第一話 悪魔と天使とのぶお
のぶおが誰なのか・・・・!
気になる「俺」は、
天使と悪魔とのぶおが何者なのか知る。
最後に、のぶおが何者なのかも少し知る。
そんなお話です。
「あ゛?」
俺が声という声を発し、一番最初に反応したのは、
最初に説明した悪魔っぽい奴だった。
「んだよデケェ声出しやがって・・・うっせぇんだよ。」
え・・・?
ここ・・は・・・。
俺の家だぞ?
なのに・・・
なのに・・・
「うっせぇんだよとは何だぁぁ!!この悪魔(笑)がぁ!!」
俺は怒った。
再び怒鳴った俺に対し、悪魔(笑)は、
「(笑)って何だよ!!」
「いや・・だって・・・ねぇ(笑)」
普通に話してる筈の俺の言葉に、悪魔野郎(笑)は
「何笑ってんだよテメェ!!俺は正真正銘の悪魔だぞコラ!!」
・・・・・
・・・皆さんに質問です。
どこか良い精神科、脳外科を知りませんか?
「ちょ、待てコラ!読者の皆さんに何を聞いてんだお前!
俺が可哀想な奴みたいじゃねぇか!」
「俺の心の声を読むなよ・・。つかそりゃ心配するに決まってるだろ・・
いくら見ず知らずの他人でも、いきなり中二病発言されたらねー・・・
そりゃ病院に連れて行ってあげたくなるよ・・・。」
という俺の聖母のような言葉に対し、
中二病(笑)は
「よーしブッコロース。」
と、指をぽきぽき鳴らしながら近づいてくる。
っと、流石にちょっと調子に乗りすぎたかもしれない・・・。
俺は一軒家に一人暮らしだ。
叫んでも誰も来ない。
助けに来たとしてもお隣の老夫婦だけだろう。
正直、お隣の老夫婦が来ても役に立たないだろう・・・。
いや!囮には使えるか!?
・・・って、何を考えてるんだ俺は・・・。
いつもおすそ分けをくれるお隣さんに役に立たないなんて言ってはダメだろう・・・。(囮に使えるかどうか思案したことは悪いと思ってないぞ?)
今思い出せば、この15年間・・・
短かったなぁ・・・
「ちょっと待ちなよ。」
と柔らかい、小さい男の子のような声が聞こえた。
「まったく。何で君はいつもケンカ腰なんだい。ちょっとは心を落ち着かせて行動を出来ないかな?」
この声を発してる奴は・・・。
二番目に紹介した、天使っぽい奴だ。
(へぇー・・・こんな綺麗な声だったのか・・・
ま、見た目で大体想像できたけどなー。)
「うっせぇぞ天使。今取り込み中だ。黙って見てろよ。」
天使・・・?
まぁ・・・確かに天使っぽい・・・つか
もう天使な見た目だけどね?
ザ!天使!だけどね?
いやいやいや!
「天使」って呼ばれてニコニコしてるよ・・・。
え?なに?
まさか・・・?
マジもんの悪魔と天使なの!?
「そーだよぉー」
「そうだっつってんだろーよさっきから!」
・・・・つかさっきから人の心読むなよ・・・
恥ずかしいじゃないか・・・
「さて、そろそろ本題を話そうかな、うん。」
と、天使と名乗る奴が言った。
「僕たちは正真正銘の悪魔、天使、のぶおだよ」
「ちょい待ち」
「んだよテメェ・・・何か文句あんのか?」
悪魔ってホントに口悪いなー・・・
バッカじゃねぇの(笑)
「てめコラァ!心読めてるの知ってて言ってるだろ!!」
「だから止めなってば、中二病(笑)!」
「お前も俺をバカにすんのかぁ!」
こいつらって仲良いのか悪いのか・・・・。
「うるさいなー。関節順番に外してくぞコラ」
・・・・・・。
優しい声で、こわい台詞が聞こえた。
「・・・・・えとー・・・ごめんな・・・?」
「ごめんな?って・・・それは目上の者が使う言葉じゃなかったっけ?」
「辛口聞いてすみませんでしたぁぁ!!」
「それで良ーし!」
俺は今なにを見ているんだろう・・・?
「ごめんねー!石ころと遊んでたら、話逸れちゃったね。」
「なぁなぁ・・・石ころって・・・・俺のこと・・?」
「いちいち話しに割り込んでくるなポリエスチル」
「石ころとポリエスチル・・・・・ポリエスチルの方がマシです隊長!」
ホントに俺は何を見ているんだろう・・・・。
「んーとね、さっき僕が言った台詞覚えてる?」
「台詞?あ、えっとー・・・なんでしたっけ?」
忘れるのも無理はない。
だって天使が悪魔を侮辱してる図を見ていたのだから。
「じゃ、もっかい言うねー。僕たちは、正真正銘。本物の悪魔、天使、のぶおなんだよー!」
あ、そーだそーだ、思い出した
俺がここで「ちょい待ち」って言ったっけ、中二病(笑)が割り込んで来て話が逸れたんだっけか。
「もう中二病(笑)でも石ころでもポリエスチルでもなんでもいーやぁー」
悪魔が何かを捨てた気がするけど気にしない気にしない。
「あの・・・・」
「ん?なんだい?」
「貴方が天使ですか?」
「そーだよぉー。見た目がもう天使でしょ!
