51話 あいりちゃんとアイス
第51話「あいりちゃんとアイス」
梅雨の合間のある日、ハルナはあいりちゃんと一緒に近所の公園に遊びに行った。木々の緑が鮮やかに映え、涼やかな風が時折吹き抜けていた。
「ねえ、あいりちゃん、今日はどんな遊びしよう?」ハルナは目を輝かせて聞く。
「あたしはね、ブランコが大好き!ハルナは?」とあいりちゃん。
「ハルナもブランコ好き!でも今日は砂場でお城を作りたいな」ハルナが得意げに答えた。
二人は手をつないで砂場へ向かう。砂は湿っていて形が作りやすかった。
「お城の土台はこっちね。ハルナはお堀作って!」あいりちゃんが提案する。
「わかった!」ハルナは一生懸命砂を掘り始めた。
砂の感触が手に伝わり、ハルナは思わず笑顔になる。
「あいりちゃん、ぱぱは公園好き?ハルナのぱぱはよくここに連れてきてくれるんだよ」ハルナが話しかける。
「うん、うちのパパも公園好き!あいりと一緒に走り回るんだ」あいりちゃんが嬉しそうに答えた。
砂遊びを続けながら、二人はお互いの家族の話を楽しんだ。
「ぱぱはね、ゆうすけっていうんだよ。お仕事で忙しいけど、ハルナのこといつも考えてくれるんだ」ハルナは誇らしげに言う。
「いいなあ。あいりのパパはいつもニコニコしてて、ママとも仲良しなんだよ」あいりちゃんが微笑んだ。
遊びの合間、ハルナが「あのね、夏になったら水着着てプールに行くんだよ。保育園からお便りもらったの!」と言うと、あいりちゃんも「わあ、楽しそう!あたしも行きたいな」と目を輝かせた。
「でもね、まだハルナは水着持ってないんだ。姉貴が今度買ってくれるって!」とハルナ。
「いいなあ。あいりはもう持ってるよ。今度見せてあげるね」あいりちゃんは嬉しそうに約束した。
しばらくして、二人は公園の滑り台に向かった。
「いくよー!」あいりちゃんが先に滑り降りると、ハルナも続いた。
滑り終わった二人は顔を見合わせて笑い合った。
「ねえ、ハルナ、今度おうちで一緒におやつ食べようよ」あいりちゃんが誘う。
「うん!あいりちゃんの家も行きたいな」ハルナも嬉しそうに答えた。
夕暮れが近づくと、二人は帰る時間に。
「また明日も遊ぼうね!」ハルナが手を振る。
「うん、またね!」あいりちゃんも手を振り返す。
家に戻ったハルナはパパのところへ走って行った。
「ぱぱ!あいりちゃんと公園でお城作ったよ!すごく楽しかった!」と報告。
祐介は優しく微笑み、「よかったな、ハルナ。夏が楽しみだな」と言った。
ハルナは嬉しそうに「ぱぱ大好き!」と抱きついた。
その夜、ハルナはベッドで今日のことを思い返しながら眠りについた。あいりちゃんとの友情が、ハルナの毎日をより輝かせていた。