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ホームレスに就職しました!  作者: チョッピィ
1/3

全て失った男

20歳になったある日

そう、成人式を終えてしばらくしたあと…


僕「ど、どうしてリストラなんですか!」


上司「ほら、伝染病で仕事減ったじゃん?だから給料払えなくなるからさ」


僕「でも、これからって時にそんな…」


上司「ほら君若いじゃん?他にも就職先すぐ見つかるって」


僕は頭の中が真っ白だった…

高卒ですぐに就職が決まり、将来安定だと浮かれていたのに…たった2年で終わった…

会社に何も言い返せないまま僕はふらふらしていた


僕「これからどうしよう…次の仕事探さなきゃ」


ふといつも通りすぎる公園に目をやる

そこには数人のホームレスが集まっていた


僕「このまま仕事が見つからないとああなるのかな…ダメダメ!ネガティブになるとどんどん悪くなる!20歳になったしお酒でも飲んで忘れてやる!」


その夜、持っていたサイフのお金を全てお酒に使った

飲み過ぎたせいでそのあとの記憶がほとんどない

そして僕はダンボールの上で目が覚めた


僕『ん…紙の匂い…?』


おっさん『起きたか小僧』


僕はハッとした


僕『すみません!僕勝手に』


おっさん『勝手に上がりこむわ愚痴はこぼすわ泣きわめくわ忙しい小僧だの』


僕『本当にすみません!すぐ帰ります!』


おっさん『お世話になったあげく用が済んだらさっさと帰るか…職も失ったのに何をそんなに急ぐ』


僕『あ…いや…(こんな汚いところに居たくないとは言えない…)』


おっさん『朝飯ぐらい食っていけ』


そういうとコンビニのおにぎりを差し出してきた

転生したらホームレスだったなんて…笑えねぇ


おっさん『で、これから就職活動か?』


僕『まぁ…』


おっさん『その前に失業手当をもらわないとな』


僕『失業手当?』


おっさん『その疑問は、自分が失業するつもりがなく一生安定!とか思ってたな?小僧貯金は?』


僕『ありません…給料さえあれば大丈夫だと』


おっさん『何年働いてるかわからんが、もしもの時の備えは必要だ!で今がもしもの時だ』


僕『やばいっすね』


おっさん『まぁ若い内に苦労するのは悪くない…がゼロはさすがにまずいよな』


するとおっさんは公園の土を僕にかけてきた


僕『なにするんすか!』


おっさん『おもしろい!これからお前を大富豪にする!』


僕は起こった出来事に頭が爆発しそうになった

このおっさんを今すぐなぐってやりたかった


おっさん『今のお前はその服と同じだ、明るい未来ばかり見てるから苦労を知らない!いい事の後には不幸が必ず来る、日本人は悪いことの後にはいい事があるというが、もしかしたらずっと不幸かもしれない』


僕『未来ある若者になんて事言うんですか』


おっさん『じゃあもし、このまま仕事が見つからなかったら?』


僕『この世は職であふれてます、コンビニにだってバイト募集って書いてあるし』


おっさん『じゃあそのバイトが埋まっていたら?』


僕『他を探せば』


おっさん『無ければ?』


僕『いったい何がいいたいんっすか』


おっさん『常に最悪を想定しろ、それになぜ職であふれていると思う?』


僕『そりゃ人手が足りないから』


おっさん『なぜ?』


僕『なぜって…』


おっさん『新しくできたのなら人手が足りないだろうが、前からある店はブラックが多い』


僕『はぁ…』


おっさん『キラキラした世界にいた小僧には、黒なんてわからないだろうな』


僕はこれから起こる未来も、暗い現実も

まだ知らなかった


おっさん『さて飯も食ったし働いてもらおうか』


僕『はい?』


おっさん『はい?じゃなくて、生活するのにお金がない、お金がないなら稼ぐしかないだろ』


僕『もしかして缶拾いっすか?』


おっさん『トイレ掃除』


僕『最悪っすね…』


おっさん『最悪なもんか、人の嫌がる事を進んでする!これ人生の鉄則』


僕『帰りたいっす』


おっさん『ちゃんと小遣いはやるからちゃっちゃと仕事する』


僕は夢なら早く覚めてほしいと思った…

てか僕騙されてる?利用されてない?


