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第31話 メイドさんってマジで「神」ですよね


「はぁ……もう色々な事がいっぺんに起こりすぎて、整理できねーよ」


オレ、音尾 響は和の為に急須で緑茶をいれながら、深くため息をついた。

急に三貴神様がお出でになられただけでも、精神的に結構くるものがあると言うのに…

更にオレと和が神様である事が、麗奈達にばれてしまったのだ。


どうしてバレたのか詳しくはイマイチ把握できていないが、冬夢のメールによると、どうやら、天照様が麗奈達の前で能力をお使いになられたらしい…。

せめてものの救いは、麗奈達があっさりとオレ達ー神様の存在を受け入れてくれた事だ。

もし麗奈達が神様の存在を受け入れる事ができず、ややこしい事態になっていたら、今頃オレの胃はストレスでとんでもない事になっていただろう。

本当に…本当に麗奈達の広い心に感謝だ。



「ああ、全くだ…今日みたいな日の事を厄日と言うのであろうな…」


そう言って、オレと同じように深いため息をつく和は、オレの為にコーヒーをいれてくれているーー訳もなく…食卓に座り、醤油濡れ煎餅(冬夢お手製)をむしゃむしゃと食べていた。



三貴神様がここに引っ越しの挨拶に来ていらした時は、急な事に気が動転してしまい、自分の部屋に閉じこもってしまったが…

時間が経ってしまえば、誰だって落ち着く訳で。

ちなみに、冬夢はカラオケに行った。何でも、天照様がカラオケに行きたいと仰ったらしい。



そんなこんなで今、オレと和は2人でティータイムの真っ最中なのだ。

オレ達2人共、今は落ち着いているものの、精神的にどっと疲れているのだ。

やらなければいけない家事を後回しにして、ゆっくり休憩したって罰は当たらないだろう。



「ほらよ」


「おぉ、すまんな」


オレは緑茶を和の前に出してやる。

こいつは昔から料理が苦手なのだ。オレと和はかれこれ10年以上もの付き合いだが、未だに和がまともな料理を作った所をオレは見た事がない。

冬夢も和の料理の下手さを目の当たりにして、愕然としたらしい。

「ここまでくると、もはや才能としか言いようがないよな…」とも言っていた。


流石に緑茶ぐらいなら和1人でいれれるだろう…と思うヤツがいるかもしれない。

オレも冬夢も最初はそう思っていた。そして先日、実際にやらせてみたのだが…結果は散々たるものだったのだ。



まず、やかんと急須が逝った。

要するに使い物にならなくなった。

和が緑茶をいれる所を見ていなかったので、何が起こったのかはわからないが、とにかくやかんと急須が逝ったのだ。


更に、その逝ってしまったやかんと急須の中には茶葉がこれでもか! というぐらい、ぎっちりみっちり詰められていた。

もちろん茶葉の入っていた缶はからっぽである。



あの不器用さは今流行りの「ドジっ娘」などという、可愛らしいものではない。

あれは「天災」という表現が一番しっくりくる。


もちろんその後、和は冬夢に説教をーー




「ーなあ、響。お前もそう思うだろう?」


「え? あ、ああ…確かにそーだな」


うわー…考え事をしてて和の話、全く聞いてなかったぜ。

適当に相槌を打ったはいいけどよ…和のヤツ、何を言っていたんだ?