「じゃあ、そっちの死んだ魚の目をしてる、黒いほうが・・・」
「そ、悪魔だよー」
ここまでは良いんだここまでは。
問題は残りの一人。
さっきから、俺と天使と悪魔が話してるうちに、
俺のポテチを貪り食ってるスキンヘッドだよ問題は。
「あの・・・・。じゃ、あっちのスキンヘッドの方は?」
「んー?あぁー彼は正真正銘。れっきとした、のぶおだよ」
この状況はなんなのだろう?
俺が頭おかしいのかな?
天使は分かる。
悪魔も分かる。
のぶおは分からない。
つか分かってたまるか!
取り敢えずは無視しとこ。無視!
じゃ・・・まずは・・・
「あのー・・・質問いいっスか?」
「いーよー。あ、敬語使わなくていーよー!僕だけじゃなくて、そこのゴミと、のぶおにもね。んで、質問てなにー?」
「ポリエスチルからゴミにランクダウン・・・。俺の存在意義はなにぃー?」
「じゃ、二個、質問するけど、
あんた達は何故、俺の家に居るの?
もう一個。どこから来たの?」
「おぉー。いぃーしつもんですねぇー!」
「スルースキル半端ねぇなお前ら・・・。」
「まず一つ目の質問の答え。
それは
俺たちは皆、君の心の中に居たんだよ。
それが、何かのキッカケで実体化して、出てきてしまったんだ・・・」
「俺の心の中・・・?
じゃ、つまりお前達は・・・俺の心から来たってことか・・・?」
「うん。そうだね。正確には‘来た’って表現は正しくないかも。僕たちの意志でココに居るわけじゃないし、‘来てしまった’の方が正しいかもね」
「んで、俺らはお前の心から生まれたんだよ。」
「喋って良いって僕言ったっけ?ゴミ虫くん。」
「ゴミからゴミ虫にまたもやランクダウン・・・・」
「心から生まれたってことは、じゃ天使は俺の良い心?そんで、ゴミむ・・ゲフン!悪魔は俺の悪い心から生まれたの?」
「いま俺のことゴミ虫って言おうとしたろ?」
「そゆことだねー」
「え、じゃ今の俺の心には善と悪の心は残ってないの!?」
「それは違うよ。キチンと残ってる。全く減ってないから心配しないで。僕たちは分身みたいなものだからねー」
そっか・・・。
そりゃ良かった・・・・。
もし無くなってたら俺は抜け殻みたいなもんなんだろうしなー
ま、もし無くなってたらこんなにいつも通りに喋れる訳ないよなー
「え・・・。ってことは・・・あの・・・言い辛いんだけど・・・」
「んー?なにー?」
「悪魔が俺の悪い心。天使が俺の良い心。じゃあさ、のぶおは何なの・・・?」
「「・・・・・?」」
え・・・?
俺なんか変なこと言った?
天使も、あく・・ゲフン!ゴミ虫もぽかーんとしてる・・・。
「おいおーい、悪魔で合ってるぞー?」
「そっかー、知らないのかー・・・」
知らないのかーって・・・
そりゃそうだろーよ・・・
「のぶおはね、君の心の「のぶお」の部分なんだよー」
・・・
拝啓、
お父さん、お母さん。
貴方達よりも先に旅立つ不幸をお許しください。
「えーっと・・・窓どこだ窓・・・」
「ちょい待て!何飛び降りようとしてんだテメェ!」
「そうだよ!どーしたの!?」
いや、どーしたのって聞かれても・・・ねぇ?
そりゃ嫌でしょーよ。
俺の心の中に「のぶお」何て言う意味の分からないものがあるなんて!!!
いや、百歩、んーや!千歩譲って「のぶお」という心があるのは我慢しよう。けども、その実体化した姿がコレなのが一番嫌だ!!!
何だよ!パーカーにジーパン着てるのにハゲって!しかもデコに名前書くんじゃねぇよ!!
「そんなにのぶおが嫌なのかい?」
「のぶお良いやつだぞ?」
「嫌なモンは嫌だ!」
「のぶお強いよ?」
「破壊神って二つ名あるんだぞ?」
「余計に死にたくなったよっ!!」
窓の網戸開け、天使と悪魔を振り払い
窓から飛び立とうとしたその時。
「ちょっと待って。」
俺が今日目覚めて初めて聞く声がした。
声がしたほうに目をやる。
眩しかった。
それもその筈。
のぶおの頭がお日様を跳ね返していた。
眩しかったのもあるけど、
俺は少しの間動けなかった。
だって・・・
だって・・・のぶおが・・・・
のぶおがっ・・・!
二千十一年、四月二十九日。火曜日。
朝の六時四〇分。
俺は恐らく今日一番驚いたであろう。
「イケメンでイケボだとっ・・・!!?」
第一話です。
少し長くて、内容もゴチャゴチャですが、
良ければ読んでみてくださいm(_ _)m
感想。お待ちしてます!