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始まりの日

ここは誰もが魔法を使える世界。

この世界にまつわるちょっとしたおとぎ話をしよう。

世界を創った女神スペルビアには双子の子供たちがいた。

姉の名はリエート。彼女は世界に魔法をもたらした。

弟の名はアヴニール。彼は人間以外の種族を作った。

彼らは人間界への関心が強かった。人に憧れていた。

『人間の生活とはどんなものなのだろう。

いつか人の生活を体験出来たらいいのに…』


なんとなく彼らの行動が想像出来るだろうか。

多分その予想は正しい。が、もう少し私の話に耳をかたむけてほしい。




14歳の誕生日。私リエートは、弟アヴニールと一緒に走っていた。

「おかーさまー!!」

「どうしたの?リエ、ニール。」

胸がドキドキしすぎて声が出ない。…これは断じて走ったせいではない。緊張しているからだ。…多分。

「えっとね、あのね、お母様にお願いがあるの。」

息を整えながら、やっとの思いで口にする。

「俺たち、人間の学園に通いたい!!」

沈黙が流れる。

「うーん、それはちょっと無理かなあ。」

だよね。この返答は予想通りだ。でも、ここで諦めるような私たちじゃない。ニールと頷き合う。

「お母様、お願い!私たち、絶対絶対、人間界で神力使わないから。」

「頼むよ、母さん!どうしても行きたいんだ。自分たちが

作ったものをこの目で直接見てみたいんだ!」

一息に思いを伝える。

「ううーん、子供たちの頼みは叶えてあげたいけど…」

お母様が悩んでる。もうひと押しかな。

「お願いします!」

ニールと声を揃えて言う。

長い沈黙が流れた。

さすがにこれは無理なお願いだったかな。

「…わかった!そこまで言うならいいけど、いくつか約束してね。絶対破っちゃダメだよ?できる?」

え…衝撃で声が出ない。まさかお母様が認めてくれるなんて。

「ほんと?やったー!絶対守るよ!な、リエ?」

「う、うん!もちろん守れるよ!ありがとう、お母様。」

ニールに呼びかけられて、落ち着きを取り戻せた気がする。念願の人間界に行けるんだ。楽しみすぎる。

「よし、お母様との約束は3つよ!

1つ、絶対に神力を使わないこと。

2つ、誰にも神の子だとバレないように気をつけること。

3つ、人間に恋愛感情を持たないこと。」

「恋愛感情?」

2人の声が揃った。

「そう。神が人間と深く関わってしまうと、いろんな所に影響が出るからね。自然のパワーバランスが崩れて魔物が絶滅してしまう、とかね。」

あーなるほど。確かにそうだ。

「魔物が…絶滅…。」

ニールはだいぶショックだったみたい。自分が作ったものが無くなるのは嫌だものね。


私たちが人間界へ出発したのは、それからしばらくたってからのことだった。

「それじゃあ、お母様!行ってきます!」

「行ってきまーす!」

体が光に包まれていく。いよいよだ。

「行ってらっしゃい!約束忘れちゃダメよー!」



行っちゃった。こんなに早く親離れしちゃうなんて。

それに本当は人間の世界への神の干渉はご法度なんだけど。まあ、仕方ない。

…2人からのお願いなんて滅多にないからね。




そうして彼らの初体験は始まった。

しかし、この時は誰も予想していなかった。

神力を使わなくても、神の子である彼らの力は異常な強さを持っていることを。



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