確か…さっき厄日がどうたらこうたら言ってたし…多分、まだその続きだろ。


オレはそう結論付け、言葉を続ける。



「そうだよな~。ホントに今日は厄日だよな~」


「ぬ? 何の話をしているのだ、響?」


「え? 今日の話をしてるんじゃねーのか?」


「…響…私の話を聞いていなかったのだな?」


ジトッとした目でこちらを見つめてくる和。


「わ、悪りぃ…正直言うと全く聞いてなかった…」


「はぁ……確かに今日は厄日だ。しかし私はあまり気にしてはいない。美都達は神様の存在を受け入れてくれたのであろう? それだけで私は十分だ」


「それはオレも同感。ホント、あいつらの寛大な心に感謝だよな。そーいや…結局何の話をしてたんだ?」


そう言いながら、オレはコーヒーを口に含む。

やっぱりコーヒーはブラックに限るな。この苦みがたまらない。


「ああ…その…そろそろ冬夢とのえ、えっちぃイベントがあっても良いと思うのだ!」


「‼⁉」


コーヒーを盛大に噴き出しそうになるも、何とか堪えるオレ。

口の中にあるコーヒーを慌てて飲み干し、オレは和に詰め寄る。


「な、何をいってんだよ、和!」


「私自身、変な事を言っているという自覚はある。しかし…しかしだそ!」


空になった湯呑を勢いよくテーブルに置き、和は椅子から立ち上がる。


「いくらなんでも冬夢は無欲すぎる!」


「お、おう?」


…一体どうしちまったんだ? 和は!

もしかして、何か緑茶に変な薬でも混ざってたりしてたのか?

それとも強力な電波受信塔を頭におっ建てちまったのか?


和のあまりの変わり様に困惑しているオレをよそに、和は熱く語り続ける。


「自分で言うのも何だが…自分はそこそこ綺麗な方だと思う。響もとっても綺麗で魅力的だ。そんな2人と同居生活を送っているのに…それなのにだぞ…。なぜに冬夢はえっちぃイベントを起こそうとしないのだ! これではまるで私達に魅力がないみたいではないか!」


「鈍感ハーレム漫画の主人公によくいるじゃねーか。お前…悟り開いてんのか? ってつっこみたくなる程に無欲なヤツ。冬夢もあの類なんじゃねーのか?」


確かに…好きな相手に自分の魅力を感じて貰えないのは嫌だよな…。



しかし実際、冬夢は鈍感ハーレム漫画の主人公並のフラグメイカー。

冬夢もハーレム主人公と同じく無欲である可能性も無きにしも非ずである。

それはそれで問題な気もするが、冬夢にとってオレ達が全く魅力的でないと考えるよりは、よっぽど気が楽だ。


「いいや。それは絶対に違う。冬夢が無欲なんて事は絶対にあり得ない」


「言い切ったけどよ…根拠はあるのか?」


「響がここに引っ越ししてきた日、昼ご飯を皆で食べに行ったのを覚えているか?」


「ああ、覚えてるぜ。それがどーしたんだ?」


部長がイケメンを見て暴走するわ、その襲われそうになったイケメンの彼女ーーフィチナが神だったわと、インパクトのありすぎる昼メシだったのだ。忘れる訳がない。


「そこで冬夢はだな…フィチナの事を終始いやらしい目で見ていたのだ! 特に胸を!」


「…くそっ…マジかよ…」



フィチナのエベレスト級のおっぱいを思い出し、オレのイライラゲージは一瞬でMAXになった。

やっぱり男は大きいおっぱいが好きなのか? おっぱいにおいても、大は小を兼ねちまうのか?



