バージョンだよ!」


悠「ボクは元々女の子ですよっ!」


深「それにしてもとっても似合ってますよ。リスナーの皆様にお見せできないのがとても残念です」


弥「こんなに可愛い女の子が好意を寄せてるのに…あの唐変木は何をやってんだろね…」


悠「いやいやいいんですよ。冬夢先輩が鈍感なおかげで今のバランスを保つ事ができてるんですから」


弥「そうなの? う〜ん、ゆうりんは良い子だね〜。

そんなゆうりんにネクストクエスチョンだよ〜」


深「第2問 一ノ瀬君と付き合っていると仮定しまして、デートに連れて行って欲しい場所とかありますか?」


悠「冬夢先輩に連れて行って欲しい所…そうですね……水族館に行きたいです!」


深「水族館ですか…それはまたどうしてです?」


悠「ボク、昔から泳いでるお魚さんを見るのが大好きなんですよ。熱帯魚さんとかとっても綺麗で、ぼんやりと眺めてるだけでも癒されるじゃないですか」


弥「確かに水族館に行くと、時間を忘れてついつい入りびたっちゃうよね〜」


悠「イルカショーに行けたりしたら最高ですね! イルカさんは可愛いし、冬夢先輩も一緒だし……ああ、行ってみたいなぁ」


深「それでは第3問。そのデートが終わった後、一ノ瀬君とどこまでいきたいですか?」


悠「えぇぇぇぇぇっ⁈ こ、このラジオ、そんな事までき、聞いちゃうんですか⁈」


弥「聞いちゃうんだよ〜。さあ、恥ずかしがってないで言っちゃいなよ!」


悠「え、えーっと……ボ、ボク、中溝 悠里は……と、冬夢先輩の……お、お嫁さんになりたいですっ! ううううう……恥ずかしいよぉ…」


深「何かズレてるような気がしないでもないですが…」


弥「恥ずかしがってる姿が可愛いから許せちゃう! お姉ちゃんこのままシメいっちゃお〜」


深「“神√”を読んでいて疑問に思った事や、このキャラとこんなトークをして欲しいという要望があれば、感想やメッセージ、活動報告のコメント欄からお知らせ下さい。また、誤字脱字や矛盾点などがありましたら、ご報告よろしくお願いします。他にも感想や評価、レビューなどもお待ちしております」


弥「皆のお便り待ってるよ~」




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