2人は一心同体
「イエーイ!」
「ナイスアシストだったよ、私!」
「僕こそエースとして最高の仕事してるよ」
「あ、見て見て!
相性120%だって」
「そりゃ自分自身なんだから当たり前だよ」
『あっはっはっはっはっ』
放課後、私達はゲームセンターに寄ることになった。
それと言うのも結城達が楽しみにしていたガンシューティングゲームの最新作が導入されたからである。
ウキウキで誘いに来てくれた二人を無碍にする事が出来ずに私と涼はOKしたのだが、正直ゲームには全く自信がない。
この中で私は1番ゲームが下手で涼は下手ではないが普通程度の腕前と言った所だろう。
肝心の結城なのだがゲームや漫画が好きなインドア派らしくゲーム全般が上手い。
そして、結城が上手いということは当然の事ながら優希もゲームは得意と言うことになる。
最初は私と結城、涼と結城の組に分かれてプレイしていたのだが、私は最初のボスにたどり着く事なくやられてしまった。
涼も健闘していたのだが、最初のボスに対処しきれずにやられてしまう。
そうなると一人でプレイしていても仕方がないので結城達もワザと敵にやられて早々にゲームが終わってしまった。
「あ〜あ、やられちゃったね」
「このゲームは難しいから仕方ないよ」
そう言って気にしないでと笑う結城達だが、楽しみなゲームを心ゆくまで楽しめなかった無念さが節々から伝わってきた。
それで、つい出来心で言ってしまったのだ……2人でプレイして見たらと。
するとどうだろうか?
今まで抑圧されていたものが発散されたかのように神プレイを連発する2人。
やがて発売したばかりという事もあってか後ろにはギャラリー達まで集まってくる始末だ。
「おいおい、あのカップル凄くねぇか!?」
「このままノーコンでクリアーしちまう気かよ」
「何も言わなくてもお互いが其々のカバーに入ってやがる。
以心伝心なんてレベルじゃねぇよ!!」
なにも知らない観客達は結城達のコンビネーションを見て次々とすごいカップルが来たと褒め称える。
実際に私達から見ても互いの隙を完璧に補い、ボス戦等で寸分の狂いなく同じ箇所に弾を重ね当てる2人の姿はお似合い以外の何者でもなかった。
そして2人は本当にそのまま一回も死なずにこのゲームをクリアーしてしまった。
その瞬間に盛大に沸き起こる歓声と拍手。
「最高だったぞ!」
「あんた達お似合いだよ!!」
そう言って口笛まで鳴らし始める輩まで現れた。
更に店の奥から店長らしき人が現れて、
「お二人のコンビネーション最高に素晴らしいものでした。
良ければ当店で初のノーコンティニュークリアー者として写真を撮って飾らせて貰えませんか?」
「はい、もちろんです!」
「私達で良けれ是非!!」
ゲームクリアーしてテンションが上がっていたのだろう。
普通なら断りそうな所だが2人は即答して筐体の前でガッツポーズを取った写真が撮られた。
後日その店に立ち寄ってみると、カウンターの後ろに最強カップルの名前と共に結城達の写真が飾られているのを見て尚更落ち込む私と涼であった。