オレは自分の胸を見下ろす。

そこにはーー自分で言って悲しくなってくるが、大平原が広がっていた。

山らしい山が全く見当たらない。

「あ…とっても低いけど、よく見たら岡があるなぁ」レベルだ。


こんな状況を打破しようとやれる限りの事はやってる。

牛乳を飲んだりササミを食べてみたり。ネットで調べた事を実践してみたり。

しかしいつまでたっても成果はでない。昔から大きさはほとんど変わっちゃいない。


よく「貧乳はステータスだ」なんて言葉を聞く。

貧乳の人達を励ます為に作られた言葉なのかもしれないが…オレは声を大にして言いたい。

「貧乳がステータスなら巨乳は何なんだよ?」と。

どうせ「世界文化遺産」だとか「秘宝」などと言うに決まっている。

所詮、世の中の需要は「貧乳<<<<越えられない壁<<<<巨乳」なのだ。


……今度、悠里と一緒に「どうしたら貧乳を卒業できるか」を真剣に話し合いたい。あいつもオレに負けず劣らずのちっぱい(ちっちゃいおっぱいの略)だからな…。



「響…? 一体どうしたのだ? 目に涙を浮かべて泣きそうになっていると思えば、顔を真っ赤にして怒ったような表情になるし…」


「いや、何でー」


いや、何でもない…と言おうとしたオレであったが、和の巨乳ーとまではいかないにしろ、軽く平均よりはあるであろう胸を見てしまい…。


「この……裏切り者…」


「ひ、響⁈ 急にどうしたというのだ!」


「………」


「私は何をしでかしてしまったのだ? 黙ってないで教えてくれ、響!」


「………」


「ひ、響〜…」


完全な八つ当たりであるのは自分自身でもわかっている。

しかし…不条理な現実を見せつけられたら誰だってこうなるさ。

その辺はご了承願いたい。







「…で、話の続きは何なんだ?」


オレが不条理な現実に拗ね始めてから数分。

ようやく気分が落ち着いてきたオレは、1人寂しそうに濡れ煎餅をチビチビとかじっている和に声をかける。


「……む〜…」


ぷくーっと頬を膨らませ、こちらを軽く睨んでくる和。目にはちょっと涙が浮かんでいた。

正直言うと、そんな和の姿はカワイイ。もちろん百合的な意味では無い。念の為にもう一度言っておくが、もちろん百合的な意味では無い。



ううっ…そんなカワイイ和の姿を見てると、今更ながら無視した事に物凄い罪悪感を感じてきたぜ…。


「あのー…何だ。そのー…和、悪かった。色々思う事があってよ。少しイライラしてたんだ。それで和に八つ当たりしちまったんだ」


そう言ってオレは頭を下げた。


もちろんなぜイライラしたかは伏せておく。

「和のおっぱいを見て嫉妬した」だなんて恥ずかしくて言える訳がない。

それにそんな事を言ったら、和の事だ。確実に「胸が小さい方がー」なんて慰めてくるに決まっている。

本人は善かれと思って言っているのかもしれないが…言われた方は結構傷付くのだ。



「いやいや。全然構わぬぞ。何があったのかはよくわからぬが、私が響に迷惑をかけてしまったようだからな。……ただその、いきなり無視されるのは中々堪えたぞ」


「ホントに悪かった」


「まあ…そういう事は誰にでもある。もう気にしなくていい。この話はもう終わりにしよう。で、さっきの話の続きというのはだなー」






「どうだ、和? そっちにあるか?」


「いいや。全くない。そっちはどうだ?」


「こっちもねーよ」


今、オレ達は冬夢の部屋にいる。

もちろんここに冬夢はいない。

要するに勝手に入ったという事だ。


なぜそんな事をしているのかというとー



「それにしてもよ…冬夢が本当にエ、エロ本なんて隠し持ってんのか?」


「持っているに決まっているであろう。冬夢だって健全な高2なのだぞ? 持っていない方がおかしい」


ー2人でエロ本探しをしているのだ。


和曰く「私達にえっちぃ目を向けないのは、押しが足りないからなのだ! そこで冬夢のエ、エロ本を探し出して、冬夢の好みを知るのだ! そしてそれを活かすのだ!」という事らしい。