おっさん『ほら手が止まってるぞ』


僕『あっはい…』


おっさん『前は何してた』


僕『事務仕事っす』


おっさん『楽しかったか?』


僕『楽しいというか、ただ文字を入力するだけなんで』


おっさん『それ機械でもできんじゃない?』


僕『あぁ確かに』


おっさん『つまりお前の代わりができるってわけだ』


僕『つまり必要ないってことか』


おっさん『もう一つお前に教えてやろう、空いてる席を狙え』


僕『他人の席に座るんすか?』


おっさん『はぁ…誰もやらない事をしろって意味だ』


僕『仕事増えるだけですよね?』


おっさん『仕事が減って不要になるよりいいと思うがな』


痛いところをついてくる…


おっさん『今後仕事する上で必要になる、覚えておけ』


僕『ういっす…』


おっさん『いいか、社会なんて理屈さえわかればイージーだ、難しく考えるな』


僕『でも社会人二年生っすよ』


おっさん『ならまずメモ取りだ、情報こそ武器になる』


僕『でもそうゆうの苦手で』


おっさん『自分はメモ取りが苦手ってメモを書く、だから難しく考えるなっての、書いてる間に上手くなる』


僕『でも』


おっさん『それと人の話を聞く!《でも》と言う言葉は相手の否定に使う言葉が多く相手とのコミュニケーションが上手くいかなくなる』


僕『先生みたいっすね』


おっさん『まずは笑顔でうなずく、そしてメモを取りわからない事は後で自分で調べる!そしてオーバーリアクションだ』


僕『最後のなんすか?おふざけっすか?』


おっさん『これが相手が話したくなる技術だ』


僕『話したくない相手には?』


おっさん『真顔でノーリアクション、今のお前だ小僧』


自分の態度がそのまま出ていた事に気付かなかった事に少し恥ずかしかった…話は聞いてるつもりでも、相手にとっては悪い印象なんだと気づいた


僕『あの!もっといろいろ教えてください!』


おっさん『よし!じゃあ夢を楽しく想像しろ!』


僕『なんかへんなのきた!』


僕はこのダンボールとビニールシートの空間になにを想像しろというのかわけがわからなかった


僕『でなんでホームレスなんかやってるんすか?それだけの知識があるなら正社員にでもなれただろに』


おっさん『ミニマリストをしていたらたどり着いた!もちろん自分の家はある!夜だけ寝に帰ってるが誰かさんが来たから残業だわ』


僕『なんかすいません…でミニマリストってなんすか?』


おっさん『自分の必要最低限だけ置き、あとは全部捨てる売る!』


僕『じゃあ自分は大丈夫ですね!』


おっさん『以外とその辺はちゃんとしてるんだな』


僕『はい!ゲームとフィギュアに囲まれて幸せです!』


おっさん『それが不要といってるんじゃ!』


僕『モチベーション上がるためには必要最低限です!』


おっさん『だからお前にはお金がない!そんなモノにお金を使うから減っていくんだ』


僕『そりゃお金があったら使うでしょ』


おっさん『それでお金は増えるのか?』


僕『はい?』


おっさん『使ってばかりではお金が減りいずれ無くなる、それより増やす事を考えなければ今のお前さんが完成する』


僕『若年ホームレスじゃないっすか!』


おっさん『あまり国に頼るなよ…仕事なくても生活保護とか言うが、年金問題やインフレで国も余力がない!つまり自分のお金は自分でなんとかしないといけない時代がくる!』


僕『知らなかった!』


おっさん『テレビとか見ないだろ』


僕『見てますよアニメ!』


おっさん『今お前をひき肉にしようと思った俺を許せ』


僕『なんかすみません…』


おっさん『いまだからでき、日本だからできる!お前がいままでお金の事を考えないで生きてきたのもそのおかげだ』


僕『でもそんな簡単にお金は増えないでしょ?』


おっさん『本気でお金を増やすなら、それなりの知識と技術がいる。でもそれは世の中を知っている頭のいいやつばかりだ』


僕『鬼畜っすね』


おっさん『でも誰でもできる方法を知っていれば、誰でもお金持ちになれる!大事なのは、焦らずゆっくりお金持ちになること!一攫千金!なんて考えてると無理ゲーだな』


僕『でも宝くじで当たれば』


おっさん『確率を知っているのか?例えばサイコロは6分の1だが、同じ数字が出る可能性だってある!コインの表裏でさえ表が連続して出る可能性がある!つまり宝くじで当たる確率なんてほぼゼロ!無駄なんだよ』


