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テンプレから外れた「生意気なメスガキ」ですが多元宇宙規模の神様を敵に回しました  作者: HasumiChouji
異常体(バケモン)には異常体(バケモン)をぶつけんだよッ!!!!
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 その時、更に別のどこかに強制転移。

「何だよ、これ? いいとこだったのに……」

 アンデッド化版の「私」が、そうボヤく。

 何も無い。

 殺風景な空間。

 そこそこの明るさなのに、太陽や月や……何かの炎のような光源が見当らない。

 地面や床らしきモノが見当らないのに私とアンデッド版の「私」は宙に浮いている。

 地面に相当するモノが見えないだけなのか、しゃがんで足下を手で探るが……何も無い。

 魔法か……別の力……それが働いている場所に私とアンデッド版の「私」は居るらしい。

「お前たちの力を借りたい」

 中年と初老の間ぐらいの(とし)の男のような声……ただし、人間であればの話だが。

「あたしが、あんたの思い通りにならなくなった途端に、世界ごと『凍結』したヤツがぁ? どの(ツラ)さげて、そんな事を言い出すの『神様』?」

「依頼を果たせば、望みを叶えよう」

「じゃあ、何が有っても、あたしを2度と『凍結』しない事」

「1つ訊く、こいつには別の世界に行ける能力が有るのか?」

「今まで会った『あたし』の中では……か〜な〜り、用心深い方だね、『あたし』」

「有る」

 クソ神から返ってきた答は……私の懸念が当っていた事を示していた。

「なら、私の世界と私の仲間の『凍結』を解け。その上で、こいつみたいな世界丸ごと滅ぼしかねないヤツが、私の世界に来ようとした時には、その事を私の世界の連中に知らせろ。あと、あんたは時間操作も出来るんだろ?」

「ああ……」

「なら、こいつみたいなのが私の世界に来る時には、それを迎撃する為の準備を整えられる時間を与えろ。そして……」

 どうせ、ロクな事じゃないのは判ってる。この「神様」が約束を破る可能性は有るが……一応は言っておくべきだろう。

「私が死んでも、私の望みを叶えろ」

「注文が多いが……いいだろう」

「で、何をすればいいの?」

「お前たちの派生体(ヴァリアント)を1人殺せ」

「あんたにとって都合が悪いモノが生まれてしまったんなら……お得意の『凍結』をすればいいだろ?」

「残念ながら……チャンスを逃した。私が気付くのが、人間の感覚に『翻訳』すれば……ほんの数時間だけ早ければ、その手が使えたが……今は……」

「今は?」

「私は、この多元宇宙(マルチバース)の『外』に有り、多元宇宙(マルチバース)に一方的に干渉出来る者だ。だが、今は……その者を倒すには、この多元宇宙(マルチバース)の『ルール』に反しない方法で倒さねばならない……」

「待ってよ、じゃあ、あたしや、こいつにやったみたいに、世界ごと『凍結』とかやったら、どうなんの?」

「判らない」

「はぁ?」

「『凍結』そのものは可能だが、その結果、どんな影響が出るかは、私にも予測不能だ」

 何か……おかしい。

 この「世界」に一方的に干渉出来る筈の超越者サマが……まるで、この「世界」で起きた事から重大な悪影響を受ける可能性が有る……そう言ってるかのようだ……。

 私の知らない裏が有るようだ……例えば、このクソ神よりも同等か更に上位の「神」が居て、そいつのせいで、このクソ神は取れる手段が限られている……とか。

「まぁ、いいや。その派生体(ヴァリアント)の情報を出して」

 アンデッド版の「私」が、そう言うと……。

「阿呆かッ?」

「いい加減にしろ、この無能神」

 目の前に出現した大量の文字と数字を見て、私とアンデッド版の「私」は、ほぼ同時に罵声。

「お前たちが要求した殺害対象の情報だが……?」

「あのね……殺害対象の設定値(パラメーター)なんか『情報』とは言わない。こんなモノ……ほんの1%違っただけで、そいつの人生や出来る事・出来ない事は大きく変ってくる。何度も懲りてる筈じゃないの? 神様の世界で言う『カオス理論』だよ」

 どうやら、アンデッド版の「私」は……このクソ神について、私が知らない事も知っているらしい……。それは……何だ?

「必要なのは……殺害対象が今までの人生がどんなモノだったかだ」

「……わかった……」

 クソ神の声は……何か疲れているようだった。

 そして……私とアンデッド版の「私」が殺さねばならない「私」のこれまでの人生が……。

「人選ミスじゃない? あたし、たしかに世界ごと滅ぼすのは得意だけど……こいつ、自分の世界を滅ぼしてでも、自分だけは生き残るタイプの奴だよ……」

「人選ミスの可能性は有る。私は……こいつに一番性格が近い派生体(ヴァリアント)かも知れないが……ほんの僅かな違いが有る。その、ほんの僅かな違いが、どんな結果を生み出すか……判断が出来ない」

 ……クソ……。

 私に良く似た「私」。ただし……私と違って……仲間というモノを持った事がない「私」か……。

「だが……『メスガキ』と呼ばれる原型(アーキタイプ)から派生した者達の中で、奴に対抗出来る可能性の有る異常体(アノマリー)は……お前達だけだ」

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