何でも、エロ本にはその人の好みが、一番よく反映されているのだそうだ。

もし冬夢の好みが「歳上のお姉さん」だったり「ドジっ娘」だったら活かしようがないのだが…その時はその時である。



そんな訳でオレ達は「本人がいない間に好きな人の部屋に入るドキドキ感」を感じる暇も無く、ただひたすらにエロ本を探し回っているのだ。



…ったく…オレは何をやってんだか。


そんな事を思いながらも、冬夢の好みが知りたくて必死に探している自分がいる事に気付き、少し驚くオレ。

やっぱりオレは冬夢に随分と惚れちまってんだなぁ……と改めて思い知らされる事となった。



「それにしてもよ〜…一体どこにあんだよ…」


定番(?)のベッドの下や本棚の奥、机の引き出しなどなど…隠していると考えられる場所をくまなく探してみるも、エロ本は一向に見当たらない。



「うぬぬぬ…あまり使いたくはなかったのだが…時間が無限にある訳でも無い。仕方が無いな。秘密兵器を使うとしよう」


そう言って和が取り出したのは…なぜかケータイだった。



「おい和…まさか冬夢に直接聞くのか⁈」


「響よ…私もそこまで馬鹿ではないぞ?」


「じゃあ何に使うんだ?」


「まあ見ていればわかる」


オレを手で制し、誰かに電話する和。


「ああ…ちょっと今時間あるか? ………そうか………本当にすまないな……今日がそんな日だと知っていたのに…ああ…恩に着る…」


二、三言誰かと話したかと思えば、和はそのケータイを机の上に置いてしまった。

もう話は終わったのか? 秘密兵器でも何でも無いような…。


そう思い、和に声をかけようとしたその時ー



『あ~もしもし~? 響、聞こえてる~?』


「お、おう」



聞き慣れた声がケータイから聞こえてきた。

どうやら和は電話を切ったのではなく、外部スピーカーに切り替えたようだ。




「それにしても…なんで真莉に電話したんだ?」


「えーっと、それはだなー」


『ー音尾は俺に用があるんだろ? 俺の連絡先を知らないから真莉に電話しただけで』


真莉とはまた違う声が聞こえてくる。この声は確かー


「役所? 何でお前が真莉のケータイを使って……ってああ、そういやお前、真莉の彼氏だったな」


『自分の友達の彼氏の名前ぐらい覚えておいて欲しいものなんだが…同じクラスでもあるんだし…でもまあ仕方ない事かな。善家は冬夢以外の男には興味ないもんな』


「なっ…」


『こらっ桐生! ダメでしょ? 響をからかったら』


『いや~…ただオレは真実を言ったまでなんだがなぁ…で、音尾。俺に一体何の用なんだ?』


顔を真っ赤にして何も言えなくなってしまっているオレをよそに、会話は進んでいく。


「それよりも前にまずは謝らなくてはならないな。すまない。2人のデート中にくだらない電話などしてしまって…ただ私達にとってはとても重要な事なのだ」


『全然構わないよ。ね~桐生?』


『ああ、気にする事はないぞ。気兼ね無く用を話してくれ』


「実はだなー」


ざっと今までの出来事などを話す和。

流石に好みを知る為に、エロ本を探し回っているくだりは伏せていたが。



『なるほどね~。一ノ瀬の好みが知りたいんだ。それで一ノ瀬の親友である桐生に聞いてみようという訳?』


「そうだ」


『冬夢の好みで攻めてところで、冬夢が積極的になるとは思えないんだがな…そうだな…冬夢の好みか……』


「どんなに些細な事でもいいんだ。何か心当たりねーか?」


『心当たりねぇ………あ…』


『ん? 一ノ瀬の好み、思い出したの、桐生?』


『ああ。ただ…はたしてこの事を暴露してしまって良いんだろうか? …冬夢に他の人には絶対に言わないでくれって言われてるんだ』


「頼む! 教えてくれ!」


「冬夢には秘密にしておくからよ! 頼むぜ!」


オレと和は必死になって役所に頼み込んだ。

可能性は物凄く低いが…冬夢の好みを知る事によって、冬夢と2人きりであーんな事やこーんな事をできるかもしれないのだ。


このチャンスをみすみす見過ごす訳にはいかねー!