僕『じゃあその焦らずゆっくりを教えてくださいよ』


おっさん『まず元手を作れ!ミニマリストの話はしたよな?地震で逃げる時に持っていけないモノは売ってこい!』


僕『マジっすか!』


おっさん『それから必要なものを増やせばいい!よく考えても不要なモノが多い事に気づく』


僕は帰って家の整理をする…とりあえず電化製品以外はすべて売る事にした

さよなら我が嫁たちよ…共にいた同士たちよ…

大富豪になったらまた会おう!そんな思いを乗せて別れを告げた


おっさん『家電は置いとくんか』


おっさんがいきなり背後から現れた


僕『びっくりした、てかなんで他人の家に来てるんですか!』


おっさん『テレビはスマホがあれば情報は入るし、冷蔵庫はその日に食材使えば一人暮らしには必要ない、クーラーは冬は重ね着でいいし、夏は扇風機あれば大丈夫』


僕『おそるべしミニマリスト』


おっさん『まぁそこまで言わんけど本気でお金増やすなら、無駄な電気代を少しでも減らせたらって話だ、ちなみに家族を持ってたら省エネ家電をオススメする。中古で買うと壊れやすいからそこはケチらず新品を買え』


僕『早く家族をもとう…』


おっさん『それ終わったら出かけるぞ』


僕『どこ行くんすか?』


おっさん『書店で情報収集』


僕『いい歳して立ち読みっすか』


おっさん『立ち読みの極意ってやつを教えてやろう』


おっさんは本屋の道中にも話を続ける


おっさん『今日一日でいろいろ話したが、成功する人は一度に一つのことをしたやつだ!それを習慣にして少しずつすれば良い。それに人の記憶は20分で半分は忘れてる』


僕『確かにいろいろあったはずなのにトイレ掃除の記憶しかない』


おっさん『だからメモを取り復習する、そしてわからない事を調べる事によって脳に記憶される。最近は書店にもメモ帳が置いてあるからついでに買っとけ』


僕『はいっす』


とりあえずイオンの本屋に来た


僕『思ったんすけど、本読むだけなら図書館でもよかったんじゃ…』


おっさん『甘いの!時代は変わる、つまり最新の情報があるのが本屋』


僕『最新ですか』


おっさん『今と昔じゃ考え方や未来への向かい方が違う』


僕『なるほど、で何を見るんですか?』


おっさん『お前が少しでも興味ある本を探す、まずは目次から必要な情報を見る、さっきも言ったが人の記憶力は短い、だから少しずつたくさん見る、すると似た情報が復重して出てくる』


僕『つまりそれが大事な情報』


おっさん『まぁ全部とは言わんが、その中でも自分に合っていると思ったやつを買う、それで無駄に本を買う必要が無くなる』


僕『なるほど』


おっさん『知識の前ではみんな平等、金持ちも貧乏もない』


と本を見始める、とりあえず求人誌に目を向ける

だが特にやりたい事もなくパラパラとめくるだけだった


おっさん『再就職のヒントをあげよう』


僕『いいのが無くて』


おっさん『就職というのは自分の価値でもある、基準としては、前職より高い年収を選ぶ事をお勧めするよ』


僕『年収いくらだったかな?』


おっさん『だいたいでいいよ、給料×12とか』


僕『それならだいたいわかる』


おっさん(自分の事なのにアバウトだな…まぁそれぐらいが育てがいがある)


僕『給料でだいたいしぼれました』


おっさん『次はやりたいかできるで調べる』


僕『やりたいかできる?』


おっさん『両方あるといいが、相手は会社だ!嫌いな会社に入るとやりたい事も嫌いになる。だからまずは自分でもできる会社をお勧めするよ』


僕『それならこの仕事が出来そうです』


おっさん『あとは履歴書を各会社に送りまくれ!数打ちゃ当たる』


僕『体一つにそんなに就職できませんよ!』


おっさん『採用は落ちてなんぼ、だからたくさん送る方がいいの』


僕『な、なるほど』

最後まで見ていただきありがとうございます

次回、新社会人編です

お楽しみに!

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