『……わかった。俺は言わないでくれと言われた事は絶対に言わない主義なんだがな…今回だけ特別だぞ』


「本当に助かる。すまないな、役所」


「恩に着るぜ! サンキューな」


『いいって事よ。気にするな。……じゃあ言うぞ? 冬夢の好みはーーーズバリ、メイド服が似合う子だ』


「「メ、メイド⁈」」


オレと和の驚きの声が綺麗にシンクロし、冬夢の部屋に響き渡った。





吾妻 深千流(以下深)「深千流と」


吾妻 弥千流(以下弥)「弥千流の」


深・弥「かみるーらじお!」


深「こんにちは。鳳凰学園高校3年、放送部部長をやらせて頂いている吾妻 深千流です」


弥「はろ~! 鳳凰学園高校2年の吾妻 弥千流だよ~。ちなみに、わたしは放送部副部長やらせて貰ってま~す」


深「“かみるーらじお!”とはもっと読者様に“神√”を知って頂きたい! という思いから生まれたラジオです」


弥「ゲストを呼んでフリートークをしたり、リスナーの皆からのお便りを読んだり、質問に答えたりしちゃうよ~」


深「まずは嬉しいお知らせからです。ついに『神様√に入りました。』のお気に入り件数が200件を突破しました!」


弥「おお〜! 最近、作者が更新サボってるのに…皆、登録してくれてありがと〜! とっても嬉しいよ〜」


深「さて“第31話 メイドさんってマジで「神」ですよね”いかがでしたでしょうか?」


弥「ねえ、お姉ちゃん」


深「どうしました? 弥千流」


弥「この話…本当に作者の自己満足回だったね。しかもまだ続きそうだし」


深「相変わらず計画性のなさ過ぎる作者さんです。いくら何でも、自分の書きたいネタを詰め込み過ぎですよね」


弥「今度、計画性というものをしっかりみっちりと教える必要があるよ! GW回を既に5話も書いているのに、まだ1日目も終わってないんだよ!」


深「地味に更新が前話から1週間以上経ってますしね…」


弥「でも一ノ瀬の好みが知れたのは、大きな収穫かもね~? お姉ちゃん」


深「どうして私にそんな事を聞くんですか?」


弥「お姉ちゃんがメイド服着て迫ったら、一ノ瀬なんてイチコロだよ~? お姉ちゃん、メイド服似合いそうだし。良かったね~。念願の彼氏ゲットだよ~? お姉ちゃんの理想での年下だし、物凄くスペック高いし…」


深「な、何をバカな事を言っているんですか! わ、私は彼氏なんていらないです! ひ、必要ないです! と、と言うか、何で私が年下好きって知ってるんですか⁈」


弥「何回かお姉ちゃん、同学年の男から告白されてるみたいだけど…『悪いけど私は年下が好みなの』って言ってふってるんだよね~?」


深「どっ、どうしてそんな事までっ⁈」


弥「ふっふっふ~。わたしの情報収集力を舐めて貰っちゃ困るよ~お姉ちゃん」


深「………」


弥「お姉ちゃん?」


深「う…う…うわぁぁぁぁぁあん!」


弥「ちょ、ちょっとお姉ちゃん⁈ 部屋を飛び出しちゃダメだよ! 今放送中なんだから~! ゲストも待ってるのに! リ、リスナーの皆! お姉ちゃんを連れ戻してくるから、ちょっとこれ聞いて待っといて!」



♪〜 BIGM○MA #DIV/0! 〜♪



弥「ふぅ~…何とか曲の終わりに間に合ったよ~。も~お姉ちゃん! 勝手に部屋を飛び出しちゃダメだよ!」


深「確かにそうかもしれませんが…あんな事をラジオで言われたら、誰だって飛び出したくなりますよ!」


弥「うっ…確かにわたし、調子に乗っちゃったかも…ごめんなさい」


深「リスナーの皆様、取り乱してしまい申し訳ありませんでした。そして…さっきの弥千流の話は忘れて頂けると嬉しいです」


弥「わたしからもお願いするよ~。さっきの話は記憶から消去しちゃってね~」


深「続いては質問コーナーです」


弥「このコーナーは、読者の皆から寄せられた質問に、時にはゲストを呼びながら答えていくコーナーだよ〜」


深「今回も前回に引き続き、水面出さんからの質問ーといきたいところですが、今日は別のリスナーの質問に答えたいと思います。今日のゲストはこの方です!」


中溝 秀明(以下秀)「こんにちわ! 中溝 悠里の弟、秀明です!」


弥「なるほどね~。悠里ちゃんに質問する前に弟に来てもらったんだね~。秀明くん、今日はよろしくね~」


秀「はい。よろしくお願いします」


深「それでは早速…ペンネーム“オリーブドラブ”さんからの質問です。

『中溝 秀明君に質問です。秀明君は姉である悠里ちゃんの恋路をどのように見ているんですか? 教えて下さい。お願いします』との事です」


秀「そうですね…僕はお姉ちゃんには純粋に、頑張って欲しいと思ってますよ。ライバルがとても多いそうですけどね」


弥「姉思いの弟だね〜。それにとても大人っぽいし。

とても中2には見えないよ〜」


秀「それは周りによく言われます。お姉ちゃん、ちょっとやんちゃで子供っぽい所があるんで…自分がしっかりしないといけないなとは考えています」


深「本当にしっかりとした弟さんですね。どこかの意地悪な妹とは大違いです」


弥「お、お姉ちゃ〜ん…結構根に持ってるでしょ…さっきの事」


深「いえ。そんな事ありませんよ。そもそも意地悪な妹と言っただけで、弥千流とは一言も言っていませんし」


弥「……やっぱり根に持ってるよ…」


深「ところで秀明君。悠里ちゃんが冬夢君の事を好きになったのはいつ頃なんですか?」


秀「えーっとですね…確か去年の夏休みの始めです」


弥「去年の夏休み? その時、一ノ瀬は高1。悠里ちゃんは中3だよね? どこで2人は知り合ったの?」


秀「それは僕もよく知らないんです。聞いても絶対に教えてくれないんですよ。ただお姉ちゃんが家に帰ってくるや否や、僕の部屋に入ってきて『 好きな人ができちゃったんだけど…どうすればいいのかな?』と言った時には、度肝を抜かれました。お姉ちゃんに恋愛は無縁の世界だと思ってましたから」


深「無縁の世界は流石に言い過ぎでは…」


秀「言い過ぎじゃないですよ。それまでお姉ちゃんはソフトボール一筋でしたから。お姉ちゃん、中学の時もよく告白されてて…まあ、全部断っていたらしいんですけどね。その断る時のセリフが『ボクの彼氏はソフトボールだから』だったそうです」


弥「それは…何か凄まじいね…」


秀「そうなんですよ。弟から見ても女の子らしさってものが一切なかったんですよ。親もよく『うちの子供は姉弟じゃなくて兄弟だ』って言ってましたし」


深「でもその日を境に悠里ちゃんは変わったんですよね?」


秀「ええ。ガラッと変わりましたよ。女性向け雑誌を読んだり、服を自分で選んで買ったり…まあ、これが女の子の姿なんでしょうけどね。

それに今でも僕の所に相談に来るんですよ。やっぱり男視点の意見が欲しいんでしょうね。流石に『男の子はやっぱり大きい胸がいいの? ボクみたいな小さい胸はダメなのかなぁ』と聞きに来た時は焦りました。弟と言えども、年頃の男子にそんな事聞かないですよ普通」


弥「でもそれだけ、秀明君が頼りにされてるって事だよ」


秀「それは弟として嬉しいんですけどね…八つ当たりされる事もしばしありまして…」


深「と言いますと?」


秀「お姉ちゃん、何だかんだで胸が小さいのを気にしてるみたいで、よく大きくする為に色々とやってるみたいなんですよ。食事に気を使ってみたり、風呂上りにストレッチしてみたり…」


弥「へぇ〜。悠里ちゃんも響ちゃんと同じ事してるんだね〜」


秀「でも成果は全くみたいで…それでなぜか僕に当たってくるんですよ。それが困ったところと言えば困ったところです」


深「秀明君も大変でしょうけど、我慢してあげて下さいね。女の子も色々と悩み事があるんです」


秀「ええ。わかってます」


深「本当にしっかりとした弟ですね。秀明君がいれば悠里ちゃんも安心でしょう」


弥「そうだね〜。何だかわたしも弟が欲しくなってきたよ〜」


深「時間も時間ですし、今日はこの辺で閉めましょうか」


弥「OK〜。じゃあお姉ちゃんよろしく!」


深「“神√”を読んでいて疑問に思った事や、このキャラとこんなトークをして欲しいという要望があれば、感想やメッセージ、活動報告のコメント欄からお知らせ下さい。また、誤字脱字や矛盾点などがありましたら、ご報告よろしくお願いします。他にも感想や評価、レビューなどもお待ちしております」


弥「皆のお便り待ってるよ~」

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